私の尊敬する、大阪府堺市の佐藤小児科・佐藤美津子先生の
Facebookのポストをご紹介させてください。
ステロイドを使わない、という
賢明な選択をされた親御さんのお子さんをあずかる幼稚園
および保育園に向けて、
『アトピー性皮膚炎は自然治癒する病気 。
ステロイドはそれを治す薬ではない 。』
と、明確に説明され、掻くことを特別視せず、かわいそうなどという目で見ずに、
温かく保育することを推奨される手紙を書いておいでです。
随所に愛の溢れるメッセージに、アトピーの私はじ~んときてしまいます。
このような方こそが本物の医師だと思います。
以下、全文を、ハイライトを入れながら紹介させていただきます。
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保育所・幼稚園入園時のお願い
保育園の先生方へ
以前より、○○ちゃんが、先生方の保育園にお世話になっております。
…
○○さんは乳児期ステロイドを使用していましたが、
疑問を感じステロイドを中止されました。
当院には、・・・・・。(経過を書く)
アトピー性皮膚炎にはステロイドを使う治療が一般的に行われています。
ステロイドを使わない治療をする病院は少数です。
当診療所のアトピー性皮膚炎に対する治療についての考えを説明させていただき、
保育園においてもご協力お願いしたいと思います。
アトピー性皮膚炎は自然治癒する病気であること
ステロイドは抗炎症剤でアトピーを治す薬ではないこと
(皮膚科学会のアトピー性皮膚炎ガイドライン2016にも、
治す薬は無いと書かれています)
ステロイドを使わなくても治る病気であること
(当院のステロイドを使わない取り組みが毎日夫人2011年3月号に取り上げられましたので
参考にして頂ければ幸いです)(HPにあります)
そのためには、しっかり栄養をとること
アトピーはアレルギーではないので、
食物制限はしていません。○○ちゃんも制限はしていません。
バランスの良い食事をすること
かさぶたやビラン面からの滲出液で失われるので蛋白質を多めに摂ること
保湿はしていません。保育園での塗布は不要です。
自由に搔かすこと
(大人でも痒いと掻くので子どもに掻くのをやめさせることは不可能です。
自由に掻かすとそのうち痒い時以外掻かなくなってきます。
掻いてはダメということは子どもにとっても周りの大人にとってもストレスとなります。
掻いている姿をじっと見たりするのもしないようにお願いします。)
湿疹を気にせず、普通に保育すること
(アトピーがあるからと特別扱いはしないようにお願いします。
親御さんの話を聞くと、ごく一部の保育園では、「何か塗ってはどうか」とか、
「今日も掻いていました」ということがお迎え時に言われるようです。
心配してくださるお気持ちからの発言だと思いますが、
言われる親御さんにとってはかなりストレスになるようです。
また、かわいそうにという言葉かけをされる先生もおられると聞くときがありますが、
○○ちゃんの年齢なら、アトピーがあるからかわいそうなんだと理解できます。
それもかなりのストレスになります)
掻いて浸出液が出たり、出血したりすることについても保育園の先生方から質問を受けます。
○○ちゃんには、肝炎等の感染症ウイルスはありませんので、
他のお子様たちに血液等を介して移るものはありません。
ガーゼ等で、保護していただいて結構です。
保育園での手洗いについては石鹸・アルコール消毒はせず、
水洗いのみでお願いします。
掻かないように言われ、気にされると、子どもは湿疹が悪いものだ、
搔く自分は悪い子どもだと感じてしまいます。
掻くのは当たり前、
湿疹があっても悪くないんだということが子どもに理解されれば、
子どもはのびのびと保育園生活を送ることができます。
保育園で思う存分遊ばせていただければそれが一番良いと考えています。
どうかよろしくお願いします。
また、今後いろいろあると思いますので遠慮されずに当院へ聞いていただけたらと思っています。
2016年〇月〇日
〒599-8261
堺市中区堀上町123 佐藤小児科
佐藤美津子
℡072-281-0215Fax072-281-0216
メールアドレスを書く
追:「痒い」と訴えてきた場合には、
「掻いていいんだよ。自分で掻くと気持ちいいよ」と言っていただければと思います。
掻きすぎて「痛い、血が出た」と言ってくる場合は、
「治るから大丈夫」と話してください。
以上です。
医療機関・保育施設・教育機関等で「かわいそうに」と言う発言が非常に多い。
これは差別的な発言です。
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佐藤美津子先生は、ご主人の佐藤健二先生(阪南中央病院皮膚科部長)と共に
ステロイド使用の間違いを広めることで、副作用に苦しむ患者たちを救おうと
無償で全国で講演をなさったり、
数々の運動をリードして、
多くのステロイド副作用の患者やお子さんやその親御さんたちに
希望を与え続けてくださっています。
臨床の現場に立ち続け、患者の症状の経過を逐一診てこられ、
机上の理論ではなく、患者の言葉、経験に耳を傾け、
一番ふさわしい治療法をご存じの先生たちです。
本来のあるべき医療の姿を体現なさっておいでなのです。
このような先生たちのおっしゃる
『ステロイドはアトピーを治す薬ではない。』
というお言葉には大変重みがあります。
日本にも、こんな素敵なお医者さん達がいることを誇りに思います。
地球規模でも最長に近いくらいステロイドを使ってきた私も、全く同感です。
ステロイドでアトピーは治りません。
ステロイドによるアトピーの難治化、
副作用の実態を世界中が知るべき時がきています。
一人でも多くの方にシェアして戴けたら幸いです。
***ちなみに・・・全く余談ではありますが、先日、たまたま
アメリカ人の小児科医師と少し雑談をする機会がありました。
現在、私の左手の薬指がひどい悪化をして、そこだけ見るも無残にぐちゃぐちゃ・・・
なのですが、その医師はそれを見て、即座に、
「あ、それは、ステロイドの副作用だね。」
・・・と、あっさりおっしゃいました。
多くがステロイドの副作用を認めない日本との違いに、カルチャーショックでした。(;^_^A