完璧になっちゃってませんか? ― アトピー性皮膚炎と完璧主義

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完璧主義って、

ある意味、高いものを求める立派な生き方だと思います。

でも、誰しも、そうそう物事が完璧に進まないことを知っていますから、

完璧主義って、やりすぎると疲れるよね・・・。)

と、思っている人が多いものです。

あるいは、完璧主義の人について、

完璧主義もいいけど、いちいちうるさいわね、あの人。」

あの人、完璧主義だから、気を遣っちゃうよね。」

なんていう批判もよく聞きますよね。(笑)

そう、誰でも知ってはいるつもりなのです。

 

ところが、実は、気付かないうちに

知っているはずの自分自身も、完璧を求めてしまっていることが多々ある気がします。

特に、

自分は根が真面目だな・・・・。)

と、心の片隅で思っているあなた。

知らず知らずのうちに、完璧主義

押し通してしまっていることがあるかもしれません。

 

例えば、

気付かないうちにこんなことを言ってることがありませんか?

 

「やっぱり、せっかくやるなら、きちんとやった方がいいんじゃない?」

前もってやっとくのが普通でしょ?」

「他人のことを、“真面目だ、真面目だ” って言ってくる人って、

自分がちゃんとやってないのを棚に上げてるだけよ。」

「あと、(症状の)ここさえよくなればいいんだけど。」

絶対に・・・」

必ず・・・・」

何が何でも・・・・」

早めにやっておかないと。」

今度こそ・・・・」

ちゃんとやらなきゃ。」

「なにこれ~~~?真面目にやってほしいよね~。」

 

こんなことを日常で

ポロッと言ってしまっていたなら、

あなたも完璧主義症候群かもしれません。

 

完璧主義・完全主義は、

ものごとを完璧にサクサク出来てしまう人ならそんな主義に陥りません。

完璧に出来る人で、それ以上を求めない人、

あるいは、テキトーにちゃらんぽらんやる人は苦しみませんので、

完璧を求めても、完璧主義とは呼びません

しかし、通常、完璧に出来ないのが人間ですから、

きちんと出来ないことでイライラしたり、

苦しんでしまうのが完璧主義です。

さらに、自分に厳しい人は、他人にもめっちゃ厳しいのが普通ですから、

他人に対しても完璧(ちゃんとしたもの)を期待し、

ストレスを募らせがちです。

 

そして、この完璧主義者の

完璧を求める思い が、

時としてトラブルや病気を呼んでしまう・・・

そう言われたなら、ほとんどの人が納得するでしょう。

 

アトピー性皮膚炎や、

ステロイドの副作用の治療中の方々についても

そういった傾向が見られることが多々ある気がします。

 

病気をすると、当然のように、誰しも完治を求めます。

完治を求めるのは当たり前ではありますが、

私たちは往々にして、

完璧を求める傾向に陥ることがあるようなのです。

 

完治完璧

 

同じように聞こえますが、

この二つの求める方向性は、

似て非なるものであり、

実態は全く違うのです。

 

アトピー性皮膚炎患者は、

とっても優しくて、細やかで、繊細な・・・・

ちょっと線の細めの性格の方が多い印象ですし、

根がとっても真面目です。

結構おちゃらけた感じに見える人でも、

根底には、色々なことに真摯に取り組む性分を持っている場合が多いようですし、

まれに、一見かなり強そうなタイプで、他人を攻撃したりする人でも、

本人は、ちょっとしたことを言われただけで、くよくよ気にしていたりするものです。(笑)

おとなしく見えるタイプの人も、心の奥はアツい真面目人間もたくさんいます。

つまり、同じ病気を持ちながら、同じような性分を持つと言う共通項があります。

そして、

真面目だからこそ、

気にする性格だからこそ、

まだよくなっていない部分に人一倍気持ちが行ってしまうのです。

 

(完全によくなっていない自分じゃだめだ・・・。)

(絶対、完治しなくちゃ!)

(ここが、いつまでたってもよくならない・・・。)

そんな考え方が真面目による完璧主義です。

 

真面目なのは悪いことではありません

完治を求めるのも、当然の心理です

ただ、昨日より、ちょっとよくなっている部分もあるのに、

あるいは、悪くない部分もあるのに、

そのことには目もくれず、

感謝もせず、

「あと、ここさえよくなれば・・・」

「この症状さえ消えれば・・・。」

そうやって、ないものを求め、

悪い部分に注目し、

完璧を求めがちなのです

 

入院して劇的に改善し、

いざ退院という段階になっていても、

「まだ、ここが・・・・・・。」

と、ついつい言ってしまいがち・・・ですよね?(笑)

言った覚えのある方、

今、頭をポリポリしていませんか?

 

今、あるものに、

喜びや、幸せや、感謝を見つけるのが先です。

よくなった部分に、大いに喜ばなければいけません

 

よくなっている部分には、全く目もくれず

よくならない部分にばかり注目し

血まなこになって (笑) 完璧を求め続け、

「まだ、よくならない。」

「ここが、こんなにひどい・・・。」

と文句を言いがちなのが私たちです。

 

ここまで、よくなったんだ!!!!)

・・・・と、よくなった部分に満足してみてください。

完璧を求め続けて不平不満を持っていると

自分が不幸です。

気分は不幸な上に、

醸し出す雰囲気は、どんより、(笑)

周りにもちょっと暗い空気をバラまいて、

それでも自分は治りたい・・・って、

ちょっと虫が良すぎかもしれません。

 

例えば、

よくなった部分に注目する入院生活と、

悪い部分ばかり考え、完璧を求める入院生活では、

治りの速度が違うと思います。

心の “ありか” が全然違うからです。

前者は上昇気流に乗っていますが、

後者は暗闇でもがいているようなものです。

そもそも、完璧を求めている人は、体に力が入ってしまっています

だら~~~っとしながら完璧になろうとしている人って、

いませんものね。(笑)

置かれている環境や、

よくなった部分に感謝を見つけ、

ありがたいなぁ・・・。)

そんな思いで日々の生活を送っていると、

自律神経が整い、体の細胞が、本来あるべき正常な状態に戻ろうとがんばってくれるようです。

 

完治以外は喜べない・・・・それが、完璧主義なのです

一部(いや、二部でも三部でも!)よくならないところがあることに

いちいちこだわって、落ち込まないでください。

よくなっているところもある

そこに注目しましょう。

完璧を求めず、

よくなった部分に喜びを見つける生き方を続けていると、

その延長線上に完治が訪れることは当然あるはずです。

 

アトピッ子をお持ちの親御さんにも同じことが言えるでしょう。

よくなった部分をうんとほめてあげることが大事だと思うのです。

大人でもそうですが、特に子供は、ほめられるのが大好きです。

大好きなお母さん・お父さんにほめられるとうれしいのです

よくなった部分に全く言及せず、

ここがまだ悪い、

そこがよくなってない・・・・

と親が気に病んでいるのでは、

子供の心に影響を与えないわけはありません。

 

思い当たる節(ふし)のあるあなた。(笑)

今日からは、よくなった部分を探して

そこに喜びを見つけませんか

右手がダメでも、左手が大丈夫なら、

そこに感謝をしなければいけないはずです。

 

今、入院中のみなさん。

退院する時に完治していなくても、

「まだ、ここが・・・・。」

という生き方ではなく、(笑)

「完治、とまではいかないけれど、ここまでよくなったんですよ。大満足、大感謝です。」

そのくらい言い放っちゃってください

言動が先

健康が後からついてきてくれますよ。

 

今日も素晴らしい一日を!

 

 

 

#アトピー性皮膚炎 #ステロイド副作用 #完璧主義 #完治 #真面目 #アトピっ子 #完璧 #共通項 

完璧になっちゃってませんか? ― アトピー性皮膚炎と完璧主義」への2件のフィードバック

    • 佐藤先生

      いつも読んで下さってありがとうございます!
      世界のDr. Satoに読んでいただけるのは、私だけでなく、読者の多くのみなさんにとっても喜ばしい限りだと思います。先生のコメントを見つけて、喜んでいる読者さんもいっぱいいらっしゃるんですよ。

      佐藤先生の診察を受けながら、病院の素晴らしいスタッフに支えられての入院経験は安心以外のなにものでもありませんでした。

      ひどい状態だからこそ入院しているのですから、その困った時・疑問がある時に、いつでも最適な答えを下さる佐藤先生の元にいられるだけで、患者はうれしさのあまり逆立ちするほど(笑)、自らのラッキーぶりに喜んでいいはずです。
      それくらい恵まれた環境だと思います。

      それでも、ついつい自分の症状に不平不満を持ってしまいがちな私たちなので、自分が置かれている場がどれほど恵まれていて、ありがたいことなのか、再認識するきっかけになればと思ってしたためました。

      世界中で、佐藤先生に診てもらえたら・・・と思う患者さんたちがたくさんいるなかで、日本に生まれ、佐藤先生と出会えた私たち患者は本当にラッキーです。

      出来るなら、もっともっとたくさんのステロイド副作用に悩む患者さんが、佐藤先生に出会えて、そして出来るなら佐藤先生が2~3人くらいいてくださったら・・・(笑)と、あり得ない夢を見ますが・・・・患者さんが増えすぎても、先生のお体がもちませんよね(笑)。

      せめて、先生にはお体を大切にして戴き、これからもたくさんの患者を救い、たくさんのステロイド副作用患者をリーダーとして導いて戴けたら・・・と願ってやみません。

      時節柄、どうぞご自愛ください。
      温かいコメント、ありがとうございました。

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