脱ステ超お役立ち情報 ー その12(皮膚の構造と湿疹・蕁麻疹・苔癬化)


 

阪南中央病院皮膚科の入院患者さんと佐藤健二先生の学習会情報がアップデートされましたよ♪

今日のトピックは『皮膚の構造と湿疹蕁麻疹苔癬化についてです。

 

超お役立ち情報も、今回で12回目。

またまたさらに、私たち賢くなれますね。

この調子で行くと、私たちもいつの日か佐藤先生に追いつき追い越し・・・・は、ないか。(笑)

しかっり読んで、賢くなって・・・一日でも早くよくなるように、ご一緒に学習していきましょうね。

 

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<<<佐藤健二先生のお話>>>

 

□皮膚の構造と湿疹蕁麻疹苔癬化について□

 

皮膚の構造

 

表皮の一番上にアカがあり→ 表皮真皮皮下脂肪という構造になっており、

真皮までを皮膚 という。

画像と説明は関係ありません。

 

 

皮膚が一ヶ月ごとに入れ替わるという意味

 

分裂した細胞が表皮最下層から表皮に上がってきて、落屑となって落ちるまでのサイクルは、

真皮から表皮まで(生きている細胞)で2週間

アカになった状態(死んだ細胞)で2週間かかる

 

 

掻いた時に血が出た方が良いという意味について

 

画像と説明は関係ありません。

最初に血管の構造を説明する。

皮膚の血管は表皮には無く、真皮にある

強く掻いたとしても、真皮の血管を破るまでは出血は起こらない。

つまり、表皮が分厚かったら、いくら掻いても血管までは届かない。

そうなると掻いても出てくるのは汁だけということになる。

真皮まで到達して初めて血が出る。

掻いてすぐに出血するということは表皮が薄くなっている証拠。

 

 

表皮の構造

 

拡大して考えてもらいたい。

表皮を豆腐に例えると、一番外側(上部)がアカになっていて

一番下が生きた細胞の一番下。

表皮をバサッと切って横から見ると、波を打っているように見える。

画像と説明は関係ありません。写真:自然免疫応用技研 ㈱

実際に立体で見ると →

豆腐に、赤ちゃんがミルクを飲む時の

乳首が下からプチュっと突き上げたような

形になっているのが見られる。

豆腐の中に上がっているような格好で、

真皮が表皮中に所々入り込んでいて、

二次元で見ると山型になっている。

その上がったところに、毛細血管がある。

 

これらを踏まえうえで、湿疹と蕁麻疹の違いを説明する。

 

 

湿疹とは

 

血管からリンパ球や好中球という白血球の仲間が出てきて、

真皮と表皮の中まで入っていった状態で、細胞が色々と物質を出すので、

表皮が浮腫になる。

細胞と細胞の間に水が溜まって膨れてくるから、盛り上がる。

痒いところが尖っているのは、細胞間に水が溜まって膨れているからである。

このために湿疹が治るのには時間がかかる

 

 

蕁麻疹とは

 

蕁麻疹は湿疹とは大きく異なり、上がっている毛細血管の内張に隙間ができ、

白血球や赤血球は出ないが、汁だけが出る

血管の周りに液体が出て行くが、1時間か2時間くらいで吸収されてなくなる

蕁麻疹は液体が出てきた時に膨れてしばらくするとへこむ。

炎症が強くないので湿疹に比べて早く治る

 

 

何故これを問題にするかというと、アトピー性皮膚炎は湿疹であるにもかかわらず、

間違ってアトピーは食物アレルギーで起こって悪くなると考えられている

アトピーは湿疹です

アレルギーを起こすIgEは蕁麻疹を起こす

つまり、蕁麻疹とアトピー性皮膚炎とは全く別の原因で起こっている

 

 

苔癬化とは

 

画像と説明は関係ありません。

様々な表現がされるが、象の皮のような硬い皮膚をいう。

苔癬化が実際にどうなっているかというと、表皮の構造を思い出してほしいのだが、

一番外側(上部)にアカになるところがあって、次に波形の表皮があり、次に真皮がある。

 

 

苔癬化は、慢性的に掻くので表皮が分厚くなって起こ

つまり、皮膚の表皮(豆腐の部分)が通常より分厚くなり、

その中に乳頭(真皮)が下からずーっと上がってきている状態になっている。

表皮側が上から下に伸びていくので

場所がないので盛り上がった状態になる

ここまでになるのはかなり時間がかかるので、

湿疹としてあったとしても、慢性湿疹となる。

 

 

湿疹ではあるが、苔癬化すると、細胞の間に水分はそれほど多くなく、

それよりも細胞の数がものすごく増えて下まで伸びている状態となっている。

そうなると表皮が分厚くなっているので、いくら掻いても血管まで届かないので出血しない

ところが、湿疹が良くなると(苔癬化がマシになること)、表皮が薄くなるので

少し掻いただけで血管まで届くようになるので出血する

掻いて汁が出る状態より出血する状態が良い

と言っているのは以上が理由である

 

 

自分自身の湿疹を観察したときに

水ぶくれに近いような湿疹は急性の湿疹表皮は厚くなっていない

ゴワゴワした、シワが多く見えているような皮膚は、表皮がずっと下まで行っている(厚くなっている。)

それが良くなるためには、下に伸びた部分が表面に上がっていかないといけないが、

上がるためには上を取らないといけない。

取るためには、皮丘という皮膚表面にある3mmくらいの小さな丘のところが、カサブタ的に取れていく

良くなっていく過程では、だんだんと白いカサブタ(死んだ細胞)として取れていって、下から上に上がっていく。

ここまでくれば、相当良くなっているということである。

 

 

以上が湿疹と蕁麻疹と苔癬化についての説明である。

今回の話しは治療には直接的には関わらないが、

自分が受けている治療と現状の治癒の段階を知るためには、理解をしておく必要がある。

医者がいない時の病状の評価基準として、今回の話しを参考にしてもらえばよい。

以上で私の話しは終わりです。

 

 

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入院患者さんから佐藤先生への質問

 

Q.  苔癬化はするのにも時間がかかると思うので、治るのにも時間がかかりますね。

A.  かかる。苔癬化は掻くことによる刺激が原因と考えられる。

しかし、脱ステしている時には掻いていても治癒傾向にある。

何故同じ刺激によって結果に違いが出るのかは今のところわからない。

しかし臨床的にわかっていることは、

ステロイドを使用しても良くならない苔癬化した患部は、

ステロイドをやめないと絶対に良くなっていかない

特にそれがハッキリしているのは痒疹である。

痒疹は苔癬化と非常に良く似た病像をした病変である。

 

 

Q.  湿疹の際の滲出液の成分で痒くなるのか。

A.  アトピーの痒みの理由はまだはっきりと解明されていない。

血管の周りにある肥満細胞が放出する

ヒスタミンで痒みが起こることは判っているが、

それが痒みの主な原因であるならば、抗ヒスタミン剤を服用すれば痒みは収まるはずだが、

実際はあまり効果がない。その他にも痒みの原因があるようだ。

様々な研究があるが決定的な答えは出ていない。

 

 

Q.  仕事が忙しいと、仕事後に非常に痒みが強くなるが何故か。

A.  それは多くの人に起こっている現象のようだ。

どうやら緊張から解放されると痒みを感じるようだ。

もうひとつには身体が産生するステロイドには時間的な変化がある。

午前10時が最も多く、そこから減少していき、翌朝5時が最低となる

そこからまた増加していく。

身体が産生するステロイドの濃度がある値以下になると

痒みを感じてしまう可能性がある

夕方や夜などは濃度が低いと考えられ、それが関係している可能性があるが、

それ以上はっきりしたことは言えない。

 

 

Q.  室温が高く、暑いと感じる時は痒みが強くなる気がする。何故か。

A.  温度が上がると肥満細胞からヒスタミンが放出されやすい

それで説明できると思う。

そのような痒みでは、アイスノンなどで冷やすと痒みが軽減される

ということも起こると思う。

 

 

Q: つまり身体が暑くて痒いと感じる場合は、抗ヒスタミン剤で収まる痒みということか。

A:そう理解して良いと思う。どこまで効果的かは未知数であるが。

暑いからといってもヒスタミン以外が原因の場合もあるかもしれない。

 

 

Q:就寝中に身体が火照る。原因は?

A:分かりません。

 

 

Q;運動療法として勧められているのは心拍数120程度の有酸素運動だが、

無酸素運動である筋トレを行なっている。

筋肉を作るためにタンパク質が消費されると思うのだが、脱ステ療法中はやらない方が良いか。

A:それくらいは影響はないのではないか。ただし有酸素運動もした方が良い。

両方やればよいのではないか。

 

 

Q:有酸素運動をして糖質が減ると、筋トレをする時に影響が出る。

A:有酸素運動では糖質ではなく脂肪が燃焼する。

 

 

Q:有酸素運動で脂肪が燃焼するのは運動開始から30分後で糖質と半々で使われる。

また、それまでは糖質が使われる。

A:運動ではまず解糖系のグルコースが使われる。

さらに運動を続け、グルコースがなくなると筋肉運動によって産生された乳酸が

TCAサイクルに入って有酸素運動となる。

そのどの過程を問題とするのか。

 

 

Q:身体に残った糖質を筋トレで全消費した状態で終えたいが、その後に有酸素運動をすると、

筋繊維を分解して糖質と脂肪を消費するので、筋トレの効果が減少してしまうと考えている。

A:有酸素運動では脂肪燃焼がメインだと考える。

また、使う筋肉も有酸素運動と無酸素運動では赤筋と白筋で違う。

 

 

Q:蚊に刺された時の塗り薬はどうすればよいか。また、キズ薬はどうか。

A:ステロイドを使ったことのない人は、

ステロイドが入ってなければ

特に気にしなくて良い。

抗生物質の入った軟膏なども使用しても問題ない。

 

 

Q:運動は1時間まとめてやらなければだめか?30分ずつ2セットでもよいか。

A:良い。自分の体力に合わせてやればよい。

 

 

                       2019.07.26 『とまり木』より 

 

 

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さてさて、いかがでしたでしょうか。

皮膚って、いや、人間の体って、まだまだ科学では解明できない謎もいっぱいで面白いですね。

また、こうして家に居ながらにして教えてもらえるなんて、ありがたいことですよね。

 

ちょっと賢くなった自分に酔いしれながら・・・・

 

今日も素晴らしい一日を!

 

 

***入院中のまとめ担当の方々、ありがとうございました!

 

 

 

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脱ステ超お役立ち情報 ー その12(皮膚の構造と湿疹・蕁麻疹・苔癬化)」への2件のフィードバック

  1. 分かり易い絵をありがとうございます。書いて下さった患者さんは絵を入れることができたら入れます、とおっしゃってくださっていたのですができなかったようですね。

    • 佐藤先生

      いつも素晴らしい情報提供、ありがとうございます!大変勉強になります。
      今まで、知りたかったけれど知らなかったことがたくさん出てきました。

      これだけのためになる情報ですから、やはり、たくさんの方に読んでいただきたい・・・・そう思うと、字を読むのが嫌いな方々にも読みやすいように、少しでもイラストを入れたり、字を大きくしたり、カラフルにしたり、時にはフリガナをつけたり・・・・と、私なりに工夫してみていますが、医学の説明にふさわしい無料画像はなかなか見つけられないものですね。近い、と思われるものを貼り付けただけで、今ひとつですが、ちょっとでもわかりやすくなっていれば幸いです。

      英訳もどんどんつけられれば、さらに広まるのですが・・・ステロイドの事実を広めるために、日本のバイリンガルの方々にもどんどんご協力いただければ・・・と、さらなる出会いを楽しみにしているところです。

      これからも、どうぞよろしくお願いいたします!

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