『元気が出る徳子の部屋』の読者の皆さん!
あなたは本当~にラッキーですよ!
今、世界中のステロイドの副作用に苦しむ患者さんに注目されている、
『脱ステ・脱保湿治療』の考案者である
阪南中央病院皮膚科(大阪)の佐藤健二先生より、
なんと、このブログの世界中の読者さんに向けて、
水分制限についてのご投稿を戴きました!
(英語版は一番下にあります。)
脱ステ・脱保湿中に行う水分制限が、
治癒に絶大な効果を発揮することは、経験者なら誰しも納得します。
ところが、いざやってみようとすると、かなり辛い部分があるだけでなく、
判断に迷う部分なども出てくるものです。
今日はひたすら勉強するつもりで、佐藤先生からのご説明を読んでみてください!
それでは、ご一緒に~!
「教えて、佐藤センセイ~~~~~~💖!」
ー 以下、佐藤健二先生のご投稿 ー
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◆脱ステ・脱保湿中の水分制限について(大人について)◆
【絶食時の必要水分量】
平均的体格の日本人の体重は60㎏程です。
この人が何かの理由で絶食になると、1日の輸液量は2000-2500mlです。
何も食べない場合はこの程度の水分が必要です。
もっと体格のいい人はより多くの水分摂取量が必要です。
【病院食中の水分量】
阪南中央病院で1日に3回出される病院食中
(朝には牛乳、昼や夜にはスープやみそ汁が含まれる)の
合計水分量は次のように概算できます。
食物のキロカロリー数の70-80%の値が
水分の量(ml)です。
例えば2000kcalの食事だと1400-1600mlになります。
従って食物中にある水分だけでは必要量に達しません。
食事で1500mlの水分を摂取すると、食事以外で500-1000mlの水分を摂取する必要があります。
食物以外の水分だけに気を取られ食物中の水分を気にしないでいると、
例えばスープの様な水分の多い食事をたくさん摂取すると、
食事以外の水分摂取量を制限していても合計では水分過多になることもあるので注意が必要です。
家庭での食事ではこの形の水分過多がよく起こります。
【発汗による水分喪失】
運動すると汗が出ます。
私の経験では、暑い季節に1時間ほど運動すると体重が1kgほど減ります。
肺から出される呼気中の水分と汗とで
体の中の水分が1000ml程減ったことになります。
この減った分の水分は補充される必要があります。
補充しないと脱水症になり危険です。
血液中の塩分濃度が異常に高くなり、
強い口渇や頭痛・ふらつきなどの神経症状が出るようになります。
【水分制限度を示す尿の色と口渇度】
水分制限をせず水分摂取量が過多になると尿の色が透明になります。
逆に水分を制限し過ぎると赤がかった黄色になります。
いつも普通の黄色い尿が出るように、
水の一気飲みをせず、小分けして水分摂取をすることです。
水分摂取量の計算が難しい場合の水分摂取量の多い少ないは口渇の程度で判断する。
常に少しだけのどが渇いている状態を続けることです。
【その他の注意】
1.水分制限をする理由は、体内に水分が多く入ると
滲出液が多くなったり皮膚が傷つきやすくなりますが、
これを防ぐためです。
2.夜間の水分摂取をできるだけ避ける必要があります。
夕食後から翌朝まではできるだけ水分を摂らないことです。
3.皮膚炎で紅斑が体の広い面積を占める人は、
狭い人よりも体の表面から蒸発する水分が多いので
水分摂取量を少し多めに摂取する必要があります。
4.風邪引きなどの感染症にかかり38℃を超える発熱のある時は、
水分制限を一時的に解除し、好きなだけ水分を取る必要があります。
熱が治まれば再び水分制限を始める必要があります。
5.家庭では6歳以下の小児の水分制限をしない方が安全です。
6.多くの生の果物の水分含量は可食部(正味重量)重量の85%前後です。
すなわち、皮をむいたミカン100gでは85ml程です。
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ー 以上、佐藤健二先生からのご投稿より ー
さて、いかがでしたでしょうか?
疑問点などがかなりクリアになった方が多いと思います。
入院患者さんには、佐藤先生が色々な細かい情報から
それぞれの患者さんにふさわしい水分量を指導されていますが、
自宅で脱保湿をがんばっている皆さんは、
可能な限り、信頼できるお医者さんのサポートを得ながらやってみてくださいね。
**また、それが難しい場合、佐藤先生の著書で
勉強されながら水分制限に取り組むことは必須かと思います。
新版 『患者に学んだ成人型アトピー治療』
詳しい水分制限についてだけでなく、脱保湿のあれこれを学ぶ事が出来ます。
このブログでもあちこちで水分制限を患者目線で説明していますので、
ぜひ検索してご覧くださいね。
会ったこともない、症状に苦しむ皆さんのためを思い、
佐藤健二先生が上記の説明をわざわざ書き下ろしてくださいました。
みなさんの症状がどれほど苦しいものなのか、
心底知り尽くしていらっしゃるからこその愛に溢れる行為です。
本物のお医者さんの崇高な思いを目の当たりにし、
私は感動で心がいっぱいになります。
涙が出るほどありがたいことです。
今、症状で苦しむあなたのことを
こうして目に見えないところで
思ってくださる方が一人でもいることに
どうぞ思いを馳せてください。
不安や不満や辛さに潰されそうな日々をお察ししますが、
こんな深い愛にあなたが支えられていることを知ることで、
心を上向きに方向修正出来ますよ。
温かい気持ちで、そして感謝で胸をいっぱいにし、
良くなるその日まで、明るく乗り越えてくださいね。
今日も素晴らしい一日を!
英語版はこちら!
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Received a Message From Dr. Kenji Sato! – Water Restriction on NMT (For Adults)
近畿中央病院でお世話になった者です。
抗がん剤治療後、アトピーが再び悪化して凹んでおり、ステロイドの使用を考えましたが、佐藤先生の水分制限を思い出しました。頑張ってみようと思います。
田中先生、情報ありがとうございます。
明美様
その後の症状はいかがでしょうか?返信も出来ないまま活動に追われておりましたが、お元気で過ごされていることと思いを馳せております。
皮膚炎は悪化したりよくなったりを繰り返しますね。どの病気も本当に大変です。100%を目指さず、少しずつよくなったところに心の焦点を合わせ、日々を明るく乗り切ってくださいね。
コメントありがとうございました!
字の大きさや色を変えて、私の文章を分かりやすくしていただきましてありがとうございます。皆様のお役に立てればうれしいです。
英語版も期待しております。
いつも本当にありがとうございます。
佐藤先生
多くの患者さんのために、ご尽力いただき、本当にありがとうございます。
たくさんの方々が救われると思います。
新しい記事を発表すると、一気に世界中のあちこちで多くの方々が開けて見てくださっているのがデータに出てきます。本当に注目されている素晴らしい治療だというのがよくわかります。
特に海外の方は日本語のウェブ翻訳ではわかりきらない部分も多いので、英語を切望されています。翻訳チームが大きくなって行けばいいな、と期待していますが、細かいニュアンスを表現するのは相当な高い実力が必要ですし、特に医学のことになると難しいので、なかなか志願しづらいのもわかる気がします。
次回のこのトピックの英語は先生も監修してくださっているので、よく理解して戴けるかと思います。早めに発表したいです。
しかも、たった今、中国語の第二弾も届きました!美津子先生のお話を書いた記事を翻訳してくれました。本当にボランティアの方々の熱意にも感動します。どれほど多くの方々が健二先生と美津子先生の治療に救われたか、というのが彼らの行動からも伝わってきます。ありがたいことです。
これからもよろしくお願いいたします。