脱ステ・超お役立ち情報 - その28(患者が間違いやすい症状・経過)

Facebook にシェア
reddit にシェア
LinkedIn にシェア
LINEで送る
Pocket
このエントリーをはてなブックマークに追加

 

阪南中央病院(大阪)・皮膚科の佐藤健二先生が主催されている

入院患者さんとの学習会『とまり木』の過去バージョンのご紹介です。

今回は、患者さんが間違いやすい症状・経過についてのご講話ですよ。

とっても役に立ちます。

よく読んで、

何度も読んで、

あなたの一日も早い治癒に役立ててくださいね。

 

それでは、いつものようにご一緒に・・・

教えて 佐藤センセイ~~~~!💖」

 

     ******************

 

<<佐藤先生のご講話より>>

患者が間違いやすい症状経過について

 

患者さんが間違いやすい症状経過

脱ステ後、ゆっくり良くなる過程で、しばしば悪くなったりする時、どう表現するか‐

間違う他覚・自覚症状の変化とは・・・

 

他覚症状・・・まず見た目がどう変わるか

→最初、黄色い浸出液が出る

→浸出液が止まり、赤い血が出る(びっくりして悪いと感じる)

赤から黒い状態になる(特に女性が気にする)

白い粉が出るようになる

 

自覚症状・・・「より悪くなっている」と間違う変化

●ずるずるの時(動かしても痛くない)

 →乾いて突っ張る

 →瘡蓋が切れて痛い(痛みで悪くなったと思う)

 →瘡蓋がくっつき、瘡蓋が取れる時痒くなる(悪くなったと思う)

 

●じくじくの時は掻いても痛くない

●かさかさの時は掻いたら痛い

この経過を知っておかないと、悪くなったと心配し、脱ステを失敗してしまう。

 

 

2.患者さんたちはどういう時に悪化したと感じるか
  また経過についてどのように感じるか

 

患者

浸出液がサラサラとドロドロの時があるが、サラサラの時の方が悪いと思う。

佐藤先生の答え

認識通り。

例えば子供などは、最初の頃食事ができないと汁はサラサラ、

次第に良くなってくるとドーム状になってくる。

ドロドロの浸出液にはたんぱく質が多く含まれている。

(血中タンパク質 正常値の最低3.5g、

悪い場合2.5g以下ということもある)

 

患者

赤黒い瘡蓋から黄色い汁に戻った。悪くなったと評価しているが、

それはストレス、生理前、食事等の要因があったため?

佐藤先生の答え

それで間違いない。

季節の変化や生理等、自分ではどうしようもないことは仕方がない

ストレスは回避するのがベスト。

その他の要因として、瘡蓋を取るのも保湿。お風呂も保湿。

 

患者

光線療法をしたら、顔と手足が腫れた。

どこまで腫れるか不安だったが、その後引いて、先生のおっしゃる順番通りだった。

佐藤先生の答え

強い炎症(日焼け)を起こした。

脱ステを始めた時と同じで当然のことが起こった。

 

患者

今までの悪化の経過は突然真っ赤になり、それが早いスピードで全身に広がる。

治るのはゆっくり。全身に広がるのを食い止める方法は?

佐藤先生の答え

ない。

悪化するのが早いのは、ステロイドを使っていた人の特徴

ステロイドを体内でつくる指令が止まったのでは、と考える。

ストレスを除外し、体を強くするしかない

それには運動食事をしっかり摂ること。

自宅では炎症の期間が長くなり不安になるものだが、入院すると安心感が大きい。

悪くなったと思い、(先生に診てもらえばいい。)と、自分で考えなくなることがダメ。

自分で変化を観察し、自信をつけてやってほしい。

 

患者

悪化の際、家で耐えたが良くならなかった。入院すると治りが早い。

佐藤先生の答え

家と入院を比較して、そのとき何をしていたか、していなかったかを

明確にしないとわからない。必ず違いがある。(ストレスを含め)

 

患者

冬に皮膚が腫れて、掻くと血が出る。

その症状は脱ステの変化と違うか?

佐藤先生の答え

それはアトピーの症状であり、誰でもあること。

 

患者

脱ステ+脱保湿と、脱ステだけしていた時とは経過が違う。

脱保湿をしていない時は、皮膚がぼろぼろと剥けてきた。

佐藤先生の答え

脱保湿をしなければ炎症が起きている皮膚だから、当然経過は違う。

正常な皮膚とケラチンの質が違うと思う。

 

患者

水分が足りていないと掻いても浸出液が出ない。

佐藤先生の答え

脱水状態は良いことがない。

過剰な水分制限は、血中ナトリウム濃度が高くなり命の危険もある。

大人と子供では体の体積と表面性が違うので、たんぱく質が多く出る

子供は特に注意が必要。

赤ちゃんの場合は、母乳100gに対し、たんぱく質は1gしか入っていないため、

母乳を中止し、ミルクに切り替えるのが良い。

 

患者

瘡蓋の種類の見分けがつかない。

佐藤先生の答え

瘡蓋(=痂皮):色がついている。(たんぱく質が多い)

鱗屑     :色がついていない。(白は問題ない)

 

 

入院患者さんから佐藤先生への質問

Q. 浸出液が出ないのは、年齢に関係しているか。

A. 関係ない。浸出液が出るほど、炎症が大きくなかっただけ。

 

Q. 浸出液がついた衣類を洗っても取れない場合には、新しい衣類を買ってきた方がいいか。

A. どちらでも同じ。

 

Q. 蒸れると瘡蓋は湿って浮いてくるが、それも取るのは良くないか。

A. 取らない方がいい。下の皮膚が正常ではないから繰り返すことになる。

 

Q. 爪ではなく、他のもの(市販の美顔ローラーや小児用ローラー針など)で掻くのは?

A. 一生懸命掻いているのと同じ。指の腹が一番まし。

広告に惑わされず、実際に行われていることに対しての評価をしないといけない。

例えば、マッサージも強烈に掻いているのと同じ。指圧もしない方が良い。

イボイボスリッパも良くない。足が悪くなる。

<ポイント>
いかに傷つけずに痒みを減らせるか。

自分で発見しないといけない。それがアトピー患者の仕事である。

 

Q. 心拍120に上げるための走る以外のおすすめの運動は?

A. ラジオ体操も思いっきりやれば心拍は上がる。

ヨガも良いがやりすぎは良くない。(やりすぎると皮膚が切れる等)

その人の持っている体力に合わせてやるべき。

しんどくなって、次にやりたくなくなるようなものではなく、

楽しくできるものを見つければよい。

運動は能動的なものをすすめる。サウナなどは受動的な運動。

 

Q. 脱ステ後、何度か悪化を経験したが、今後ひどくなる場合も同じ経過をたどるのか。

A. YES。ただし、気を付けることで痒みが起こりにくくはなる。

起こった後は、ゆっくり治るという同じ経過をたどる。

<ポイント>
運動・生活習慣等、どういう悪い点、良い点があるのかを考え、差し引きして選択する。

日頃から健康的な生活を送ることが重要。

 

                2018年11月2日開催『とまり木』

 

     ******************

 

いかがでしたか?

知らなかったけれど、めっちゃ役に立つ内容がたくさんありましたよね。

 

『脱ステ・脱保湿』をやるからには、

テキトーに部分的にやるのではなく、

しっかり勉強して、

出来る限り忠実に脱保湿生活を家庭で再現してください。

中途半端な勉強だと、

やってはいけないことを並行してやっていることも起こり得ます。

また、半端な知識では不安に襲われて、これまた逆効果です。(笑)

ただし、きっちり出来なかったからと言って、落ち込んだりしなくていいですよ。

ゆる~~~く構えるスタンスも治癒には大切です。

 

あなたが、脱保湿のマスターになってください。

近くに脱保湿の先生がいなければ、

一番のサポーターはあなた自身のはずです。

 

一日も早く、あなたの症状が楽になりますように。

心を込めてお届けしました。

 

今日も素晴らしい一日を!

 

 

追伸: 素人にはわからない病気が起こることもあります。

理解のあるお医者さんのサポートは必須です。

上手な語り掛けを工夫するなどして(笑)、

最大限のアシストをしてもらえるようにチャレンジしてみてください。

それも、あなたの人生において、素敵な修行になりますよ。💖

 

 

 

 

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください