インドに旅行・・・・と思った時に、多くの日本人が不安に思うのは衛生面のようです。
正直、私も、マスコミの報道や雑誌などで見る範囲だけの知識で、
先入観バリバリでしたし、ちょっと、いや、かなり心配でした。
よい部分はあまり報道されず、
ハエが顔に止まっても、気にも留めない、
衛生的には見えない水を汲んで飲んでいる、
茶色い川に入ってる、
タバコの火なんか、足の裏の固くなった素足で踏みつぶせる・・・
偏見もたっぶりに、そんなのばかりを見せられ聞かされ、
それをインド人の姿だと信じ込まされてきたからです。
他民族の文化を批判するのはよくありませんが、
トイレットペーパーを使わない習慣による、黄金の左手伝説なども、(笑)
日本人的にはちょっと引いてしまうようですね。
人間は皆、同じように排泄しているのに、どうも単一民族の日本人には、馴染み辛い習慣です。
「ガンジス川で沐浴している人たちの横を、遺体が流れていることがある。」
という有名な噂に関しても、私も信じ切っていたので、友人に聞きましたが、
「そういうことが過去に1度でも2度でもあったかどうかは知らないけれど、
日本でもたまたま殺人事件の遺体が見つかることがあるのと同じことよ。」
と聞き、完全なるデマだと知りました。
私のインド・デビューは、ありがたいことにインド出身の親友と行くことが出来たため、
ツアーや、ただの個人旅行では味わえない経験をさせてもらえましたし、
日本人だけでは行くこともなかったようなところに足を向けることが出来ました。
行ってみての感想としては、観光客が大勢訪れるような大きな観光地は、
まあ、除菌大国・日本人にも耐えられる範囲に
衛生面・その他も整備されているということです。
誰もが懸念するトイレ環境なども、そういった所では、
さほど心配することはなかったという印象があります。
(もちろんこれは、私の少ない経験による個人的見解です。)
しかし、日本ほどの清潔な環境は世界に類を見ませんので、
同じレベルを期待する場合は、じっとして日本にいましょう。(笑)
さて。
ツアーなどでインドに行った時に、観光客がたいてい行くところは、
インド北部にある首都デリーの他にジャイプールとアグラというところです。
これらの地域は、地図上で三角形で結ばれるため、
ゴールデン・トライアングルと呼ばれています。
観光地編しょっぱなは、まず、
★ デリー Delhi ★ からご案内しましょう。
私が最初にインドのファミリーに連れて行ってもらったところは、デリーの
インド門 India Gateです。
第一次世界大戦のイギリス領インド帝国時代の戦没者・85,000名の慰霊碑で、
一人一人の名前が門に刻まれています。
パリの凱旋門が、実際に近くまで行って見てみると、想像を超えて大きいことに誰もが驚くように、
インド門も同じくらい大きくて立派な門。
灯された火『永遠の火』は絶やされることはありません。
子供たちの定番遠足スポットでもあるそうですよ。
公園内は夜でしたが、観光客がいっぱいで、食べ物や飲み物のカート式屋台もたくさん出ていました。
夜にきらきらと蛍光色で光る、夜店によくある
子供のおもちゃやブレスレットを売っている人たちもたくさんいました。
友人とそのファミリーが皆、光る悪魔の耳のようなヘアバンドを
歩き回っている売り子さんから買っていたので、
「似合ってるよ~!そういうのが好きだった?」
と、聞くと、実は、全くほしかったわけではないとのこと。
・・・・・買ってあげたのです。
貧しい少年少女が賑わう公園で売り歩いているのを、あえて富裕層側が買ってあげるようです。
確かに、見ただけで貧しさが伝わってくる家族、
あるいは子供だけのグループが
必死に観光客に声をかけて、粗末な土産品を売ったりしているのです。
蛍光アクセサリーならまだしも、
普通の感覚ではお金を払って買うようなものでない粗末な手作り品も
商品として、すがるような目で売りに来る子もいました。
私たちが日本で何か商品を購入し、家で開けた時に、
必ずそのままごみ箱に捨てる付属品の様なもので作っていたものもありました。
彼らは、買ってほしい、と、次々と寄って来ますが、相当な数の売り子が行き交っているため、
買う側としても、すべてに対応できるものではありません。
意図的に、そういった人々の動きに目をそらしながら公園を後にしました。
公園の周りの道路にも、アイスキャンディーやインドのスナックのカートが出ていたり、
全体的には、とても楽しい雰囲気で盛り上がっていました。
デリーは観光が盛んな地域ですし、都会です。地下鉄も網羅されています。
その他の交通機関はタクシーの他に、バス、オートリクシャー、サイクルリクシャーがあります。
メーター付きもありますが、ほとんどが料金交渉制。
Images: Auto Rickshaw and Cycle Rickshaw
デリーはオールドデリーとニューデリーとサウスデリーのエリアにわかれていて、
いくつもの世界遺産があります。
クトゥブ・ミナール Qutb Minar もそのひとつ。
奴隷王朝の初代皇帝が、初のイスラム王朝成立を記念して造った物で、
ヒンズー寺院を破壊した石材で作られたそうです。
13~14世紀にかけて作られたものですが、72.5mもあるそうですよ。
以前は上に上れたらしく、随分自殺もあったとか。
敷地内には、他にもいろいろな建造物があり、何世紀にもわたる歴史が残っているのがロマンを感じさせます。
↓ 12世紀に作られたインド最古のモスクの跡も現存していて、柱の一本一本の彫刻など、近くで見ると見事です。
Images: Quwwat-ul-Isram Masjid クワットアル・イスラム・マスジッド
↓ クトゥブ・ミナールの2倍の大きさの塔を作ろうとした皇帝がいましたが、暗殺されて未完のまま。
フマユーン廟 Humayun’s Tomb
も必ず訪れる所です。↓
有名なタージ・マハールの原型だそうですよ。確かに、形が似てますね。
16世紀のもので、ムガール帝国(←世界史で習いましたね!役に立たない知識ですが、懐かしい。)2代目皇帝のお墓。
インドイスラム建築の最高傑作だそうですが、
今どきの若者には、ムガール帝国2代目とかよりも
3代目J Soul Brothers の方がよっぽど興味ありますね。
中の歩き回れるところの床に、いくつも棺が固定されてありました。ぎょぎょっ。
その時は、なんとも違和感でしたが、たまたま先日、テレビでインドのレポートを観たところ、
ある街で、もともと棺のあった場所に、棺を残したままコーヒーショップを作ったら、
そこがパワースポットとしてすごい人気があって繁盛している・・・というものでした。
テーブルの隣の床に棺、棺、棺。その横で楽しく談笑。
あり、なんです。
なんか、納得。(笑)
そして、お次は、オールドデリーにある、
ラール・キラー(レッド・フォート)Lal Qila (Red Fort) 。
赤い城と呼ばれています。
タージ・マハルを築いたムガール帝国5代目、シャー・ジャハーンが作らせたそうですよ。
名前だけは知っていましたが、すごい力のあった方なのですね。
こちらは皇帝と一般市民の謁見の間 ☟
ガイドブックなどにほとんど載っていなくて、私が気に入ったのは、
世界最大のヒンズー教寺院アークシャルダーム寺院 。
(スワーミーナーラーヤン アークシャルダーム)
Swaminarayan Akshardham
これ、ヒンズー教のテーマパークみたくなっているんです。
ある意味、宗教を広める新しい形です。
しかも、入場無料!
ここは、スゴイ!そもそも、興奮するほど、建物が美しいったらないんです。
下の写真、是非、拡大してみてください。彫刻、ブッたまげです。
ディズニーランドみたく、カリブの海賊のアトラクションの様な船に乗りながら、
インドの歴史を見たり、
ご祭神のスーワーミーナーラーヤン(長っ。)の生涯を動く人形やジオラマで表現していたり、
映画ありぃの、
光と噴水のショーありぃの、
レストランありぃの。(フードコートちっくですが、マジ、ここの食べ物はおいしかった!)
で、お寺なので、再度言いますが、入場無料!ですよ?(笑)
お寺で噴水ショーなんて、昔なら誰が考えたでしょう?
音楽と、光と・・・。素晴らしい演出です。
天井の大理石の彫刻や、屋内の絢爛豪華な装飾も見事。
ただただ、スゴイ!
ただし、ここは、撮影禁止なんです・・・・。
ていうか、昨今のテロなどを懸念して、
入場時はお財布の様な貴重品以外、全て預けます。
私の場合、日本人ですので、お財布と、
お手洗いにペーパーがないことに備えて常にティッシュ。
バッグとかカメラとか、一切、持ち込めません。
X線検査もありますので、隠しカメラも携帯も無理ですよ。
でも、写真に撮りたくてたまらないほど、建物から何から美しかった~~~~!
(施設の写真はお土産屋さんで買えるので、記念にどうぞ。)
特に、建物の彫刻は圧巻。
近くで見ると圧倒される迫力です。
昔だったら何百年もかかったであろうと思われる彫刻のある建物を
砂岩や大理石などを使った石造りで、鉄やコンクリートを一切使わず、5年間で作り上げたそうです。
敷地は24万㎡あるそうですが、数字に疎い私は、ただ、デカかった・・・としか言えません。
地下鉄駅からも近いので、是非、立ち寄るといいと思います。
デリーではこの他に、
インド最大級のモスク、ジャマ―・マスジッド Jama Majid、
ガンジーの慰霊碑の立つラージ・ガート Raj Ghat、
4つほどある大きな市場(マーケット、バザール)の散策など、
見るところがたくさんあります。長い歴史を感じられるところが満載ですよ。
さて、次はトライアングルの二つ目、ラジャスタン州、
★ジャイプール Jaipur ★
のご紹介です。
私はデリーから友人とタクシーを1泊2日でチャーターして、
ゴールデン・トライアングルのジャイプールとアグラを周ることにしました。
タクシーは、エアコンありor なし、で選び、値段も違います。
早朝の暗いうちから出発して一気に飛ばして行きました。
電車やバスだとデリーから5~6時間もかかる距離です。
(南西へ260km。飛行機だと1時間です。)
目的地は主要観光地ですから、長旅の途中、
何カ所も車の休憩所があります。
しかし・・・
トイレ休憩も含め、私たちは最初の目的地に着くまで、一度も車から降りませんでした。
各ドライブインには、トラックなどのたくさんの車に混じって、ラクダも少し、
そしてたくさんの人・人・人。
休憩する人の為に、食べ物や飲み物を売っているお店があります。レストランもあるようです。
皆、路上に座ったり、店の前にたむろしたり、思い思いに休憩をとっています。
当然、お手洗い休憩もとれるでしょう。
しかし、
非常に偏見に満ちた見解で、
言及するのもインドの方に申し訳ないのですが、
正直、なんとも入って行けないような雰囲気があるのです。
インド独特の、雑然とした空間。
崩れかけたように見える立ち並ぶ店舗。
決して人種差別をしているつもりはありませんし、
某大国のスラム街などと違って、普通に安全なところのはずなのですが、
日本の戦後の混沌を思わせる、異次元のような空気を感じ、
ツッコミ精神の私でも、さすがに入ろうと思えませんでした。
で、トイレ休憩もなし。
長い距離ですから、どこか途中に入りやすそうな近代的な建物の休憩所があるかも・・・・
と田舎の大地を走りながら、淡い期待をしましたが、
たくさんある休憩所は、どれも同じ雰囲気を醸し出し、
やはり、(無理・・・・だわ。)
本当に申し訳ないけれど、そう思いました。
そしてついに、最初の目的地、アンベール城 Amber Fort 到着!
デリー出発から約5時間後でした。
イメージとしては、あの映画『インディー・ジョーンズ II・魔宮の伝説 』の魔宮そのもの。
ここは象のタクシーが有名で、小高い丘の上にあるお城まで象に乗って行けます。
象の背中に乗って上に向かっている途中、丘の途中で待機していたカメラマンが、
「こっち向いて!お願いだから!こっち向いて!!」
と、必死に追いかけながら撮影。
帰りに出来上がった写真を売りに来ましたが、なかなかバックの景色もきれいでよい写真でした。
しかし、登る途中のその反対側では、一番下から上のお城に着くまで、
木彫りの象の民芸品を売る青年が、ずっと諦めることなく山登り状態なのに付いて来て、大声で
「この木彫りはすごくいいよ!買ってくれ!お願いだ!あなたには安いはずだ!買ってくれ!
いいね?3つセットだ!お土産によろこばれる!僕が作ったんだ!頼むから買ってくれ!」
と、あり得ない執念でセールスをし続けました。
こう言っちゃ申し訳ないけれど、相当うるさかったです(笑)。
お蔭で途中ののどかな雰囲気と景色を楽しむという部分はぶち壊し。(笑)
それくらい必死のセールスでした。
で、頂上について、トイレタイム!!!
ここでインドに来て初めて、洋式トイレでないものに遭遇したのですが・・・
昔のお城ですから、その辺も改築がむずかしいのでしょうかね。
トイレは、浅い斜めの板でした。(笑)
そして、一番先端に、直径3cmくらいの穴が開いているだけ。
ここで、誰もが知りたい(?)インド・トイレ事情です。(笑)
昔ながらのトイレは、個室に水の入った大~きな桶が必ずあるようです。
ちょっと進化して、今どきはトイレの横に水道の蛇口がついています。
そして、必ず置いてあるのが、計量カップを大きくしたようなプラスチックのカップ。
色々な色があります。
これを右手に持ち、水を汲み、黄金の左手でキレイにする・・・・ようです。
さらに進化した最近のトイレでは、シャワーのような伸ばせるノズルがついています。
ショッピング・モールや空港などの近代的な建物では、
そのシャワーもついていますが、トイレットペーパーも設置してありました。
安心してください。(笑)
ただし、そのカップをお店で見かけても、お土産にはしないでくださいね。
日本人なら、デカめの飲み物用カップだと思いますから、
普通に使っているのを見られた日には、インド人びっくり、です。(笑)
話しは戻りますが、トイレから出てくると、トイレに立っている係りのおばちゃまが、
ポンプ式の香りの強いゲル状液体石鹸を持っていて、
ビュッと一人一人の手に乗せてくれます。
(親切だな。)と思ったけれど、
そうか、ここは、インド。
不浄の手はキレイ~~~にしないといけないので、強力な石鹸は必須だったのです。
次はまた車で移動して、湖の中に浮かぶ 水の宮殿 Jal Mahal。
ここでも、写真を撮ろうとすると、サリーを着た女性たちが
急いで集まって来て、無理やり写真に入ってきます。
結構だと言っても映り込みます。(笑)
そして、シャッターを押し終わると、手を出してお金を要求・・・。
次は街なかに向かいました。
砂漠のラジャスタン州にあるジャイプールの旧市街は、
高さ6m、全長10kmのピンクの城壁に囲まれていて、
別名ピンク・シティと呼ばれている古都です。
街並みもピンクなんです。
なんともエキゾチックなメインストリートは人や車でごった返していますが、
路上にも野菜などを広げて売っている人達がいっぱい。
荷物を引くラクダも見かけます。
この街は19世紀に英国ヴィクトリア女王の息子の訪問を歓迎するために、
建物をピンクに塗り替えたそうですよ。
赤砂岩なので、赤錆色に近いピンクですが、ピンクっちゃあ、ピンクかな。
この街で食事に入った店で飲んだチャイは、人生で一番おいしいチャイでした。
カルダモンというスパイスが ‘がっつり’ 利いている、という感じ。
ほめまくったら、お店にいた日本好きのインド人に、もう一杯ごちそうしてもらってしまいました♪
旅の喜び。しかも、日本の渋谷で教わったと言う日本の歌を一曲歌ってくれましたよ。
『ハトポッポ』。
オトナが歌うと、なんともおかしくて爆笑。
教えた日本人は、なぜ、この曲を選曲したのでしょうね。(笑)
ジャイプールで有名なのは
ハワー・マハル『風の宮殿』Hawa Mahalです ☟。
昔、宮中の女性は、外に姿を見せることを禁じられていた為、この宮殿が作られ、
その風通しのよい小部屋から外の様子を眺めたとのこと。
こちらはシティー・パレス The City Palace。☟
歴代マハラジャが住む王宮です。
現在も、マハラジャの子孫が住んでいるそうですよ。一部、博物館として公開されています。
先にご紹介した風の宮殿(ハワー・マハル)と地下通路でつながっています。
中庭みたいなところに入れます。
これまた、インドによくある謁見の間、ディワーネ・カースです。
中は、こんな感じ。中、と言っても、外からスカスカ。
ここには、世界一大きな銀の壺が二つあります。
マハラジャが渡英する時に、この壺に聖なるガンジス川の水を入れて持って行ったそうです。
ジャイプールでは、
ジャンタル・マンタル天文台 Jantar Manter
も、世界遺産に指定されているので、お見逃しなく。
マハラジャは、これで太陽の位置を計測し、暦を作ったり、天気予測をしたりしたそうですよ。
ここでの夕飯は、予約して娯楽施設で食べることにしました。
その名も、チョキダニ リゾート Chokhi Dhani。
ジャイプール郊外の民俗村です。
ここが楽しかった!
インドの古い村を再現したテーマパークなんです。
レストランはいくつかあって、昔ながらの、葉っぱに料理を盛るスタイルだったり、
ガーデン・テラスで食べられるビュッフェだったり、バーベキューだったり。
私たちは、王族の料理を選択。
(さすが、高貴なわたしたち)(笑)
最近では日本でもよく見かけますが、
金属の銀色の大きな丸いプレートに、
いくつも小さな銀色の丸い小鉢(タリー)が乗っていて、
たくさんの種類の料理を楽しめるマハラジャ式。
マハラジャが舞い踊る踊り子を見ながら
こうやって贅沢に食事をしたのかな~~~、
というのを味わえます。
テーマパークなので、色々なショーもやっているし、
伝統的な人形劇、
昔の道具の展示、
ラクダに乗る経験、
昔の住まいの様子、
伝統的住居、
一昔前くらいの遊園地の再現など・・・・
もっと早く行って見て回ればよかったと思ったくらいです。
外国人の私としては、どれも珍しいですから。
特に、一昔前の観覧車再現は、
1960年代以前のアメリカ映画で見るような低いやつなのですが、
これがまた、
「ジェットコースター?」
と、言いたくなるくらい、速い。(笑)
ビュンビュン回って、観覧車の優雅さはいずこへ。
しかも、屋根も壁もないスカスカですから、
(マジ、これ、安全なんですか~~~~~?)
という思いが、爆笑を誘いました。
でも、スピーディに周りながら、
テーマパークの綺麗な夜景を高い所から見て、
やっぱり気持ちは優雅だったかも~。(笑)
速いので、風が気持ちよかったです。
この日に泊ったホテルは、ネットで友人が予約してくれたのですが、
写真は豪華。そして、名前が特に豪華 (笑)。
世界の一流ホテルの名前を二つくっつけたような名前です。
ところが・・・・
実際とのギャップに、爆笑できるほどでした。
立地は、ごちゃごちゃした街並みの中な上に、
シャワー室(4畳半くらいの広さ)の排水は全く流れないわ、
輝いているはずの外観は場末の旅館チックだわ・・・・。
そのギャップは、歴史に残るホテルでした!!!(笑)
ある意味、忘れられないホテルって、いい思い出ってことですよね。
翌朝はまた早起きして、トライアングルの3つ目、
いよいよ★アグラ Agra ★へ。
ムガール帝国の栄華を物語る街であり、
あの、タージ・マハルのある街ですから、旅行者の誰もが立ち寄るようです。
デリーから200kmほど南下した位置にあります。
まず、世界遺産、
ファーテープル・シークリー Fatehpur Sikri
に向かいました。
ムガール王朝3代皇帝アクバルは、
敬愛する聖人に、待望の世継ぎの誕生を予言され、それが的中したため、
聖人の住むアグラに遷都しました。それがここ。
それにしても、“インドはヒンズー教” って、
誰しもかつて暗記したにもかかわらず、
テレビなどで知るインドは、
“アラジン” で見るような、
やたらイスラムちっくな建物があちこちにありますよね。
(インドの建物って、アラブの建物と似てるな。)
って思ったことありませんか?
実は、ムガール帝国の支配層はイスラム系が多かったため、
旧勢力のヒンズー教徒との融和を考えなければなりませんでした。
そこで、イスラム建築とヒンズー建築を融合させるという柔軟な対応を図ったのが、
このファーテープル・シークリだったようです。
その為ここは、両方の様式を融合させた、
デカイ宮廷地区とモスク地区からなります。
そっか~、そういう歴史から、インドにはアラブっぽい建物がいっぱいあるのか~、と納得。
世界史では教わらなかったぞぉ~。
5重の塔ですが、王はこの一番上から、中庭に刻まれたマス目に人を駒に見立てて立たせ
チェスを楽しんだそうですよ。スケール、デカっ。(笑)
ファーテープル・シークリの見どころは、これ ☟ だそうです。
スゴイ彫刻ですが、玉座なんです。
つまり、下々の者は、この上に座った王を仰ぎ見る形になります。
宮廷内のモスク地区も広いですよ。
(何世紀も前に、人々がここを行き交っていたんだ・・・。)
と、思うと、なんだか感動。
タイムマシーンって、実現できてるんじゃないかな、って思ってしまう。
回廊も、近くで見ると、凝った作りなのがわかります。
栄華を極めながらも、この地は水源確保が難しく、たった14年で役目を終えたとか。
そのため、保存状態はすごくいいそうです。
次は、スィカンドラー Sikandra という、
第2代皇帝の廟(びょう)。
そして、いよいよ、旅のクライマックス、
タージ・マハル Taj Mahal に到着です。
さすがに大行列。
(わ~~~、並ぶなあ・・・。)
と、思っていると、公式ガイドの名札を付けた男性が
無料でガイドツアーをしてくださると声をかけてきました。
しかも、ガイド付きだと、並ばずにファスト・レーンから入って行けるとのこと。
しかも、写真撮影まで手伝ってくれました~。いいことづくめ。
美人に生まれてよかった~~~♪ (←ウソです。)
さて。まず、入口からアーチ越しに見ると・・・・
(わ~~~~~~おぅ・・・・・。)
と、急に英語圏の人になったようなため息を漏らします。(笑)
白亜の大霊廟。
確かに、美しい。圧巻。
総白大理石ですよ。この迫力はとにかく圧倒的です。
この真ん中に立って一人で写真を撮るのは、結構、ポジションの奪い合いになるんですよ。(笑)
いつも思うのですが、どこに行っても某アジアの大国の旅行者が大勢いますが、
彼らは写真が大好きで、必ず人気のスポットで、しばらく独占状態になり、
芸能人と同じような究極の陶酔ポーズで撮りまくってます。(笑) 皆、ポーズ 作りがうまい。(笑)
こんな時、日本人の「お先にどうぞ。」の精神は、海外ではちょっと素敵です。
タージ・マハルは、
もう何度も名前の出ているムガール帝国第5代皇帝シャー・ジャハンが、
17世紀に22年の歳月をかけて作ったそうです。
亡くなった最愛の王妃の為に建てた霊廟なんです。相当な愛妻家だったのですね。
中にも入れますが、全員、ビニール袋の様な靴カバーを履いて入ります。
中は絢爛豪華、贅を尽くしまくり。
世界でもトップクラスに入る美しい建築だと思います。
行く価値、絶対にあり!!!
周りに立つ4本の柱・ミナレットは、中央ドームとバランスを取るために
やや内側向きの斜めに建っているそうですよ。
しかも、それは、落雷防止にも役立っているそうです。あったまいい~~~。
しかし、3万人近い職人を使い、膨大な国家財産をかけたために、
建設後、シャー・ジャハンは息子によりアグラ城に幽閉されました。
その幽閉された部屋越しに見えるタージ・マハルを、
亡くなるまでの7年間、亡き妻を思いながら毎日眺め続けたそうです。
結構、ロマンチック?
次は、その、シャー・ジャハンが幽閉された
アグラ城 Agra Fort です。
こちらはムガール帝国第3代皇帝アクバルによって建設されました。
入場口からの姿が迫力。
入ると間もなく、ジャンハンギール宮殿。
お次は、シャー・ジャハンが建てた、総大理石の特別謁見の間、ディワニ・カース ☟。
シャー・ジャハンさん、白大理石がお好きのようですね。
でも、自分の没後は、妻の廟タージ・マハルの隣に、
黒大理石で自分の廟を作る予定だったようですよ。
贅沢しすぎで、その案は、ボツ。
そして、これが、シャー・ジャハンの幽閉された部屋、ムサンマン・ブルジュ。
写真の真ん中よりやや左より遠方に、微かに、タージ・マハルが見えています。
この窓から、シャー・ジャハンは、亡き妻を思い、タージ・マハールを見続け、生涯を閉じたのです。
その全く同じ景色を、今もこうして見ることができる・・・・やはり、タイムマシーンはあるんだ・・・・。
そんなロマンを感じてしまいます。
さて、次は完結編のインド紀行その4です。
最終章では、インドへの旅が、
多くの人々の人生観を変えてしまうほどの謎
を紐解いていきます。
お楽しみに!