アーカイブ | 11月 2021

‟痒み”ってどんな感覚? - 徳子より、皮膚科医の先生達とアトピッ子のパパママ達へ

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このブログは、アトピーやステロイドの副作用の患者さん

そのご家族だけでなく、世界中(アフリカと中東のいくつかの国々以外全て)の

外国人の患者さんご家族や、

時には(英語版や翻訳バージョンは)海外のお医者さんなども読んで下さっています。

アトピーをなんとか楽にしてあげたい、という鍼灸師の方々や、

ホメオパシーやら漢方やら、いろいろな治療をする側の方々も、

脱保湿という驚異の自然治癒療法に注目して、

このブログを読んでくださっているようです。

 

 

時には、日本の皮膚科の先生たちが、

患者さんや現在の脱ステの流れに触発され、

このブログを読んで下さっているのは注目に値することで、

単なる一患者としては恐れ多いことではありますが、

一人でも多くの医師の方が、

こういった治療もある・・・ということを

視野に入れてくださるきっかけになればうれしく思います

実際に、世界規模でよくなっている方々がいらっしゃるわけですから。

 

 

さて。

皮膚科の優秀な先生たちは、学生時代に膨大な知識を身に着け、

さらにプロとして✨デビュー🌟✨されてからは、日々患者さんの症状を診ながら

さらなる知識と経験を重ねて立派なお医者さんに成長されていきます。

しかし、私たち患者が経験する“痒み”について、

お医者さんたちはどこまで患者の感覚を理解してくださっているのでしょうか?

 

 

こればかりは、どんなに本で学習しても、

完全には理解しきれない部分かと私は思います。

水泳の本を100冊読んでも泳げるようにならないように、

空手の本を200冊読んでも瓦は割れないように、

体験しないとわからない・・・

これが真実ではないでしょうか。

 

 

しかし、私たち患者は、ほとんどが、皮膚科の先生に、

掻かない方がいいですよ。」

掻くから、そうなるんですよ。」

掻かなければいいのに、掻いちゃうんだ・・・。」

・・・と言われ続けています。

 

 

周囲にあれこれ配慮して、

感情を表に出さないようにするタイプの多いアトピーさんたちは、

ついつい自分に負けて掻いてしまう、ダメダメ人間の私・・・。)

我慢が出来ない自分は、心が弱い・・・。)

掻いた後の快感を求めて掻いてる・・・って言われたけど、

弱い私だから、その通りなんだろうな・・・。)

・・・と、自分を責める方向に向かいます

医師も患者も、気付かないケースが多いですが

実は、これは、患者にとって非常に大きなストレスです

 

 

まあ、私は永遠の反抗期?のためか、(笑)

お医者さんに掻くことを責められるたびに、

いやあなたにも我慢できませんよ同じ症状を経験したら。)

と、心の中で笑いながら言い返し続けていましたがね。

(あ、この考え方、アトピーさんにお勧めですよ。😀

あなたは悪いことをしてるわけじゃない。ただ、痒い病気なんです。

未経験でわからない他者をねじ伏せる必要は全くありません。

心の中で思うだけでいいんです。

自分のストレスにしてしまう方が、自分のためにもよくないですからね。)

 

 

さて、かなり以前に、このブログのコメント欄の中で、

脱保湿治療の提唱者である、

阪南中央病院佐藤健二先生

痒みの感覚について、

謙虚に質問してくださったことがあります。

佐藤先生は、私たち患者の痒みを

実際に同じように体験していらっしゃるのではないか、と思われるほど、

心底理解してくださっているのを感じますが、

研究熱心な先生ですから、さらに、さらに、

患者の訴える声に耳を傾け、理解してくださろうという、

とてもありがたい問いかけでした。

 

 

以下にそのやりとりを加筆してお届けします。

そして、このやりとりは、ぜひとも一人でも多くのお医者さんたち、

そしてアトピッ子の親御さんたちやご家族にも見て戴きたい・・・

と、切に願います。

 

   *******************

 

佐藤健二先生の問いかけ

 

ところで痒みについて私が感じていない痒みがもう一つあるようです。

それは非常に痒みの強い人の感覚です。

表現が合っているかどうかわかりませんので、

お読みになった方の追加説明や追加表現を期待します。

その痒みというのは骨の髄から出てくるような

あるいは骨まで掻き取りたいような強い、深いところから出てくる痒み、

のことです。

よろしくお願いいたします。

 

   *******************

 

(僭越ではございますが・・・)

徳子の説明

 

恐れ多くもありがたいお言葉、光栄です。

痒みの表現についてはお任せください!というくらい、

私が自ら説明したくなります。

これだけは、エキスパートと呼んでもらっていいくらいの経験者ですから(笑)。

痒みが強い人・・・というよりも、私たち患者は、

どうにもコントロールし難い

人類にとって(たとえ、どれほどスゴイ修行を積んだとしても!)

我慢の限界を超えるような

そんな恐ろしい痒みに襲われることがあります。

 

その激しい痒みに襲われたときは、

血流がその患部にすごいスピードで集まってくるかのように

ぐわ~~~っと患部が熱くなり、

骨の髄まで内臓までえぐって掻きたいほどの

強烈な痒みを経験します。

もう、骨まで爪を差し込んで、穴が開いてもいいから

その奥底を掻きむしりたい・・・そんな痒みです。

 

 

血が出ることも、皮膚がぐちゃぐちゃになってしまうことも、

或いは掻いた後に皮膚が激痛に襲われたり

当分痛みに苦しみながら傷口が治るまで

その体の部分を使えなくなることも完全にわかっているのですが、

そんな理性が効くようなレベルではありません

どうにもこうにも、もう、一番深いところまで痒いのです。

引きちぎるほど掻かないことには治まらないのです。

 

 

指などにその痒みが襲ったときは、

その指を引きちぎってもいいと思うほどの痒みです。

不思議なことなのですが、痒みは皮膚表面から骨まであるように感じられ、

骨のの向こう側はどういうわけか痒くはありません。

 

 

よく、花粉症の方が、「目玉を取り出して掻きたい。」

というのをお聞きするのと似ている感じもしますが、

とにかく人類に耐えられるレベルではない激烈な痒みを経験し、

その恐ろしい痒みの最中は息もつけないほど痒いのです。

私などはその痒みがくると息がしばらく出来ないです。

引きちぎるほど、えぐるほど掻きむしって、

皮膚の痛みが痒みに勝った時にその痒みは終わります

 

 

ですから、そのコントロール不能な痒みの最中に、

周囲に「掻くんじゃない」と言われても

避けることは不可能なのです。

親御さんがお子さんの手を掻けないように

押さえつけたりするのは拷問ですし、

叱りつけるのは虐待です。

それほどスゴイ痒さなのです。

親御さんも経験されたら絶対に掻くことでしょう(笑)。

蚊にさされた程度の痒みでも、

誰かに掻くのを押さえつけられたらイライラすると思います(笑)。

 

 

痛みのある病気に例えれば、

激痛に苦しんでいる最中に周囲が「痛がるな」と叱っても

それはあまりに無情ですが、

痒みのある病気では、あたかも我慢させることが

正当なことのように思われがちです。

痛い病気、苦しい病気の他に、

痒い病気というカテゴリーもしっかり確立されて、理解されたいものです。

 

 

ですから、佐藤先生のように

「痒い病気だから、掻いてもいい。」というお言葉は、

本当にこの病気を心底理解されているお医者さんなのだということが

患者側からはよくわかります。

私自身も「掻いてもいい」と言われたのは

長いアトピー人生で初めてのことです。

海外の私のブログの読者さん方も、

そのお言葉に打たれた方が莫大な数、いらっしゃいます

 

 

また、私達患者は、たいして痒そうでもないのに

ちょこちょこ指で皮膚を掻いたりしがちですが、

そういう時も、必ず内側からもぞもぞっ・・・と痒みが上がって来ています。

その状態を「癖になって掻いている」という表現をされるお医者さんがほとんどですが、

実際に意識のギリギリのところで痒みがあがってきているので、

体に本来必要のない‘痒み’という‘不快感’を無意識に除去してようとしている行為

ということに周囲が理解を示してくれるとありがたい、

という風に思うことがあります。

掻くことは掻いた後の快感を得るための行為と言う表現をされることがほとんどですが、

必要外に体に起こっている不快感(=痒み)を除去するための行為

と言う方が正解だと私は思っています。

(メンタル面は人それぞれですので、そういう方もゼロではないかとは思いますが。)

 

 

我慢できる痒みは我慢した方がいいのは、

患者が誰よりも身を持って気付いています

(小さなお子さんでも赤ちゃん以外は気付いている気がします。

掻いた後血が出たり痛くなったりするのを繰り返し経験していますから。)

誰しも自分の皮膚を傷つけたくないのは当然ですが、

やはりこのあるべきでない‘不快感’を除去しようとしている行為を

‘悪いこと・間違ったこと’のように批判され続ける患者の思いは、

時々代弁して助けたくなります。

 

 

ですから、先生のおっしゃる最後の一掻きは優しく

とおっしゃるお言葉は名言だと思います。

患者ができる我慢はそれだけなのではないかな・・・

と、コントロール不能な痒みを経験している一患者としてつくづく思います。

 

 

患者の経験する感覚など、いつでもご質問戴ければ喜んで説明させて戴きます。

読者さんからもこのコーナーでご意見をいただければうれしいですね。

 

 

読んでくださりありがとうございました!

 

           徳子Abfab

 

   *******************

 

 

いやはや・・・読み返しても、スゴイですね。

大先生に堂々の痒み論を展開する謙虚さのかけらもない患者。(笑)😆

でも、本当に、

物言えぬ幼い患者さんや、

言えるけれど言えないキャラのアトピー患者さんたちの切ない思いの一翼を担って、

前線で語り続けたいのです。

アトピッ子の親御さんとアトピッ子の不毛な争いが減るだけでも、

患者側の心が救われます。

また、優秀なお医者さんたちの理解が深まることは

さらなる医学の進歩に繋がる・・・と思えば、

トクコ節は止まりません。💦(笑)

 

 

今日も素晴らしい一日を!

 

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