日常が日増しに忙しくなり(笑)、
ブログのポストもなかなか出来なくなっている私ですが、
「なんのこれしき ♪」と、楽しく日々を過ごしています。
さてさて、阪南中央病院・皮膚科(大阪)では、
毎月2~3回ほど、佐藤健二先生を囲んで、
入院患者さんの学習会『とまり木』が開催されていますが、
今回は過去情報の公開ですよ。
“ FTU ”って、ご存知でしょうか?
お友達に皮膚科のお医者さんがいない、というあなた!
是非読んでみてください。
今回も、とっても興味深いお話を佐藤先生がしてくれていますよ。
それではいつものように、ご一緒に~!
「教えて😍💖♪ 佐藤センセイ~~~~~!」
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佐藤健二先生 談
◆ FTU(finger tip unit)について ◆
ステロイド外用剤塗布の基準をしてFTU法が勧められている。
大人の人差し指の末節の長さにチューブから出した軟膏(0.5g)を
両手の平程度の面積に塗るというものである。
両手の平は体表面積全体の50分の1にあたるので、
全身に1回塗るとすると50×0.5g=25g必要になる。
この量が多いかどうか、を
九州大学皮膚科古江先生の論文(Br J Dermatol.2003)に記載されている量と比較してみた。
論文では、研究した6ヶ月にどれだけの量が外用されているかが推定できるようになっている。
その中で最も多く外用していた人は、おそらく紅皮症状態で、
全身に外用していたと考えられるが6ヶ月で500gと推定できた。
FUT法に従って全身に6ヶ月間 (180日)
1日1回外用するとその量は、
25g×180日=4,750gである。
4,750g/500g= 9.5
すなわち
“これまでより概ね10倍の量を外用せよ。”
というのがFTU法が言っていることである。
重症の最低面積は体表の30%であるので、
この場合でも約3倍量を塗ることになる。
古江先生が上記論文を投稿した時、
査読者から「外用量が少ないから治療成績が悪いのだ。」
と言われていたそうである。
論文の中では、「ステロイドで良くならない症例もある。」と言っておきながら、
翌年にはFTU法を勧める本を書いている。
不定極まりない。
喜んでいるのは誰か。
もちろん、製薬企業である。
10倍の販売量が得られるのだから。
医師にも少し利益はおちてくるが。
この頃から受診時に袋一杯にステロイド軟膏をもらってくる患者が増えている。
皮膚科学会はどうなっているのか。
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◆入院患者さんから佐藤先生への質問◆
Q. 退院後、全く同じように生活していても
再発して状態が悪くなっている患者がいるが、その原因は?
A. 原因は不明だが、環境の変化がその要因だろうと考えられる。
退院後、約2/3の患者が再発している。
しかし、再発しても、初期の状態よりは軽度のことが多い。
Q. 皮膚科で、入院を伴う治療をしている病院は、他にもあるのか?
A. 他に、淀川キリスト教病院、尼崎医療生協病院があるが、
両病院ではステロイドを使用することもある。
◆まとめ◆
ステロイドを使用せず、脱ステ・脱保湿の自然治癒に理解が広がってきている。
“患者からの声”で、さらにこの治療の有効性を広げてほしい。
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いかがでしたか?
FTU法然り(しかり)、
保湿信仰然り、
ステロイド信仰然り・・・・
どうも常に大きなビジネスチャンスの臭いがプ~ンプンしてきますねぇ。
私たちは企業の商業戦略に乗せられず、
一部の人々の利害関係に惑わされず、
真実の情報を見逃さず・・・・
と、雨ニモ負ケズ、みたくなってきていますが(笑)、
冷静な目と判断力を培っていかないといけない時代を生きているようですね。
でも、脱ステ・脱保湿の必要性に気付いたみなさんなら、きっと大丈夫。
必ず、よくなりますよ。
今日も素晴らしい一日を!