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脱ステ・超お役立ち情報 - その14(脱保湿の経過とQ&Aコーナー)

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みなさん、すごいお知らせですよっ ♪ 🎵 🎵

 

大好評の『脱ステ・超お役立ち情報』シリーズは、

大阪・阪南中央病院佐藤健二先生入院患者さん学習会情報の新着

佐藤先生の承認のもと、このブログでポストしているのですが、

多くのステロイドを使いたくない患者さんたち

ステロイドをやめた患者さんたち

難治化アトピー患者さんたちに、と~~~っても喜ばれています。

 

患者も家族も、誰もが喜ぶ阪南情報

そして、なんと、なんと!

我らが佐藤大先生より2017年からのシリーズも

提供して頂くことが出来ました!

家に居ながらにして、足も運ばず、

スーパー・ドクターからの

めっちゃ役立つ情報が入る私たち・・・・

あまりにラッキーすぎませんか?

本当にありがたいですね!

 

この先、以前の情報も少しずつアップしていきますので、

楽しみにしていてくださいね。

ほぼ、一冊の本になってもいいくらい、充実したお役立ち情報ばかりですよ。

 

さて、今日は早速、記録を取り始めた2017年と2018年のものの一部をシェアさせて戴きます。

脱ステロイドをして、脱保湿治療をやった時の、大まかな経過と、

そのあとには、誰もが疑問に思ってきたような興味深い質問

佐藤先生が見事にさらりと答えてくれています。😻

たくさんたくさん学んで、みなさんも早くよくなってくださいね。

 

 

     ******************

 

佐藤健二先生談 ―

 

◆ 脱保湿の治癒の経過 ◆

 

入院から1か月間程度の経過で、

患部の赤みが消えてくる

そこからフケ状の白い粉が出始めるが、この状態の時に痛みを感じる患者が多い。

かき傷などによる外傷痛ではなく、あくまで白い粉が出ている患部の痛みだ。

この痛みを「チクチク」や「ヒリヒリ」と表現する患者が多く、

中には「引っ張られる痛み」や「動くと消え、止まると再度痛くなる。」

という意見もあった。

しかし、現時点での日本語による最適な表現は難しい。

大事なことは、これを安易に悪化したと考えてはいけないということ。

この状態は、皮膚より油が出て良い皮膚へと変わる手前の段階だからだ。

最も重要なことは、

赤みが消えて粉が出る、その後に油が出てキレイになる

という一連の流れを理解した上で治療に臨むことである。

 

第二回とまり木まとめ

 

                            2017.11.10『とまり木』より

 

 

     ******************

 

 

入院患者さんから佐藤先生への質問

Q.  アルコールは摂取しても問題ないか?

摂取するにしても気をつけるべきことはあるか?

A.  アルコールを飲む際には、次の3点の問題点を把握し、

自分自身で判断する必要がある。

  1. 夜の水分摂取となる。
  2. アルコールそのものは痒みを引き起こす。
  3. アルコールの摂取は、リラックス効果があり痒みを和らげる効果もある。

従って、自分自身でアルコールを摂取してみることで

痒みの症状を見て摂取可否を判断するしかない。

ただし、痒みが問題なかったとしても、

夜に水分摂取をしているという注意点は残る。

その際、例えばウイスキー等では(アルコール度数が高いため)、

水分を少なく、アルコールを摂取することが出来る。

痒みの強弱は、お酒の種類は特に関係ない。

ビールが飲めないなどの個人のアレルギーに気をつければ良い。

加えて、糖質制限は皮膚疾患・ 痒みには関係はない。

 

Q.  風邪やインフルエンザにかかった場合は、湿疹にどのような影響があるか?

A.  風邪やインフルエンザ症状がある場合は、

一般的に湿疹は悪くなる傾向がある。

また予防接種によっても皮膚炎が悪化する可能性はあるため、

注意が必要である。

患者が子供の場合で接種を必要とする予防接種には、注意して実施するしかない。

 

 

Q.  初めて湿疹が出た幼児患者や、ステロイド・保湿の

使用経験がない患者の皮膚炎にはどのように対応すればよいか?

A.  「ステロイドにNOを! 赤ちゃん子どものアトピー治療

に全て詳細は記載している為、そちらを参考されたい。

 

 

 

Q.  アトピー性皮膚炎の原因の一つとして、皮膚表面の黄色ブドウ球菌

バランスが悪い事がネット上に挙げられているが、どのように捉えれば良いか?

A.  皮膚表面の黄色ブドウ球菌のバランスが原因、

として言われ始めた同時期に、別の論文で

細菌感染を抑える治療は皮膚炎の改善に効果がない”事が証明されているので、

その情報は間違いと捉えてよい。

但し、細菌感染が実際に起こった場合には、細菌感染への対処は必要となる。

細菌感染していない場合においては、過度な消毒などで

無意味に皮膚にダメージを与える必要はない

特に子供患者の場合は、入浴回数を減らす等の方法の方が症状の改善は早い。

 

 

Q.  細菌感染に気を付けるにあたり、どのような事を考え実施すれば良いか?

A.  入浴を上手に活用する事が第一に挙げられる。

入浴は皮膚表面の細菌量を減少させることが出来るが、

過度な入浴や皮膚表面を洗いすぎると

皮脂を必要以上に流してしまう為、注意が必要。

また、細菌は常に皮膚表面にいるが、

体内の免疫機能が十分に働いている場合や

傷口がない場合は全く問題がない

免疫力を高める方法としては、やはり適度な運動が望ましく、

また運動が細菌感染を引き起こすということはない。

 

 

Q.  患者等に話を伺うと、アトピー性皮膚炎患者は

手足の冷え症や肩こりの人が多いと思うが、それについてはどうか?

A.  その情報の真偽は明確ではない。

また冷え性や肩こりには運動が良いと思われる。

 

 

Q.  退院後に悪化してしまうケースを聞いたことがあるが、

どういった人がどれほど悪化する傾向にあるのか?

A.  入院中に寛解ではなく、ある程度良くなったか程度で退院するが、

退院後一時的に悪化する傾向は確かにある。

これまでの入院患者で見ると、全体の2/3ぐらいは退院後

一時的に悪化する人がいると思われる。

 

 

Q.  様々な面において運動が症状改善に有効ということは理解したが、

どのような運動をするのが良いだろうか?

A.  重要なのは、脈拍が上がる運動をする事である。

例えば太極拳なども効果はあるが、

それで十分とは言い切れない。

心臓に病気がある人や足に傷がある場合など、運動の仕方を考える必要はある。

但し、太極拳等でも何もしないよりは絶対に良い。

 

 

Q.  脱ステ治療後も、花粉の時期は症状が悪化する傾向にあるか?

A.  目や鼻に痒み等のアレルギー症状が出て、

二次的に皮膚炎が悪化する患者はいるが、

花粉が直接的に皮膚炎の症状に悪影響を与えるわけではない

抗ヒスタミン剤、特に比較的新しいビラノアという薬は

花粉症にかなり効果がある。

抗ヒスタミン剤の中でも、エキソフェナジンは眠気は生じないが

効果は若干薄く、エピナスチンは眠気は少し生じるがより効果がある。

花粉症が起きる前から事前に飲む必要性はあまりなく、

花粉症の症状が出始めた頃に抗ヒスタミン剤を摂取する事で十分である。

 

 

Q.  乳酸菌の摂取が花粉に良いという情報があるが、効果があるのか?

A.  明確な回答は出来ない。試してみてもいいのではと思う。

 

 

Q.  細菌感染を抑えるために抗生物質を摂取すると、

腸内細菌も死んでしまうという情報があるがどのようにすれば良いか?

A.  適切な食事と運動としていれば、特に何も気をつけなくても

腸内細菌は通常状態にすぐに戻る。

特に意識する必要はない。

 

 

 

Q.  食事に関して、摂取する油のバランスや過度なタンパク質の摂取は、

体に悪影響を及ぼすとの情報があるがどのように考えればよいか?

A.  まず、細胞膜は油分で出来ているため

傷を修復するためにも油の摂取は必須

摂取する油のバランスに関しても、外国人の摂取する油分は偏りすぎている為、

そういった情報を得られたのだと思うが、過度に意識しすぎる必要はない。

またタンパク質においては、滲出液や落屑で

通常より2倍以上摂取する必要がある患者もいるほどである。

(その状態では)そこまで過剰摂取に意識する必要はない。

また、砂糖は別の名をショ糖ともいい、その成分はブドウ糖果糖に分けられる。

これらは生命活動維持に絶対的に必要なものであり、

これが問題であるとするならば、

全ての生物に何らかの異常が起きているはずだが、

そういった観察は見られない為、糖分の多少の過剰摂取を意識しても意味がない。

また、糖分を過剰摂取するとIgEが上昇するとの論文はあるにはあるが、

皮膚炎とIgEとの因果関係が逆に考えられているため問題ない。

補足すると、皮膚炎の湿疹が軽快した後でIgEが減少し、

症状が悪化するとIgEが上昇する。

IgEと皮膚炎の因果関係の世間一般の考え方は間違っている。

 

 

Q.  体型や体脂肪率と痒みには何らかの関係があるか?

A.  そのようなデータは見たことはない。

但し、アトピーの人は細胞を増殖させるのは得意ではないようで、

体重が増加した後に痒みが増したという患者はいる。

しかしながら、その一症例で全てが説明つく訳ではもちろんない。

補足すると、幼児の湿疹はよく顔に現れるが、

これは幼児の成長は頭部が一番早いからだと考えると納得がいく。

皮膚炎が現れやすい患者は細胞を作るのがあまり上手でなく時間がかかる為である。

幼児患者の成長がある程度進む と、頭部の成長も緩やかになるため、

症状は落ち着く。

同様に、思春期でも再度成長スピードが増す為、

症状が再発するケースが多くある

要は、成長する時期・成長する部位には皮膚炎の症状が出やすいと考えている。

 

                   2018.01.12 『とまり木』より

 

 

     ******************

 

 

いや~~~、みなさん!すごいお役立ち情報でしたね。

ありがたいことです。

長年皮膚炎をやりながらも、未解決のままだった疑問が、

かなり解消された方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

今後とも『元気が出る徳子の部屋』では、

みなさんが元気になれるだけでなく、お役に立てる情報を提供してまいりますね。

 

 

今日も素晴らしい一日を!

 

 

P.S. 同じ日に、佐藤先生のさらなる深いお話がありましたので、コメント欄に載せさせて頂いています。ご覧ください。

 

『脱ステ・超お役立ち情報』が検索しやすくなりましたよ♪

 

 

脱ステ超お役立ち情報 - その13(脱保湿の原則をそれていい状態とは?)

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温暖湿潤気候・・・・なんて、昔学校で教わりましたが、

日本は夏は暑く、場所によってはトロピカル状態、

そして、冬は寒く、唇が紫になりそうな気候を乗り越えることもある私たち・・・・。(笑)

 

特に皮膚炎は気候になんとも影響されがちなので、

全国津々浦々、悪化と戦うみなさんの声が今日もたくさん届いてますよー。

でも、阪南中央病院佐藤健二先生と入院患者さんの学習会情報も届きましたよー。

 

よ・・・喜び過ぎ?

 

いや~~~~、ありがたいことですね。

とってもためになるこのコーナー、読者さんに大好評なんですよー。

 

それでは、いつものように、みなさん、声をそろえて言ってみましょう~~~!

教えて佐藤センセイ~~~~~!💖」

 

 

               *********************************************

 

(佐藤健二先生・談)

 

脱保湿の原則を逸脱しなければならない時

 

脱保湿の徹底は必須だが

 

ちょっとむずかしい話かもしれない。

今日は脱ステロイド・脱保湿の最中ではあっても

脱保湿の原則を逸脱しなければならない時 についてお話する。

 

そういう状況はいくつか挙げられる。

たとえば、掻き壊しで手が痛い時に、木綿の手袋をすると

痛みはましになるけれど、当然保湿になるよね。

とはいえ、痛みが抑えられるならば、どちらを選ぶべきだろうか。

 

答えはそのときの病気の状態によるということ。

もし、痛みをもたらす亀裂を治さないと運動もできずまったく先に進めないということであるならば、

手袋をして保湿をして少し状態をよくしたあとで手袋をやめて、改めて脱保湿を再開すればいい。

 

 

就寝時に手袋を使うこと

 

ただし、手袋をすると別の問題もありえることだけは指摘しておきたい。

夜の就寝時に手袋をしていると、からだを掻くときに爪で掻かないから、

傷がつきにくくてよいのではないかと考える人もいるようだ。

ところが、二つの可能性がある。

ひとつは、この予想のように傷がつきにくくてよくなる場合もある

だがもうひとつ、布で体を掻くことで

爪で掻くよりも広範囲の非常に治りにくい傷になる可能性もある。

どちらになるかは患者のみなさん自身が試みないとわからない。

ある種の賭けともいえる。

 

 

ガーゼによる傷の保護

 

体を掻いて傷口がびらん糜爛面になり、

(**皮膚や粘膜あるいは角膜の上皮が欠損して限局的に消失した状態。いわゆる ”ただれている” 状態)

ちょろちょろと滲出している場合には、傷口にガーゼを貼るかなり痛みが減る

傷口にガーゼを貼るというのも、もちろん保湿行為になる

けれども、ガーゼを貼れば痛みを抑えることができて動くことができるというのであれば、

どちらを優先すべきだろうか。

 

保湿になるのが困ると考えて、痛みを我慢してでもガーゼを使わないでいるべきか、

保湿になってでも痛みを抑えたいと思うか。

おそらくは、大多数のひとは後者の、痛みを抑えてでも体が動かせるようになる方がいいと考えるのではないか。

 

火傷などで生じたびらん面の場合などにはウェットドレッシング法(湿潤療法)といって、

傷口を湿らせた方が保湿にはなっても下の皮膚がよくなりやすいという場合もある。

そんなときには傷口を湿らせる。

 

湿らせるには滲出液の出たところにガーゼを当ててガーゼでかさぶたを人工的に作る

そうすると傷口に新たにできてくる皮膚を保護することができるので、

実際には保湿にはなっているけれど、新たにできる皮膚を成長させるために、

あえて保湿をするというわけだ。

こういう例もあるから「保湿をしないこと」にあまりこだわりすぎないこと

 

 

水分摂取制限を中止すべき場合

 

新版『患者に学んだ成人型アトピー治療』― 難治化アトピー皮膚炎の脱ステロイド・脱保湿療法 (つげ書房新社)

非常に離脱症状が重症な場合ではあるが、

全身が紅皮症の状態で真っ赤になっていて、

全身から滲出しているような場合にはものすごくのどが渇く。

こういう場合に細菌感染を起こすと38℃を越える高い熱が出ることがある。

そういう場合に限って水分摂取制限はしないでいいと、

私の本 新版:患者に学んだ成人型アトピー治療 にも書いてあるし、

みなさんに説明しているはずだ。

 

水分摂取制限をしないということは当然、脱保湿の原則から逸脱することになる。

だが、発熱が起きている場合にはその人の体全体から、

水蒸気になって水分はどんどん出ていて

それがどれだけの量なのかはわからない

だから、この場合はやむを得ない。

脱水状態になって非常につらく危険になるよりも、それを避けるためには本人が希望するだけ水分を摂取してもらう。

これも「脱保湿の原則からの逸脱」とはいえ、納得できることだと思う。

 

 

離脱開始のいちばん最初期

 

経験したことのある人は多いと思うが、

離脱開始の初期に非常に重症の人は、

布団の中に入りっぱなしになるかもしれない。

痛くて布団から出られないためだ。

これは強烈な保湿行為ではあるけれど、

入院当初の数日から一週間くらいの間は、

患者の体力自体もものすごく落ちているだろう。

そういう時は、患者の尻を叩いて無理に運動をさせるよりも、

じっと安静にしているほうが、結果として早く治るということはある。

 

だから、離脱のごく初期に全身が紅皮症の状態で滲出している時や、高熱が出ているという場合だけには、

患者を安静にさせることもあるし水分摂取制限も行わない。

脱水症状によるいろいろな問題を解決するひとつの方法だ。

 

 

シャワーについて

 

冬にはできるだけ、長い時間の入浴やシャワーは避けるようにみなさんに言っている。

では、夏の暑い時期に汗をたくさんかいた場合にはどうすればいいかと、

しばしば尋ねられる。

私の本には「一日に一度の入浴+水のシャワーを浴びるだけ」ならいい、

と説明している。

実際に、大量の汗をかいた場合には皮膚の表面にばい菌が増えやすい

ということはあるので、

汗をたくさんかいた場合には、水のシャワーをさっと短時間に浴びるのだけはいいだろう。

 

ただし、これは入院中には認めていない。

病院で一日に2回シャワーを使っていいという風にすると、

みなさんが一日の行動予定を立てづらくなるからだ。

 

自宅にいる場合に、暑い時に暑い部屋でじっと我慢していると、汗が出てくる

そのままじっとしていると、どこかの毛穴にばい菌が増えて細菌感染を起こすということは多いだろう

それを防ぐためには、自宅で過ごす時には細菌感染予防の方法のひとつとして

さっと水のシャワーを浴びるのはいいだろう。

 

 

入浴時に石鹸を使うこと

 

脱保湿というよりも、これは入浴に関連した話だ。

入院していてかなり皮膚の状態がよくなってきて、

体の表面に白い粉鱗屑がたくさん出てきたような場合には、

入浴時に石鹸を使って体を洗うように指導することがときどきある。

その場合に、体を洗ったあとでかゆみが強くて困る

と言うふうに判断する人もいるけれど、

逆に痒みが非常におさまっていいという経験をしている人もいる。

おそらくは、白い粉のできかたで判断すべきで、もう少しで体から剥がれ落ちる状態なのに、

なんとなくからだの表面に残ってしまっているというような時には、

石鹸を使って軽く洗うとそれらが取れて、痒みが起こらないで楽になるということがあるのだろう

 

 

まとめ

 

脱保湿はとても重要で、ステロイド離脱の基本ではあるけれど、

時と場合によって「脱保湿の原則」から逸脱することはいくつかあり得る

だから、脱保湿からはなにがなんでも絶対に逸脱してはいけない、とはあまり考えないでほしい。

 

ただし、脱保湿として行わなければならない、運動水分摂取制限保湿行為を避ける

といったことは基本的にはずっと行うべきだ。

繰り返しになるが、上述のような特殊な条件では、時に脱保湿の原則を逸脱する必要もあるということ。

このことを十分に理解してほしい。

 

 

             *********************************************

 

 

入院患者さんから佐藤先生への質問

 

 

Q. 自宅にいるときにシャワーを浴びるのは、規定回数以外には一日に1回程度だけか。

A. そう思います。

 

Q. 皮膚の表面についた白い粉を石鹸で落とすとは、ごしごしと皮膚をこすってはいけないとは思うが、

タオルに石鹸を泡立ててつけてなでるようして、シャワーで流すというやり方ですよね。

それで、100%ではないにせよ、白い粉をどのくらいの割合で取ればいいのか。

A. 石鹸で洗うのは、白い粉を完全に取ってしまうために行うのではない。

なでるように洗うことで、自然に取れそうな分をちょっとだけ手助けする、

という感じだからね。

 

Q. 入院前に自宅でも足だけは毎日洗っていたが、傷が広がったり、感染症を起こしてしまった。

感染した場合は佐藤先生に診てもらわないとだめだろうか。

A. 万が一の時にに診てもらえる、自宅近くの医師を見つけておくのが一番いい。

 

Q. 傷の広がる場合や細菌感染を起こしている場合はシャワーをやめたほうがいいのだろうか。

A. シャワーがほんとうに悪さをしているのであれば、やめるべきだろう。

だが、今ここではその症状の原因がなにかわからないから、

なんとも答えようがない。

自分で原因を見つけるように考えてほしい。

 

Q. 白い粉の件なのだが、人によって症状は異なるのだろうけれど、

その白い粉が出る期間は平均的にはどのくらいなのだろうか。

A. まず、だいたい離脱の最後の方になった場合のことであって、

入院初期の赤みのあるうちは洗って落としてはいけない

白い粉が出る期間というものは、患者によってさまざまだ。

ある時期にぽんっと白い粉が生じるようになり、それ以降出てこない人もいる。

一方で、じわじわとずっと続く人もいる。

 

Q. 細菌感染の度合いについて尋ねたい。

どういう対応をしていいのか、洗い流すべきか。

膿疱の数がほんの少しでも抗生物質を必ず服用すべきか。

A. 症状を見て、膿疱がどんどん広がっていくかどうか、

で決めないといけないと思う。

ひとつふたつだけ膿疱があり、

あまり広がっていくのではないならば、

それこそ膿疱を潰して残った膿をガーゼなどで吸い取り、

そのあと水道水でさっと流せば、かなりよくはなるだろう。

それよりもずっと膿疱の数が多くどんどん発熱するようであれば

抗生物質を服用しないと治っていかないだろう。

皮膚の表面の方をいじるだけでは、かえって感染を広げる可能性がある。

 

Q. 弱い感染症でも抗生物質を服用すればすぐに治っていく気がする。

けれど、抗生物質は多用しないほうがいいか。

A. なしでいけるなら、もちろん服用しないほうがいい。

抗生物質は耐性菌を作ってしまう確率が増えるから、

出来たら飲まない方がいいとは言える。

 

Q. 膿疱は潰した方がいいか、放置したほうがいいのか。

A. あくまでも膿疱の数が少ないならば、

潰してしまう方が早くよくなるだろうね。

膿があったら痛みも出てくる。

普段でも、男性だと特に、毛穴のあるところに

ちょこちょこと化膿することはあると思う。

そんな場合だったら潰すだけで、

抗生物質を飲まなくてもよくなることはあると思う。

 

Q. 抗生物質を服用するのに、耐性菌を発生させないですむ望ましい期間や周期というものあるのか。

A. それはわからない。

ただし、抗生物質を服用するにあたっていえることはふたつある。

ひとつは、服用期間は短い方がいい

ふたつめは、できるだけきちんと細菌をやっつけてしまう必要がある

その期間は症状や人によって異なるだろう。

病気によってはすぐに服用をやめることができるものはあるが、

皮膚の場合には、意外とだらだらと続くので、

比較的長く服用せねばならないことが多いようだ。

皮膚の表面だけに小さな膿疱がぽつぽつとある症状なら、

短い服用期間でもすぐによくなるようだ。

ところが、じくじくとした部分の面積が広い場合には、治りが悪い印象がある。

抗生物質がその部分に行き渡る程度が低いということなのか、

治りが悪い原因はいまひとつよくわからない。

 

Q. 脱ステロイドの離脱症状は人によって異なるだろうが、リバウンドが再発する理由は。

ステロイドが体内から抜けきれていないからか、自分でステロイドをうまく産出できないからか。

A. 私が持っているデータから判断すると、

外用したステロイドの物質自体は

おおむね一ヶ月で体外から排出されて存在しなくなる。

ところが、ステロイドを外用していたことをその部位が ”記憶している” ようだ

物質自体が存在するかどうかと ”記憶” があるかどうかには

差はないと考えることもできるかもしれない。

「ステロイドを外用していた ”記憶” が皮膚にはある。」

という言い方を私は以前からしていたが、

リバウンドとはその外用していた部位自体で

ステロイドを産出する能力が

どの程度落ちてしまい

それがどれだけの速度で回復していくか

という回復速度の問題なのだと思う。

それは人によって異なる。

 

また、”リバウンドから回復したあとの再悪化 に関しては、

回復後に数年経てばステロイドの産出能力は相当回復しているはずだろうが、

何かの拍子に強烈なストレスを受けた場合に「負けてしまう」のだといえると思う。

すなわち、何かの理由によってステロイドを産出する能力がどーんと落ちてしまう

ということが患者に起きているのだろう。

正確なところはまだわからないけれど、

おそらく考え方としてはそう考えざるを得ないし、

そういう観点で研究していけば答えが出てくるのではないか。

 

リバウンド後の再悪化” についての原因はまだわかりかねるけれど、

少なくとも、”ステロイドを産出する能力” が何かの理由で落ちてしまう可能性は、

離脱後もかなり長期間のあいだ起こり得る、と言うことはできると思う。

さらに、”ステロイドを産出する能力” が

健常者と比べると低いことは報告されている。

脱ステロイド患者は、その能力がさらに

あまり高くないままでいるという可能性もある

 

Q. 自分は生後2ヶ月からステロイドを使い、いまは44歳で脱ステロイドをしている。

たとえば、ステロイドを40年間使い続けてから離脱して、よい状態に戻るという例はたくさんあるのだろうか。

A. たくさんいてるよ。

今、『元気が出る徳子の部屋』というブログを書いている徳子さんも

そのうちのひとりかもしれない。

リバウンドのいちばんひどい時には、

脚なんて普通の倍以上の太さにむくんでいた。

 

👆話題にされて喜ぶ筆者?👆(阪南中央病院で脱保湿を教わる前は、さらにはるかにひどい重傷を2回体験しています。その間、都内のクリニックで出された軟膏をひたすら全身に塗っていましたがよくならず、見るも無残な人間業(笑)?を超えた重傷を繰り返しました。リアル・ゾンビでしたよ(笑)。1回目が一番ひどく、2回目はそれよりは少しまし、3回目の重症の時はそれらよりかなりマシとはいえ、それでもひどい重傷。・・・その3回目で、練馬の藤澤先生のご紹介で阪南に入院し、脱保湿で初めてよくなりました!私でもよくなるのだから、みなさんは絶対大丈夫!)

 

また、今まで診たなかでいちばんひどい患者は、頭と脚を上げてベッドに寝ていて、

夜中になるとお尻のところから浸出液がぽたぽたと床に漏れ出てきていた。

もっとも、私がまだ水分摂取制限ということを重視していなかったころだから、

その人も水分制限が出来ていなかったのかもしれない。

今でも、時々その人は外来で来るけれど、そう調子は悪くはない。

 

Q. 水分摂取制限のことは一般の医師に知られているのだろうか。いつごろから先生はそう指導しているのか。

A. 全然知らんと思うね! 

私自身がはっきりとそれを言い出したのは、

1995年から1996年頃に

名古屋市立大学にいるころだ。

私自身もうすうすそうかもしれないと思っていたところに、

名古屋市立大学病院にいたある看護師さんが

水をたくさん飲む患者さんは治りが悪いですね。」とずばり言ってくれました。

すごい洞察力ですね。

 

Q. それだけ前から脱ステロイド時に水分摂取制限が必要と提唱しているのに、全然広まっていないのか。

A. そうだ。脱ステロイドという考え方自体、

日本皮膚科学会が嫌がって認めていないでしょう。

それと、皮膚科医の多くはあまり全身のことを考えないで診ているから、

このことを知らないのだろう。

 

Q, 脱ステロイドを指導できる医師はどれだけいるのか。

いつも講演会を佐藤先生といっしょにされている先生がた以外にいるのだろうか。

A. ほとんどいないよ。

ただし、一般の皮膚科医のなかにも自分で脱ステロイドの治療をして、

私のところに通っている人もいる。

先日も、オーストラリアの医師から

「脱保湿について情報提供してほしい。」という連絡もあった。

患者の間では、アフリカを除く世界中の患者たちに

『脱保湿』という考え方が少しずつ広まりつつあるようだ

あくまでも、患者たちの間だけではね。

世界の脱保湿に興味を持つ患者さんたちの分布(”元気が出る徳子の部屋”の読者分布地図)です。アフリカの一部の国々と、氷に覆われた国以外、ほぼ世界中の国々で、佐藤先生の治療をやってみたい方々が増えています。日本にいるあなた、それだけでラッキーなんですよ!

 

Q. それでは、ステロイドを使わない治療をする医師はこれから増えていくのだろうか。

A. そうあってほしいね! 

そのためには、あなたがた自身にも情報発信もお願いしたい

 

Q. 脱ステロイド・脱保湿の味方になってくれる医師を増やすには。

A. 脱ステロイド・脱保湿を患者にさせた経験がなく、

どういう状態になるのか知らない医師はたくさんいる

先日も大阪の北の方の病院に勤務している皮膚科医が私のところに見学に来た。

最初は、急性期病棟にいる入院したてで全身から滲出している患者を見て

「こんなにひどいことを!」と言うてたけれど、

その後で回復期病棟にいる症状が落ち着いてきた患者を見て

「へえ、こんなによくなるのですか!」

と感心して帰って行ったから、

今までその医師が思っていたのとは違っていたのだろう。

実際に目で見ないと信用しないみたいだ。

学会発表でも写真ではどうも信用してくれないようだ。

 

Q. 阪南中央病院に入院する前に別の大学病院で

「ここまでひどい状態ではステロイドを使わないと絶対に治らない」

と言われたのだが、退院したら見せつけに行ってやろうかなと思っているけれど。

A. 是非見せに行ってください。

全身から滲出する、落屑するという状態の患者を見たら、

普通の医師は驚いて「死ぬんちゃうか」と思う。

だからすぐにステロイドを塗れという風に言う。

その時に、患者のどういうところを診て、知らないことであっても、

どうすればいいかを覚えていかなくてはいけないのだけれど……

なかなかそういう風にいかない。

確かに、知らない状態から手探りで治療していくのはとても怖いことだし、

日本皮膚科学会のボス連中でもやり方をぜんぜん知らないだろうしね。

 

Q. 食べてはいけない食べ物はあるか。糖質制限についてどう思うか。

A. 甘い物を食べて痒くなった、という例を

私は実際に診たことがないよ。

糖質制限は脱ステロイド・脱保湿には

全く関係ないと思う。

ただし、清涼飲料水を飲んだあとに痒くなる、

ということがあるとすれば、

恐らくそれは防腐剤などのせいだと思う。

清涼飲料水のせいで痒くなる、というならば、

全ての成分を検討しなければ、正しい答えは出てこない

防腐剤は痒みを起こしやすくなるというのはある。

 

Q. 食べ物自体のせいで痒くなることと、血糖値が上がったことで痒くなるのはわからないと思うのだが。

A. 確かに、糖尿病の人は、理由ははっきりわからないが

高血糖だと痒みを起こしやすいようだ。

でも、そうだったら糖尿病の人は

年がら年中ずっと体を掻きまくるということになりかねないが、

そういうことはない。

だから食べ物のせいで痒みが起こるとはあまり考えにくい。

 

Q. 体内でコルチゾール(ステロイドホルモン)を産出しやすくなる食べ物はあるのか。

玄米が効くと聞いたが。そういうものを食べたほうが炎症は起きにくい、などということはあるのか。

A. ステロイドホルモンを体内で産出させるには、

ACTH副腎皮質刺激ホルモン)が必要だが、

それと似たような働きをする食べ物はないのではないか。

そんなのまったくのイカサマや。

 

Q. では、何かを食べればACTHの産出に結びつくというのもありえないのか。

A. 調べたらそういう食べ物はあるかもしれないけれど、

今までそれをまじめに調べたことはない。

ストレスがあると、副腎などからACTHは出やすくなるだろう。

ストレスを受けるとステロイドホルモンを産出することになるが、

そのACTHが出てこないとステロイドホルモンが産出されないからね。

 

ただ、皮膚でどうなっているかということに関してはまだほとんどわかっていない。

ACTHというものが存在するということと、

その刺激によってステロイドホルモンが出てくるということは間違いない。

 

Q. ACTHが出ると皮膚は茶色みがかるのですよね。

A. そういうこと。

それは、ACTHの遺伝子の最初の半分くらいは

「色素を作りなさい」という遺伝子だから。

ACTHが出てくると、その部分だけ皮膚が黒ずんでくる。

湿疹があったら治ってくると湿疹のところだけ茶色くなるでしょう。

もし、脳からACTHが出るのであれば全身が茶色くならないといけない

湿疹があった部位だけが茶色く色素沈着するということは、

その部位だけで反応が起きているということ。

 

Q. 脱ステロイド中は甘草(カンゾウ)は、化学式が似ているから摂取しないようにと聞いたけれど。

ビタミンDはどうなのか。

A. カンゾウについてはそのとおりで、摂取すべきではない

ビタミンDは関係がない。

あの辺りは構造自体みなよく似ていて、ちょこちょこっとちがうくらいだ。

だが働きが異なる。

カンゾウは英語でリコリス(liquoriceまたはlicorice)という。

ステロイドホルモンには二種類あって、

糖質コルチコイドグルココルチコイド、glucocorticoid)と

鉱質コルチコイドミネラルコルチコイド、mineralocorticoid)がある。

カンゾウは後者のミネラルコルチコイドのほうだが、

構造はグルココルチコイドによく似ている。

そして、人体のステロイドホルモンを受け入れる受容体は

糖質も鉱質のどちらも受けるはず。

リコリスを摂取したら、それは

ステロイドで刺激するのと同じと考えていいと思っている。

 

とはいえ、いろいろな商品の内容物にカンゾウと書かれてはいるが、

濃度はとても薄いはずだから、影響はそう大きくないとは思う。

もっとも、漢方薬でカンゾウそのものをたくさん摂取するなら話は別だ。

以前、漢方薬を内服している人の血中ナトリウム濃度が

いつまでも下がらないということがあった。

カンゾウには血中ナトリウム値を高くする働きがある。

そこで、漢方薬をやめてもらったら、

血中ナトリウム値も元に戻ったということはあった。

石鹸に入っている程度なら、濃度はとても薄いから関係ないだろう。

 

                2019.08.09 『とまり木』より

 

             *********************************************

 

さて、いかがでしたか?

ひとつひとつ知識を重ねることで、あなたも治癒に近づいていきますよ。

大丈夫!必ず、よくなります。

前向きな気持ちを維持して、笑顔で今を乗り切ってくださいね。

 

 

今日も素晴らしい一日を!

 

 

 

 

 

 

脱ステ超お役立ち情報 ー その12(皮膚の構造と湿疹・蕁麻疹・苔癬化)

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阪南中央病院皮膚科の入院患者さんと佐藤健二先生の学習会情報がアップデートされましたよ♪

今日のトピックは『皮膚の構造と湿疹蕁麻疹苔癬化についてです。

 

超お役立ち情報も、今回で12回目。

またまたさらに、私たち賢くなれますね。

この調子で行くと、私たちもいつの日か佐藤先生に追いつき追い越し・・・・は、ないか。(笑)

しかっり読んで、賢くなって・・・一日でも早くよくなるように、ご一緒に学習していきましょうね。

 

         **********************************************

 

<<<佐藤健二先生のお話>>>

 

□皮膚の構造と湿疹蕁麻疹苔癬化について□

 

皮膚の構造

 

表皮の一番上にアカがあり→ 表皮真皮皮下脂肪という構造になっており、

真皮までを皮膚 という。

画像と説明は関係ありません。

 

 

皮膚が一ヶ月ごとに入れ替わるという意味

 

分裂した細胞が表皮最下層から表皮に上がってきて、落屑となって落ちるまでのサイクルは、

真皮から表皮まで(生きている細胞)で2週間

アカになった状態(死んだ細胞)で2週間かかる

 

 

掻いた時に血が出た方が良いという意味について

 

画像と説明は関係ありません。

最初に血管の構造を説明する。

皮膚の血管は表皮には無く、真皮にある

強く掻いたとしても、真皮の血管を破るまでは出血は起こらない。

つまり、表皮が分厚かったら、いくら掻いても血管までは届かない。

そうなると掻いても出てくるのは汁だけということになる。

真皮まで到達して初めて血が出る。

掻いてすぐに出血するということは表皮が薄くなっている証拠。

 

 

表皮の構造

 

拡大して考えてもらいたい。

表皮を豆腐に例えると、一番外側(上部)がアカになっていて

一番下が生きた細胞の一番下。

表皮をバサッと切って横から見ると、波を打っているように見える。

画像と説明は関係ありません。写真:自然免疫応用技研 ㈱

実際に立体で見ると →

豆腐に、赤ちゃんがミルクを飲む時の

乳首が下からプチュっと突き上げたような

形になっているのが見られる。

豆腐の中に上がっているような格好で、

真皮が表皮中に所々入り込んでいて、

二次元で見ると山型になっている。

その上がったところに、毛細血管がある。

 

これらを踏まえうえで、湿疹と蕁麻疹の違いを説明する。

 

 

湿疹とは

 

血管からリンパ球や好中球という白血球の仲間が出てきて、

真皮と表皮の中まで入っていった状態で、細胞が色々と物質を出すので、

表皮が浮腫になる。

細胞と細胞の間に水が溜まって膨れてくるから、盛り上がる。

痒いところが尖っているのは、細胞間に水が溜まって膨れているからである。

このために湿疹が治るのには時間がかかる

 

 

蕁麻疹とは

 

蕁麻疹は湿疹とは大きく異なり、上がっている毛細血管の内張に隙間ができ、

白血球や赤血球は出ないが、汁だけが出る

血管の周りに液体が出て行くが、1時間か2時間くらいで吸収されてなくなる

蕁麻疹は液体が出てきた時に膨れてしばらくするとへこむ。

炎症が強くないので湿疹に比べて早く治る

 

 

何故これを問題にするかというと、アトピー性皮膚炎は湿疹であるにもかかわらず、

間違ってアトピーは食物アレルギーで起こって悪くなると考えられている

アトピーは湿疹です

アレルギーを起こすIgEは蕁麻疹を起こす

つまり、蕁麻疹とアトピー性皮膚炎とは全く別の原因で起こっている

 

 

苔癬化とは

 

画像と説明は関係ありません。

様々な表現がされるが、象の皮のような硬い皮膚をいう。

苔癬化が実際にどうなっているかというと、表皮の構造を思い出してほしいのだが、

一番外側(上部)にアカになるところがあって、次に波形の表皮があり、次に真皮がある。

 

 

苔癬化は、慢性的に掻くので表皮が分厚くなって起こ

つまり、皮膚の表皮(豆腐の部分)が通常より分厚くなり、

その中に乳頭(真皮)が下からずーっと上がってきている状態になっている。

表皮側が上から下に伸びていくので

場所がないので盛り上がった状態になる

ここまでになるのはかなり時間がかかるので、

湿疹としてあったとしても、慢性湿疹となる。

 

 

湿疹ではあるが、苔癬化すると、細胞の間に水分はそれほど多くなく、

それよりも細胞の数がものすごく増えて下まで伸びている状態となっている。

そうなると表皮が分厚くなっているので、いくら掻いても血管まで届かないので出血しない

ところが、湿疹が良くなると(苔癬化がマシになること)、表皮が薄くなるので

少し掻いただけで血管まで届くようになるので出血する

掻いて汁が出る状態より出血する状態が良い

と言っているのは以上が理由である

 

 

自分自身の湿疹を観察したときに

水ぶくれに近いような湿疹は急性の湿疹表皮は厚くなっていない

ゴワゴワした、シワが多く見えているような皮膚は、表皮がずっと下まで行っている(厚くなっている。)

それが良くなるためには、下に伸びた部分が表面に上がっていかないといけないが、

上がるためには上を取らないといけない。

取るためには、皮丘という皮膚表面にある3mmくらいの小さな丘のところが、カサブタ的に取れていく

良くなっていく過程では、だんだんと白いカサブタ(死んだ細胞)として取れていって、下から上に上がっていく。

ここまでくれば、相当良くなっているということである。

 

 

以上が湿疹と蕁麻疹と苔癬化についての説明である。

今回の話しは治療には直接的には関わらないが、

自分が受けている治療と現状の治癒の段階を知るためには、理解をしておく必要がある。

医者がいない時の病状の評価基準として、今回の話しを参考にしてもらえばよい。

以上で私の話しは終わりです。

 

 

         **********************************************

 

 

入院患者さんから佐藤先生への質問

 

Q.  苔癬化はするのにも時間がかかると思うので、治るのにも時間がかかりますね。

A.  かかる。苔癬化は掻くことによる刺激が原因と考えられる。

しかし、脱ステしている時には掻いていても治癒傾向にある。

何故同じ刺激によって結果に違いが出るのかは今のところわからない。

しかし臨床的にわかっていることは、

ステロイドを使用しても良くならない苔癬化した患部は、

ステロイドをやめないと絶対に良くなっていかない

特にそれがハッキリしているのは痒疹である。

痒疹は苔癬化と非常に良く似た病像をした病変である。

 

 

Q.  湿疹の際の滲出液の成分で痒くなるのか。

A.  アトピーの痒みの理由はまだはっきりと解明されていない。

血管の周りにある肥満細胞が放出する

ヒスタミンで痒みが起こることは判っているが、

それが痒みの主な原因であるならば、抗ヒスタミン剤を服用すれば痒みは収まるはずだが、

実際はあまり効果がない。その他にも痒みの原因があるようだ。

様々な研究があるが決定的な答えは出ていない。

 

 

Q.  仕事が忙しいと、仕事後に非常に痒みが強くなるが何故か。

A.  それは多くの人に起こっている現象のようだ。

どうやら緊張から解放されると痒みを感じるようだ。

もうひとつには身体が産生するステロイドには時間的な変化がある。

午前10時が最も多く、そこから減少していき、翌朝5時が最低となる

そこからまた増加していく。

身体が産生するステロイドの濃度がある値以下になると

痒みを感じてしまう可能性がある

夕方や夜などは濃度が低いと考えられ、それが関係している可能性があるが、

それ以上はっきりしたことは言えない。

 

 

Q.  室温が高く、暑いと感じる時は痒みが強くなる気がする。何故か。

A.  温度が上がると肥満細胞からヒスタミンが放出されやすい

それで説明できると思う。

そのような痒みでは、アイスノンなどで冷やすと痒みが軽減される

ということも起こると思う。

 

 

Q: つまり身体が暑くて痒いと感じる場合は、抗ヒスタミン剤で収まる痒みということか。

A:そう理解して良いと思う。どこまで効果的かは未知数であるが。

暑いからといってもヒスタミン以外が原因の場合もあるかもしれない。

 

 

Q:就寝中に身体が火照る。原因は?

A:分かりません。

 

 

Q;運動療法として勧められているのは心拍数120程度の有酸素運動だが、

無酸素運動である筋トレを行なっている。

筋肉を作るためにタンパク質が消費されると思うのだが、脱ステ療法中はやらない方が良いか。

A:それくらいは影響はないのではないか。ただし有酸素運動もした方が良い。

両方やればよいのではないか。

 

 

Q:有酸素運動をして糖質が減ると、筋トレをする時に影響が出る。

A:有酸素運動では糖質ではなく脂肪が燃焼する。

 

 

Q:有酸素運動で脂肪が燃焼するのは運動開始から30分後で糖質と半々で使われる。

また、それまでは糖質が使われる。

A:運動ではまず解糖系のグルコースが使われる。

さらに運動を続け、グルコースがなくなると筋肉運動によって産生された乳酸が

TCAサイクルに入って有酸素運動となる。

そのどの過程を問題とするのか。

 

 

Q:身体に残った糖質を筋トレで全消費した状態で終えたいが、その後に有酸素運動をすると、

筋繊維を分解して糖質と脂肪を消費するので、筋トレの効果が減少してしまうと考えている。

A:有酸素運動では脂肪燃焼がメインだと考える。

また、使う筋肉も有酸素運動と無酸素運動では赤筋と白筋で違う。

 

 

Q:蚊に刺された時の塗り薬はどうすればよいか。また、キズ薬はどうか。

A:ステロイドを使ったことのない人は、

ステロイドが入ってなければ

特に気にしなくて良い。

抗生物質の入った軟膏なども使用しても問題ない。

 

 

Q:運動は1時間まとめてやらなければだめか?30分ずつ2セットでもよいか。

A:良い。自分の体力に合わせてやればよい。

 

 

                       2019.07.26 『とまり木』より 

 

 

         **********************************************

 

 

さてさて、いかがでしたでしょうか。

皮膚って、いや、人間の体って、まだまだ科学では解明できない謎もいっぱいで面白いですね。

また、こうして家に居ながらにして教えてもらえるなんて、ありがたいことですよね。

 

ちょっと賢くなった自分に酔いしれながら・・・・

 

今日も素晴らしい一日を!

 

 

***入院中のまとめ担当の方々、ありがとうございました!

 

 

 

  👇 脱ステ・脱保湿の勉強が、自宅で出来ますよ!

『脱ステ・超お役立ち情報』が検索しやすくなりましたよ♪

 

 

脱ステ・超お役立ち情報 ― その11(脱保湿治療・誕生秘話)

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阪南中央病院・皮膚科の入院患者さんと佐藤健二先生の学習会の最新情報ですよ!

今日は、世界的にも、脱ステをするならこれ以上の方法はない!」と、

患者さんの間で絶賛されて広まっている脱保湿治療を

佐藤先生が発見した経緯を話してくださっています。

興味津々ですねー?

それでは、最後まで読んでみてくださいね♪

 

********************

 

脱保湿の手法を思いついた経緯

 

アズノールをやめたらよくなった子がいた

 

みんなに聞きたいことがある。体をぼりぼりと掻く時に、

湯船に浸かって皮膚が湿った状態で掻くのと、外で乾いた状態で掻くのでは、

どちらがより傷つくだろうか。

 

さきに結論を言ってしまえば、湿っている時の方が皮膚はより深く傷つく

 

私が患者にステロイドをやめさせた最初の症例のことを話そう。

ある時「尋常性乾癬」という病名がついて

他院から送られてきた患者がいた。

全身からかさぶたが落ちている。

ところが、実際にはアトピー性皮膚炎で

全身にステロイドを外用していた患者だった。

年齢は2歳半。

成長障害が著しく、身長が低くて体重も少ない。

あきらかにステロイドの副作用で副腎抑制が生じていた。

副腎抑制によって成長障害が起こっているので、

しかたなしにステロイドをやめさせなければならないと思い、離脱させた。

もちろん、一旦はきついリバウンドが起こった。

ところが、診ていても離脱後いつまでも皮膚が赤いままで、症状が安定しなかった。

そうして、なかなかよくならない状態でその患児が転居し、

別の医師が診るようになって音信不通になった。

ところが、しばらく経ってからその別の医師から聞いたところ、

その患児はステロイド離脱後に使っていたアズノールをやめてみたら

すっかり皮膚の状態がきれいになったいうのだ。

(なるほど、そういうことが起こるのか・・・。)と思い、このことだけは記憶に残っていた。

 

***筆者注:アズノールは保湿剤で、代表的な商品には、

ヒルドイド、ザーネ、ユベラ、ケラチナミンなどがあります。

 

 

子供の頃に掻いていた記憶を思い出した

 

さて、それからだいぶ経ったある日のこと。

ステロイド外用による全身の皮膚萎縮や毛細血管拡張などの、

日本皮膚科学会でも認めるような典型的な副作用がひどく出ている子を診る機会があった。

 

症状を収めるという意味では、

さらに強いステロイドを使う

あるいは外用の回数を増やす

もしくは全身に量をより多めに使うという方法がある。

そうすればちょっとは症状はましになるだろう。

けれど、ステロイドはどうせすぐに効かなくなる。それでは、次にどうするか。

強度のランクを上げるか、量を増やすべきか。

だが、もっとも強いランクのものを使っても、それが効かなくなったらどうなるだろうか。

ステロイドの内服をする他なくなる。

それならばむしろ、あまり症状がひどくない段階でステロイドをやめてみる他に仕方がない。

そう判断してステロイドをいっさいやめさせた

 

 

その当時は、ステロイドをやめるとひどい皮膚症状が出るので、

離脱した患者には私も軟膏を処方していた。そうすれば痛みも多少は治まるから。

そこでその患者にも軟膏を処方したものの、いつまでたってもよくならない。

2〜3週間もよくない状態が続き、ステロイドをやめてみたけれど、

それ以上前に進まないというしんどい状況だった。

 

 

どうすればいいか・・・と考えていた時にふと、

自分の子供の頃の様子を思い出した。

 

 

私自身、幼児期にアトピー性皮膚炎があった。

朝起きてパジャマを脱いでシャツに着替える時に、裸になってボリボリ体を掻いていた。

おそらく、みんなもやっていると思うけれど。

その時のことを思い出していて思い至ったことがある。

それは、体をボリボリと掻いてはいたけれど、血は出ないということ。

白い粉はいっぱい落ちるけれどね。

 

 

ということは、

ひょっとすると非常に乾燥した状態にある方が

皮膚というものは強いのかもしれない!)

そう思って、リバウンドが収まらない子供をよくするために、

うまくいくか自信は持てなかったけれど、いっさいの保湿をやめさせてみた

すると、まずは非常にひどい離脱症状が出た。

保湿剤をやめただけで、ステロイドをやめたとの同じくらいひどい状態だった。

ほんとうにこの方法でよいのかと心配して診ていたけれど、

1週間ほど経つとちょっとましになってきた。

そして10日ほど経つと明らかによくなり始めた

そこで、そのまま保湿しないでいってよくなっていった

 

 

ステロイドをやめたあとでも保湿を続けている場合には

赤みがいつまでも続き掻くと深い傷が出来るわけね。血も出るし。

だから、

(そんな状態から抜け出るためには、皮膚を乾燥させないといけないのではないか。)

ということで、そこではじめて

「脱ステロイドのときには 脱軟膏 が必要だ!」

ということを思いついたわけ。

その段階ではまだ「脱”保湿”」とは言ってはいない。

あくまでも「脱”軟膏”」なわけね。

それでも、ステロイドをやめる時に軟膏もやめさせたら、

みんなよくなっていくことがわかったというわけだ。

 

 

軟膏によらない保湿行為に気付いて脱保湿

 

今度は私が名古屋市立大学に移ってからの話。

ステロイド離脱後に軟膏はいっさい塗っていないけれど、

全身にさらしを巻いてからだを防御している子がいた。

たしかに外用はしていなくても、

実際にはこれはものすごい保湿行為になる。

そこで、このさらしを一切取って、保湿の状態をなくしてみるとよくなっていった

さらに、水をたくさん飲んでいる患者さんは治りにくいですよ。」

という看護師からの指摘もあった。

そういうことはうすうす気付いていたけれど、この看護師さんはずばりと言い切った。

 

 

これらすべてを総合して考えてみると、

ステロイドをやめる時には

皮膚の表面を湿らせている行為すべてをやめさせないといけない!”

という考えにたどりついた。

そこで  ”脱軟膏”  から  ”脱保湿”  が必要なのだと思うようになった。

なにしろ、やってみると、患者にはそれがいちばん効いた。

これが私が脱保湿の必要性に思い立った経過というわけだ。

 

 

********************

 

すごいお話でしたね。

世界中のステロイドのリバウンドに苦しむ患者さんを救っている脱保湿治療は、

3分診察ではなく、”患者さんを診続ける”という経験と、鋭い観察眼の賜物だったのですね。

 

さてさて、次は、大好評の質問コーナーですよ。

みなさん、いつものようにご唱和ください~。🤗  (笑)

「教えて~~~~!佐藤センセ~~~~イ♪」💖

 

 

********************

 

 

入院患者さんから佐藤先生への質問

 

Q, 保湿行為には、ほかにはどういう行為があるか。

A. 分厚いガーゼ、リント布、包帯を巻くこと、通気性の悪いものを当てること。

裸で生活しろとは言わないけれど服を着ること、水をたくさん飲むこと、

超酸性水をいつも肌に噴霧し続けることのほか、化粧をすること、

日焼け止めを塗ることも保湿になる。

 

 

Q. 汗がじめっと出るときに湿疹が出たり、掻き傷が深くなる気がする。

汗も保湿になるということか。

A. 汗をかけば確かに、保湿にはなるとは思う。

ただし、汗のかき方の種類によって性質が違うようだ。

運動して出る汗と、暑さで出る汗は性質が違う気がする。

まわりが高温でじわっと出る汗はものすごく痒くなり、

掻いたあともひどくなるみたいだ。

一方、運動した時の汗はあまり痒くならないのでは。

運動した後でたくさん汗をかいた後よくなるのは、運動をしたせいなのか、

汗をかいたせいなのかよくわからないけれど。

 

 

Q. シャワー後につっぱる肌をわずかな汗でなじませるために歩いているけれど、保湿行為になるか。

A. 保湿と言えないわけではない。

けれど、汗をかくためならば、それは運動しているとも言えるし。

そもそも、その行動はどちらを重視しているかをよく考えてみてほしい。

それによって答えは変わる。この場合は、おそらくは運動するよさになるのだろう。

でもまず、健常者の肌ならば、入浴後につっぱって痛いということはないのだから。

そういうことをしないで済むようになっていかないといけない。

そこまで治っていくには運動は欠かせないはずだ。

 

 

Q. 風呂屋や温泉に行くのはよくないものか。回数によるのか。

A. 入浴するのでも、目的に応じて具体的に考えないといけない。

自宅の風呂にじゃぽんと入ってすぐ出るのと、

温泉に健常者のように何十分もじっと湯に浸かっているのでは異なるはずだ。

たとえば、硫黄が含まれる温泉に入るのはいいのかどうか。

場合によっては湯の成分で悪くなることだってあるかもしれない。

どんな成分が含まれていて、どれだけの温度で、

どのくらいの時間入浴するかまで考えるべきで、そこまで考えて判断してほしい。

たとえば、入院中はシャワーしか入らない。

一方、豊富温泉に行った人ならわかるだろうけれど、

温泉では感染症をおたがいに感染させ合う危険性もある。

そう考えれば、短時間のシャワーが安全だ。

家にいてひとりで生活しているなら、湯船に入ってもかまわないと思う。

だが、もし感染症が起きたときにきちんと流さないと再発してしまうだろう。

温泉や風呂といっても、どういうものかよく見ないと、良し悪しはわからない。

もちろん、皮膚症状の状態によっても、風呂が皮膚へどう寄与するかは変わるはずだ。

 

 

Q. 脱保湿を行ったときにも、脱ステと同じ症状が出たが、どういうことか。感染症も起きやすいのか

A. いやもう、全身から浸出液がだらだら出るし、かさぶたもたくさん出るし、

真っ赤になるし、ほとんど同じ状態だ。

おそらく、感染症も起きやすい。

そういう状態であれば、皮膚でステロイドホルモンが作り出されていないだろうから、

通常よりも余計に感染症にかかりやすいだろう。

滲出液が出ている状態は、ばい菌にとって一番いい状態だ。

人間の血清などはばい菌にとっていい栄養になるわけ。

 

 

Q. 退院後に洗顔剤は使えるか。

A. その時のあなたの皮膚の状態によると思う。

症状がよくなってきたら、今は出ていない皮脂が出る。

乾燥している状態は石鹸などで洗うと、皮膚をしばしば悪くする。

だがもし、皮脂が出てくるならば、石鹸を使って皮脂を半分落とすことはいいだろう。

皮脂を全部落としてしまうのはよくないけれど、少し落とすことで気持ちがいいならば。

ばい菌なども皮脂のところにいるので、

それを取れば感染を起こしにくくなるだろうから。

あなたが退院する時に、頬や額の皮膚が

皮脂を出しているかどうかによって対処方法が異なるはず。

皮脂が出ていない今の状態なら、石鹸を使わないほうが安全だ。

 

 

Q. ステロイド離脱をすると日焼けをしやすくないか。

A. ビタミンDがきちんと生成出来ればいいということなので、

積極的に長時間の日焼けをするべきではない。

時間や季節にももちろんよるが、顔であれば15分間程度太陽の光を浴びれば、

ビタミンDの必要量を作るのに十分だという話もある。

もともと、脱ステをしている人は皮膚の炎症で肌色が黒っぽくなっている。

黒という色はいちばん光を吸収するから、炎症を起こしやすいとは言える。

色黒になっている分、色白な人に比べて紫外線を吸収しやすいので、

炎症は起こしやすいということ。

夏に女性がよく黒い長い日焼け止めのアームカバーをしているけれど、

あれは私にとっては「なんでわざわざ黒いカバーをしているのかなあ」と謎だ。

黒い色で光を吸収して、わざわざ暑くしていることになる。

白い色のカバーでも、繊維が緻密であれば光を遮断する。

白い色は光をよく反射するから少し涼しくなる。

黒いのは熱を吸収してわざわざ暑くなるようにしているだけだからね。

 

 

Q. 退院してから再悪化することがあるというのはどういうことか。

A. 退院したら2/3くらいの患者はちょっと悪くなるというのは、それは事実。

原因はよくわからない。確かに、単に場所が変わるだけでも悪化する人はいるようだ。

ただ、はっきりわかっているのは、退院後には

毎日診察してもらえない不安というはあるだろうから、

それは理由としてはかなり大きいのかもしれない。

もちろん、人によって季節的な理由などはある。

それでも、入院中に得たことを落ちついてやっていくしかない。

みんな、入院と同じようにしているつもりでも、実際には出来ていないのだと思う。

一番は、水の問題。

たとえば、食事に含まれる水分量は入院しているとカロリー数に7割から8割をかけた量になる。

ところが、家に帰ると、たとえば食事に鍋物を選ぶと、水分も塩分も多い。

食事による水分摂取量が増えているのに、飲水量を変えないでいたら

水分摂取量は多くなってしまう。

体に入る水分のルートを全部考えないといけない。

 

 

Q. 食べ物や飲み物で避けるべきものはあるか。

A. 特にあるわけではない。

その人にとって特別にじんましんなどが起きるとか、

アナフィラキシーを起こすようなものがあるならば、それはやめた方がもちろんいい。

そうではないならば、特に意識する必要はない。

何かを食べたらよくなるということもないし、何かを食べないとよくならないということもない

バランスよく摂取していたら問題はない

ただ、脱ステして症状がひどく、滲出液がたくさん出て、瘡蓋がたくさん出るような時には、

血液のなかからタンパク質や脂肪がものすごく大量に漏れるので、

これらをきちんとをとらないと、治すための材料がない

 

 

Q. 完治した例はあるのか。見た目も健常者と変わらず、水分制限もしないですむ患者はいるのか。

A. 私もそうや。むかしはアトピー性皮膚炎の症状があったもん。

もちろん、「完治」とはなにかを定義づける必要がある。

遺伝的な意味であれば、遺伝情報は残る。

けれど、症状としての「完治」であれば、

症状がまったく起こらなくなることはある。

だから、自分は治っても遺伝的に残る可能性があるから、

子供が発症することはある。

けれど、その悪い遺伝子が多く子供に伝わらなかったら、

子供も発症しないこともある。

 

 

                                          2019.07.05『とまり木』より

 

 

**********************

 

 

いかがでしたか?

本当にためになるお話で、ありがたいですね。

 

退院後の悪化の話もありましたが、

私も退院後にいきなり大悪化した経験があります。

歴史に残りそうな重症 (笑) で入院してから、

誰が見ても普通の人、というレベルにまで治って

意気揚々と大阪空港を飛び立ったのですが、

東京の自宅について数時間、見る見る間に悪化が始まり、

翌日には重症と言っていいくらいになりました。

話には聞いていたものの、(あれれ~?なんで~?)でした。(笑)

あっという間ですから、水分量や食べ物などの影響を受けるほどのはずもありません。

私の性格ですから、落ち込んだり不安になったり、といった

心の不安要素もゼロと断言できます。

ずっと上機嫌でしたから。

私の場合は、変わったのは環境だけ

人それぞれとはいえ、

それだけ、私たちの体は環境に対して繊細だと言えると思います。

 

ただし!😌

付け足しておきますが、

相当な大悪化をしましたが、

脱保湿のやり方を病院で徹底的に教わってきましたので、

大丈夫なんとかなる♪」と、気楽に考え、

病院でのやり方を徹底的に繰り返しました。

それだけで、そのひどい症状は一か月後には見事に消えました

異例の速さだと思います。

 

学んでしまえば怖くありません

この先何が起ころうと!

 

(悪化したらどうしよう・・・。)

なんて、起こってもいないことに落ち込んだり悩んだりしないでくださいね。

大丈夫。あなたの知識が、あなたを救ってくれます。

 

 

今日も素晴らしい一日を!

 

 

 

 

 👇 脱保湿は徹底的に勉強してから取り組んでくださいね。

『脱ステ・超お役立ち情報』が検索しやすくなりましたよ♪

 

 

 

NMT Super Helpful Information From Dr. Kenji Sato’s Patient Meeting – No. 7 (About Ooze)

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Dr. Kenji Sato who is the advocate of NMT (No Moisturizing Treatmentprovides detailed information during his classes for inpatients at Hannan Chuo Hospital department of dermatology, Osaka Japan and releases it on the website.

This time….Ta-da!!!  I can provide the information regardingOOZE‘ from the class

I know you really want to know about it because it is one of the worst symptoms of TSW and at the top of the discomfort index, isn’t it?

Ok, you can’t wait anymore……Here we go! 

 

                    *********************

 

About Ooze (Exudate)

 

A patient asked, When ooze comes out, I feel like the poison comes out from my body so I wipe it offIs that ok?”

 

      👉 ”No, that is the opposite of a fundamental rule of NMTDo not wipe the ooze off.”

                 👇 The purpose of ooze is to fix wounds 👇

  • A lot of protein is contained in ooze and it can act like a lid that both covers and protects the wounds at the same time.

 

 

There are 2 types of exudate.  

         ☆  THICK OOZE  👇

       High concentration of proteins.  The liquid solidifies in a dome shape  

          ☆  WATERY OOZE  👇

     Dangerous condition due to low protein content.  It flows more frequently.

 

 

It is not good to wipe with tissue papers!

   Various chemicals dissolve into the skin and they make the wound worse.

            (There are many chemicals in the tissue paper.)

 

Then what should we do?

           👇 👇 👇 👇 👇

  • Apply a piece of gauze on the oozing part.   (The purpose is to make an artificial scab.  For details, please read How to get over Topical Steroid Withdrawal asap! )
  • The scab should be left without doing anything.
  • Leave the gauze on as long as possible.  (Never more than one week! )

 

 ●When you remove the gauze or when the gauze is peeled off, some scabs might accidentally come off with the gauze. 

Your decision about re-applying gauze will be based on whether there is still ooze or rather if the wounds is moist with sweat.

If it is sweat, you don’t need to apply the gauze anymore.

You can tell if it is ooze or sweat with the color of the liquid.

 

 ●The gauze is more likely to come off when it is on joints or moving parts like groin, armpits, etc….

So when on such body parts, apply a piece of gauze on first, then put on a smaller size of underwear and under shirt. 

They will stabilize the gauze.  (If it is not necessary, NMT recommends loose outfits for air-drying the skin.)

 

 ●Before you apply new gauze, you should wash it with water and then dry because the gauze is sterilized with antiseptic solution

If the gauze is used as it is, the skin may react to the disinfectant.  Also, washed gauze with water may be a little hard (as you washed clothes without fabric softener) so squeeze or crumple to soften before use.

 

 

                    *********************

 

How do you like this advice?  Don’t you think Dr. Sato’s explanation is extremely helpful?

Yes, it also helped me SO much!

WELL, THE NEXT SECTION IS ON Q & A FROM INPATIENTS TO DR. SATO

‘Q & A’ is not only about NMT but other sickness, life style, etc…also usually.

With his extensive knowledge and vast experience of skin problems, he always answers any question immediately but his knowledge is not limited to skin problems!  So amazing always!

 

Well, EVERYBODY, COME ON TOGETHER! 

“Tell me about NMT, Dr. Satoooooooo!!!!”  \(^o^)/

 

 

                    *********************

 

 

Q & A FROM INPATIENTS WITH DR. SATO

 

 

Q.  If you are stopping the use of TS or NMT (if you don’t do them at the same time), which one do you prioritize?

A.  I start with No Moisturizing Treatment and then stop the use of Topical Steroids because while you are applying the steroids, you don’t get as much inflammation.

 

Q.  What is the difference between sufferers who get ooze and those who don’t get it?

A.  It depends on if the skin is scraped or not.

 

Q.  During infections, why doesn’t ooze stop?

A.  Because the bacteria is hurting lower, underneath layer of the skin.  (It has pus at the same time.)

 

Q.  While the scabs are tightly attached, can it be more difficult to get infections?

A.  Exactly.  Because if there is bacteria, ooze comes out and scabs come off.

 

Q.  Do you happen to know the representative example of external medicine that hides the presence of steroids?

A.  There are many in TCM (Traditional Chinese Medicine).  Not only TCM but ordinary therapy (medicine) often has the same issue.  If you get well immediately when using topical medicine, you should seriously question it.

 

Q.  I know the sauna can be a moisturizer but what about ‘Hot Yoga’? 

(**Hot Yoga is practiced in a room temperature around 39 degrees and 60 % humidity that makes your body the most flexible and encourages sweating.) 

A.  Of course, it can be a moisturizer.  However, some of patients with atopic dermatitis patients can not sweat adequately.

If you limited the sauna for the purpose of facilitating sweating and then evaluated it by your skin’s reaction, it is ok.

 

Q.  What is the cause of hives (urticaria) ?

A.  When histamine is released from mast cells, fluid leaks from blood vessels.

Most of the causes of chronic urticaria are unknown.

ACUTE URTICARIA  👇

  • For example, bluefish tends to develop a substance that can easily cause urticaria if time passes.  

CHRONIC URTICARIA  👇 

  • The cause is not well understood.
  • It is easy to get urticaria when you are in poor health. 
  • Environmental changes may have some impact.

     Caffeine can also cause urticaria.  Chocolates are not as bad as coffee.

 

                       Dr. SATO’S CLASS ON Apr. 26 2019 

 

 

     ****************

 

 

Everyone, did you learn a lot from this?

There are still many things we do not know, aren’t there?  Indeed, Dr. Sato’s information is amazing.

Anyway, I hope you feel thankful that we can get such helpful information at home by way of the patients’ meeting.

We tend to feel worried about our symptoms but we can get such GREAT information lying on the sofa by just opening cell phones or PCs….We have to realize that we live in such good time for learning.

 

Do you notice this?  Surely we have a better life than the Kings of old times.

They didn’t have an AC or TV or Computers and so on…and even worse, they needed to always protect their lives.

 

Let’s overcome this agony with full of appreciation.  Look around and see how many things that you can feel grateful for.

You are NOT alone…  Wishing your healing happens soon.

 

 

Have a GREAT day!

 

 

Written and translated by Tokuko Abfab

Edited by Marlene Diana Belle

 

 

Japanese Version  👇 CLICK HERE! 👇  日本語版はこちら。

脱ステ・超お役立ち情報 ー その7(浸出液)

 

 

 

 

#Tokuko’s Room To Feel Uplifted  #tokukosroomtofeeluplifted  #NMT  #No Moisturizing Treatment  #topicalsteroids  #steroids  #topicalsteroidwithdrawal  #atopicdermatitis

脱ステ・超お役立ち情報 ― その10

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阪南中央病院皮膚科(大阪)の佐藤健二先生と入院患者さんの

学習会情報がアップデートされましたよ♪

いつも、入院中の患者さんが書記をしてくださるのですが、

今回も佐藤先生の魅惑の大阪弁炸裂バージョンですよー。

(書記さん、グッジョ~~~~ブ!)

先生の味のあるお話しぶりが、読者さんにも伝わることと思います。

 

今回は、保湿について 、

と~~~~ってもためになるお話をしてくださってますよ。

しっかり読み込んでくださいね。

 

では、いつものように、みなさんご一緒に~。

「教えて♪ 佐藤センセ~~~イ~~~~♪」

 

 

**********************

 

ステロイド使った後での保湿の問題と

保湿をすることの一般の問題

 

 

特によくあるのはね、女性は毎日化粧をするでしょ。

おそらく経験しはったと思いますけど、

連休があった場合に外に出て行く機会がないとしたら

化粧をしなくなることがある。

そうすると白い粉を吹く。

化粧を止めるとおかしな事になってくる

それを化粧して保湿すればまた治ることが出来る・・・そう言うのは軽~い保湿依存である訳やね。

だからこないだも話ししたけど、「赤ちゃんの時から保湿をしてアトピーの発生を防ぎましょう。」

というのは良くないということの一つの根拠やと思うんですよ。

 

で、保湿と言うのは全く駄目なのかと言うと、

普段健康な人やったら、別になにもそんな化粧もする事は必要ではないと思うけど、

そらまぁ女性の好みがあるからね、それは仕方のないことやからね。

だからその話しは別にしといて、

アトピーの人にとってその保湿と言うのはええのか悪いのかの話しをすると、

特に赤ちゃんの場合に、生まれた時から連続で塗る必要はないけれども、

肌が乾燥してカサカサになって、ワセリンなんかをさっと塗ってやったら

ピタッと止まることがある

例えばお年寄りなんかでね、皮脂欠乏性湿疹なんかがあります。

膝から下が油があんまり出なくて、物凄く乾燥していてボリボリ掻く・・・と言う病気があるんだけれども、

普通皮膚科の医者は、ステロイドをパッと出すんだけれどもね、

ワセリンぐらい出すだけで、それでもかなりの人が痒みがなくなってしまいます

だから乾燥状態に対しては保湿をする事で痒みが止まるんだったとしたら

それは非常に良い治療法になります

ステロイドなんかを使わんと出来る訳やから、塗って痒みが止まったらそれで止めれば良い訳やからね。

また暫くして痒みが起こってきたらチョッチョッと塗れば良い、と言う、

全く連続でする必要もないし、間欠的やから皮膚の状態もそないにおかしくならない

 

私なんかも実際あの皮脂欠乏性湿疹おこるからね、

こういうふうになったら時々ちょっちょっと塗ると

痒みがポーンと止まって数日間は大丈夫になる。

何日か経ったらまたあかんみたいやけど、それぐらいの経過でやる事だったら

赤ちゃんに関してもそれほど問題にならないと思っているので、

まずはそう言う治療法をするとことが良い治療だと思います。

 

ところが、こっから先はアトピーでステロイドを使った人との関係の話になるんやけども。

私が常に言っているのは、保湿依存症があると言っているけども、

それはアトピー性皮膚炎でステロイドを使った人に対して起こる、と言っている。

一般に、普通の人がごくごく軽いものなどで化粧した場合でも、

軽い依存症やと思うけど、やっぱりね、塗ったら白い粉が出なくなる。

そやけどステロイドを使った後での保湿を止める時も、強烈な離脱症状が出るからね。

やっぱちょっと質の違うものやと思う。

ステロイドを使っている人が保湿をしたらちょっと楽になると言う論文を書いてたから

保湿はいいんだ、と一生懸命(皮膚科学会の)ガイドラインでは言ってるんだけど。

ステロイドを止める時には

保湿を止めないとよくなってはこない

それを忘れたらあかんと言うこと。

 

だから、あるひとりの人間が、ステロイドを使った肌なのか、

それがまったくない肌なのか、と言うことによって

保湿と言うのはいい と言うのと、非常に悪い 言うのと、

物凄く分かれてしまうと言う事がある。

なかなかこれは理解されにくいんだけれども、

それをちゃんとわかった上で治療に進まないと失敗する事がある。

 

入院してよくなった人でも

家に帰って次の年の冬になんかなってくると、

非常に寒くなってカサカサになるので

まぁちょっとぐらい(保湿を)やってもいいかな

と思ってやりだすと、

ドカッと真っ赤になってまた入院せんといかん・・・

となった事がたびたびあります。

だから、しんどいけれど、やっぱり寒い状態でカサカサで痒くても

保湿は出来るだけしないでなんとか別の方法で痒みを減らし

自分の状態を良くすると言う事を考えていかんとあかん、

出来るだけ自分の油が出るような事をせんといかん。

だから運動なんかをして、汗かいたやつを水だけ蒸発さして後は残しておく

というような事をする、などが一つの方法かなと思う。

まぁ、そういうことがあるということを頭に置いて、治療に向かってほしい。

と言う事が今日の私の話しです。

 

 

**********************

 

 

入院患者さんから佐藤先生への質問

 

Q.  冬の保湿の件なんですけど、今の季節なら汗をかきますが、

水に軽く濡らしたタオルで軽く拭いてもいいのか、

それとも乾いたタオルで拭いた方がいいのかがありますか?

A.   それはある程度好みの問題かもしれんな、いや~乾いたタオルやと痛い感じもあるからなぁ。

 

Q.  運動終わった後、ヌルッとしていて汗で痒い時があるんですけど?

あと、走った後に、痛いとかピリピリする事がある。

A.  それは汗の中に保湿成分や塩分があるから、それによる刺激なんかがあると痒くなる。

 

Q.  運動時の服は速乾素材を使用した服の方がいいのか?

A.  そういう速乾素材は、風が無かったらあかんらしいです。

スポーツマンが実際に試合や練習をしている時にかなり動くでしょ?

必ずそうすると風がよく入って蒸発する構造になってるらしいです。

一般の人が何もしない時にそれを着ていると、かなり暑くなるかも知れない。

そうなると綿なんかならずっと湿ったままになるでしょ。

それと同じ状態になるかもしれない。

化学繊維の場合は、いろんな化合物が入ったりして、

それによるかぶれなんかもおこるかもしれない。

確率はそんなに高くはないと思うけど、実際使ってみてどうなのか・・・と思うんですけど。

 

Q.  入浴についてなんですが、入院中はシャワーをさっと浴びて時間は短く、

と指導を受けていますが、退院してから湯船に浸かるのはいつ頃からが良いですかね?

A.  それはやってみて、入っている時間をちゃんと見とけばええだけで、

チャポンと浸かって、スッと出るだけでも相当綺麗になるんやけど。

ただ気持ちよくなろうとしたら長いこと入っとかんといかんけど、

そうするとかなり保湿が続いてる状態になるので

その状態を続けることによって悪くなる事もあり得る。

ただ、それは自分で試していくしかない。

 

Q.  入浴の入るタイミングはあります?

夕食前後がいいのか、朝がいいのか? 夜寝る前が良いのか?

いつが先生はベストだと思います?

A.  それは検討した事がないです。その人の好みかな。

ただ浸出液が出てる時は入らない方がいい。

あるいはそこを濡らさない方がいい。特に子供に関して言える。

 

Q.  自宅では塩素抜きのシャワーヘッドに替えていたのですが、

病院では塩素有りなので痛くてしみると結構思ってたんですが、何か関係あるのですか?

A.  関係ないです。

 

Q.  水分摂取なのですが、入院中は必ず決まった時間に食事も取れて

最後の水分摂取の時間は夕方の6時以降はなるべく控える事が出来てますが、

外泊で一時帰宅した際に、夕食の時間などかなりずれてしまいますので、

先生的には何時ぐらいまでがより安全かな、というのがありますか?

A.  寝る時間に関係していて、寝る時間の4時間前がいいんではないかな、と。

ちゃんと調べた事は無いですか、それぐらいあれば

かなりオシッコの中に出て行く時間があるのかなと思います。

 

Q.  水分制限は一生続けた方がいいんですか?

A.  もちろんそうです。

 

Q.  浸出液が出ている場合は、ガーゼを当てて仮のかさぶたを作る以外の方法はありますか?

A.  ありません。

 

Q.  プロトピック軟膏を使用しているのですが、プロトピックも脱プロトピックが必要になりますか?

A.  必要になります。以前に調べた脱ステの入院期間やけど、

ステロイドとプロトピック軟膏の両者を使用した人の方が治りが遅くなる。

(5日ほど、ただし統計学的には有意差なし。

皮膚の状態を表すLDHに関しては、明らかに遅く、統計学的にも有意差有り。)

それと、プロトピック軟膏の方がステロイドより悪いと私は思います。

治るのが遅くなるという事もあるし、もう一つ発ガン性がやっぱり問題になる。

免疫抑制剤やからね。

腎臓移植した人が免疫を抑える為の飲み薬を塗ってるだけだからね、

強烈なもんやと思うで。

飲んだ場合の皮膚にくる濃度と、直接塗った時の濃度としたら

直接塗る方が恐らく相当高いと思うで。

血液中の濃度は普通の体のステロイド量の百倍ぐらいにはなると思います。

発がんは皮膚癌もあるしリンパ腫も考えられる。

 

Q.   症状のちがいはあります?顔にステロイドを塗ってた人とプロトピックを塗ってた人の。

A.   プロトピックを使用すると赤みが抑えられるが、それでも抑えきれないのはかなりある。

だいたいリンデロンと同じ強さなので、炎症を抑えると言う意味では

ステロイドのランクに入れたら上から3番目の強さになる。

 

Q.   日焼けサロンで日焼けをすると痒みがなくなると思うのですが、当てはまりますか?

A.  すべての人にとって当てはまらないけど、現象としては間違いなくあるね。

アトピーの治療以外では取り入れられています。

ただアトピーの人に関しても、紫外線、特にソラレンとかやると発がんする可能性もある。

 

 

                    2019.06.14『とまり木』より

 

**********************

 

 

みなさん、いかがでしたか?

今日も、またまたすっごい学ばせて頂きましたね~。

知ることって、大事です。

たくさん学んで、一日も早くよくなってくださいね。

 

今日も素晴らしい一日を!

 

 

 

 

 

 

 

脱ステ・超お役立ち情報 - その9

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脱ステ・脱保湿をがんばっている皆さん♪

阪南中央病院皮膚科の佐藤健二先生と入院患者さんの学習会情報がアップデートされましたよ。

本当に役に立つ、必要な知識がいっぱいです。

今回は、経皮感査についてのお話を詳しくしてくれていますよ。

 

さあ、今日もみなさんご一緒に~~~♪

「教えて~~~~!佐藤センセイ~~~♪」

 

**********************

 

 

経皮感作について

 

経皮感作とは皮膚を通してアレルギーの発症をするということ。

昔は食物アレルギーが起こるのは、食物が消化管に入ってそこから起こると考えられていたが、

最近『茶のしずく事件』のように小麦成分を石鹸の中に混ぜて体を洗っていると

アレルギーが起こってしまったということがあり、

皮膚を通して感作が起こったんだろうという事が一大トピックとなった。

 

 

経皮感作がおこることとアトピーの関係

 

アトピーは、皮膚に傷があるからおこりやすいのではないか?” という疑問から、

皮膚に軟膏やステロイドを塗ったら感作が減るのかどうか?

 

『茶のしずく事件』について

アトピーは増えるのか?という疑問

登録されていた患者1800人の内、10%がアトピーに。

(これは、一般人口中のアトピーの比率と同じ)

 

脱ステ、脱保湿派を否定するために

ステロイドや軟膏を塗ってよくなったという事実を探すが、

結論的にアトピーだから経皮感作が増えているとは言えなかった。

 

   *****

徳子解説:上記はメモ形式になっているので、ここで説明を加えますね。

小麦成分の入った石鹸を使っていた一般の方に

アレルギーがたくさん起きたという事件から、

皮膚を通してアレルギーが起こるのがわかりました。

しかし、その際アレルギーが起こった比率は、

一般人口のアレルギーの起こる比率と同じだったようです。

ステロイド推奨派の考え方では、ステロイドを塗っていると

皮膚表面の傷からアレルギーが発症するのが抑えられる、という主張のようですが、

アトピーで皮膚に傷があるからアレルギーになりやすいのではなく、

傷がない人も同じだけなっているということは、

ステロイドなどを塗っていれば皮膚からのアレルギーが減る、とは言えない、

というお話をされたと思います。

 

   *****

 

 

経皮感作を起こさないためにステロイド保湿剤を塗ることで

減らすことが出来たかどうかという点について実際のデータを見ながら説明する

 

 

両親がアトピーの赤ちゃんの顔に毎日保湿剤を塗るグループと

全く塗らないグループに分けアトピーになるかどうかという研究について (羽曳野の研究)

                   
67名のうち、毎日保湿剤を塗る赤ちゃん35名と、塗らない赤ちゃん32名

アトピーになったのはどちらが多い??? 👇

 

結果、前者は5名、後者は6名で、有意差なし。

***保湿剤を塗ったからアトピーになりやすいなりにくいとは言えない

 

 

 

その後それぞれに(卵・牛乳・小麦の)アレルギー検査(プリックテスト)を行う

                    
67名のうち、毎日保湿剤を塗る赤ちゃん35名と、塗らない赤ちゃん32名に分けて検査。

陽性になった赤ちゃんは??? 👇
        

***結果、塗らない方が感作が少なかった

 

 

 

保湿をしたらアトピーが減るのか? (国立成育医療センターのデータ)

                               
118名のうち、(8ヶ月)毎日保湿剤を ’全身に’ 塗るグループ59名と、何もしないグループ59名

アトピーになったのは??? 👇           

 

 

***9名の違いが拡大解釈されて、「塗ったらアトピーにならないので保湿しましょう」と宣伝している

 

8ヶ月間も毎日産まれてすぐの赤ちゃんに全身薬を塗りまくることが許されることなのか?

ずっと保湿するという影響がどんなものか考えるのに一番簡単な例えが女性の化粧で、

休みの日に化粧をしないと肌がガサガサになる。

それが恐らく赤ちゃんにも同じことが起こる。

 

 

毎日保湿するグループ保湿しないグループに卵アレルギーの検査を行う

結果、差がなかった。

***毎日保湿しても経皮感作については効果がないということ。

 

 

早くから食物を食べたほうがアレルギーが起こりにくいか

(国立成育医療センターのデータ)

 

イギリスでピーナツで実験

***早くから食べた方がピーナツアレルギーを起こす率が圧倒的に低い👇

10分の1!!!

 

 

日本で卵で実験(8ヶ月間)
                    
121名のうち、卵を食べさせる60名と、食べさせない61名で実験。

卵アレルギーが起きたのは??? 👇

 

 

***結果、早くから食べさせる方がいい

 

両グループ共、ステロイドを塗っており、ステロイドの治療をしたところでアレルギーは起こる。

***ステロイド保湿で経皮感作を抑えようとしても実際は出来ない

脱ステロイド、脱保湿を否定するために言っている。

 

 

健康な子アトピーの子の色々な食物(20種類くらいで調べる)に対する感作の率

 

その中で双方の有意差があったのは唯一卵白のみ

有意差はないが健康な人の方が率が高いものもあった(豚肉など)

『アトピーだから』というのはおかしい。

普通の人でも起こっていること。

『アトピーだから』というのはある一定の目的のもとに何か考えて言われていることで、

そういう説は2~3年でどこかに消えるだろう。

 

 

**********************

 

 

入院患者さんから佐藤先生への質問

 

Q.  「かんさ」はどういう漢字?

A.  「感作」。アレルギーが起こる、という意味。

 

Q.  実験は元々統計学的に満たされる人数で行うのか?

A.  100名くらいいればできる。

そこから少なくなると、統計学的な精密度は落ちてくる。

 

Q.  入院が複数回の方と単回で済む方との違いは?

A.  統計学的に調べたことはない。再入院された方に理由を聞くと、

やらなければならないことをしていないか、

やってはいけないことをしているかが多い。

ただそれには、ある程度の理由があり、

例えば仕事が接客や営業の場合は顔に白い粉がついていたら仕事に

ならないのでワセリンを塗ってしまう。

仕方がないと思うことはあるが、医学の理論的には間違いの治療である。

 

Q.  両親がアトピーと片親がアトピーを比べて、子どものアトピー発症率に差はあるのか?

 A.  差はある。

アトピー素因(アトピー性皮膚炎、

喘息、アレルギー性結膜炎等)が

あるのかどうかを調べたデータはある。

両親がアトピーの場合、生後2年の間に

75%がアトピー素因のどれかが出てくる。

片親がアトピーの場合50%になる。

しかしアトピーに関する遺伝子が子供に受け継がれた場合は、

両親がアトピーでない場合も子供が重症アトピーになることはある。

反対に両親が重症のアトピーであっても

子供にアトピーが起こらない場合ももちろんある。

 

Q.  早くから子供に卵等のアレルギーを起こしやすい食物を食べさせた方がいいとの事だが、

検査してアレルギーがある子に対していつから子供に食べさせたらいいのか?

A.  検査が陽性だということと、食物アレルギーがあるということは全くの別物である。

したがって検査が陽性だということは除外して考えた方がよい。

少しずつ食べさせて体に慣れさせてくと、段々アレルギーが起こらなくなるということは頻繁にある。

食物アレルギーというのは、食べて蕁麻疹が起こるとかショックが起こるとかを指すのであって、

ある特定の食物に対する抗体があることを示す。RAST検査で陽性だからといって、

食物アレルギーがあることを示すものではない。

 

Q.  食物を食べても反応が起こらなくなるというのは体が慣れたということか

A.  子どもの消化管は

十分に完成されたものではないので、

食物が血中へ入り、

抗体がつくられやすいということは考えられている。

もう1つは消化酵素に関することである。

アレルゲンはたんぱく質であり、

抗原になるにはアミノ酸が10個程度つながってないといけない。

子供は消化酵素の質や産生量が十分でないため、

子どもにIGE抗体が検出されやすいのかもしれない。、

 

Q.  アトピーは遺伝子に組み込まれているのか

A.  今のところ考えられているのは、アトピーというのは特定の遺伝子1つからなる病気ではなく、

複数の遺伝子が集まって起こる病気である。

現在分かっていることは、表皮にあるフィラグリンというたんぱく質の異常で表皮がガサガサになって、

痒みを引き起こしているということである。

複数の遺伝子が関係しているからこそ、悪化する理由も、乾燥、ストレス、季節等、多岐にわたっている。

 

Q.  今までグルテンフリー、糖質制限が

アトピーにいいと聞いてきたが効果はあるのか?

A.  甘いものを食べる類の話は、

全部IGEが上がることばかりを気にしている。

IGEがあるからアトピーが悪くなるわけではない。

皮膚が悪くなってはじめてIGEが高くなる。

つまり原因と結果が逆である。

基本的にはアトピーはアレルギーではないと考えている。

血中IGEの量の変化をみると、湿疹が良くなっても

IGEはほとんど変わらない(IGEは高いまま推移する)

つまり、IGEは体に対し「悪さをする」のではなくて、

「防御する」働きをもっているのではないかと思っている。

それはIGEが消化管の中で寄生虫に対して防御する効果を持つことからもわかる。

 

Q.  遥か昔はアトピー患者はこんなにたくさんいなかったと思っているのだが、

年々アトピー患者が増えている理由は?

A.  ステロイドを使うからである。

アトピー患者が増えているのではなくて、

ステロイドを使って治らないアトピー患者が増えている。

1974年のアトピー患者の年齢分布をみると、

若年者に多く高齢者になるに従って少なくなってきている。

ところが、1984年の年齢分布をみると、

若年者と30代にピークが現れ(2峰性)高齢になるに従い減少している。

2007~2008年の日本皮膚科学会のデータによると

成人のところがポコんと高くなっている。

このことから、アトピー患者が増えているというのは、

ステロイドを使って悪くなった人が増えているというだけの話である。

ステロイドを使ったら依存性ができるので止めれなくなって、

いつまでたってもアトピー患者として治療され続けているということである。

日本皮膚科学会は、アトピー患者が成人で増えている理由を考えない。

なぜならその話をするとステロイドの事が問題になるからである。

世界中でステロイドで悪化した人がたくさんいる。

徳子さんのブログ💛 筆者より・ハートマークでは、

英語、スペイン語、中国語に翻訳され、世界中からアクセスがある。

(徳子:フランス語、オランダ語、ポーランド語もサポーターのみなさんが

チームを作って作業中ですよ。)

ステロイドで悪化した人は、

自分たちがステロイドが原因でこんなに苦しい経験をしたということを、

インターネットで発信し、世間、世界へ知らせないといけない義務があると思う。

 

Q.  アトピー患者のうち、ステロイドが効かない人は1/10の割合で存在している、

と聞いたことがあるが、実際はどうなのか?

A.  アトピーを発症する人は人口の20%程度であり、

そのうち半分(10%)が医療機関で治療を受ける。

その治療をした人のうち1/10(つまり人口の1/100)が悪くなって残っている。

現在の標準的な治療法が、皮疹が少ししか出ていないのに

(薬を)全身に塗ったり、1日2回塗ったりする。

これにより皮膚で産生されるステロイドがつくられなくなる。

 

                                                             2019.05.31『とまり木』より

 

 

**********************

 

 

いかがでしたか?

私たち、またまた賢くなれましたね。

そして、それは、また一歩、よくなる日に近づいているということ。

こんなためになる情報を無償で公開してくださる佐藤健二先生、

そして、その為に尽力してくださる患者さんたち・・・・

ありがたいことばかりです。

 

感謝の温かい気持ちを胸に、日々を乗り越えてみてくださいね。

 

今日も素晴らしい一日を!

 

 

 

 

 

脱ステ・超お役立ち情報 - その8

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阪南中央病院皮膚科では、佐藤健二先生が、外来と入院患者を診終わられてから、

お疲れでも、夜間に入院患者のために学習会を開いてお話をしてくださることがあります。

そして、その内容がいつも素晴らしいので、

入院患者さんたちが必死にノートをとり、公開してくださっています。

 

今回は巷でよく聞くプロアクティブ治療についての先生のお考えです。

今回の書記さんは、佐藤先生の大阪弁の神髄をも再現してくださっています。(笑)

カッコイイですね。

せっかくですので、そのまま公開させていただきます。

とっても深い、素晴らしいお話です。

(話し言葉の筆記ですので、多少加筆しておりますこと、ご了承ください。)

 

**********************

 

 

プロアクティブ治療について

 

プロアクティブいうたら、ニキビの治療の薬の名前なんですけども、

アトピーの時には、プロアクティブ治療というのは全然違う意味で、

悪くなる前に前もって予防的に薬を塗るという方法を示したものなんですわ。

 

実際にどういうことをするかというと、

一番最初の時に毎日かなり強い薬を塗って、炎症を治めてしまう。

で、炎症が治まった段階で、その後、1日おきとか2日おきとか

だんだん間を空けていくということなんだけれども、

悪くなったら困るので、1日おきなんかで、塗るでしょ。

それでちょっといいかなと思ったら、今度2日おきとかに塗っていく。

悪くなったら、その時は塗るんだけれど、

例えば3日間空けて塗ると悪くなるということだとしたら、

2日空けるしかないということで、それでしばらく行くわけよね。

もうだいじょうぶかなと思ったら、3日空けて、それでいけたら、しばらくいく・・・という。

それでも大丈夫だったら、4日空けてという具合に、順番にずっと減らしていこうということで。

 

まあ、できるだけ塗る回数を少なくして

薬代も少なくして、という発想でやっているんだけれども、

その発想自体はそんな悪いわけじゃないわけよ。

 

ただ、そのプロアクティブ治療というのを、かなり客観的に見た場合に、いろんな問題点がある。

例えば、この中で、一日塗るのをやめたら、ドカッと悪くなった人がいてたでしょ?

となると、ずーっと塗らないとしゃあないということになるわけよ。

だからそっから先、まずね・・・

プロアクティブ治療というものを最初に言い出した人の論文にも出てるんやけれども、

やめようとしてやめられへんかった人は、まず、除くわけよ。

だから、めっちゃくちゃ重症の人は関係なくなってしまうわけ、プロアクティブの方から。

軽い人やったら、空けて塗っていけるというとこになるわけね。

 

で、それでちょっとずつ減らしていくというのはええけども、

そしたら、いつ辞めるのかというのが問題になるわけね、患者にとってみたら。

悪くならないために前もって塗るというわけやから、

いつまでたってもやめるということができへんわけよ。

悪くなったら塗らないかんと思ったら、悪くなる前に塗っとこうというわけだから、

だから、いつ辞めることができるかということがわからんので、

いつまでたってもずーっとやるということになるわけや。

 

で、そこで・・・。

ステロイドをやめる場合に、

いっぺんにポーンとやめてしまうというやり方を入院したらしてるけども、

外来の場合は、そういうやり方はしないわけよ。

その時にどんなやり方をするかいうたら、やっぱ同じようなやり方するわけ。

ちょっとずつ間を空けていくの。

 

ところが、そのプロアクティブ治療と

私がやっているステロイドをやめるための塗り方というのは、何が違うかというのを理解しようと思ったら、

一つは、一番重要なことは、前にもちょっというたことあるけれども、

(副腎皮質のステロイドを作る臓器は、みんな副腎やと思うとるでしょ、それはみんな知ってるんやろね?)

ステロイドを作る臓器は人間の体の中で腎臓の上にある副腎やということ。

で、副腎だけなのかいうことが問題なの。

で、前に言うたけれども、人間の皮膚もステロイドを作るんです。

だからステロイドを作る臓器は二つあるの。

 

内服したり点滴したりして、ステロイドが副腎に行ったら

副腎でステロイドを作るというのを抑制するからね、

膠原病の人だったら、内服を相当長期にするので、副腎でもステロイドが作られなくなるので、

やめることができないから、ずーっと薬飲み続けることになるわけね。

そやけども、皮膚の場合は、どうなるかということ、これもね、

やっぱり同じようにステロイドをつけると、副腎で作られなくなるのと同じように、

(皮膚でも)作られなくなってくるはずなんよ。

だから、ステロイドをやめたとき、どかっと悪くなるわけでね。

 

ところが、塗るのをやめて悪くなるという状態がなかったら

ステロイドを皮膚が作らないようになるわけよね。

作らなければならない炎症があるからこそ、ステロイドを作って行こうとするわけよね。

 

それでないと、その皮膚は良くなっていかないわけよ。

だから、ステロイドを塗りながらちょっとずつ減らしていく場合に、

絶対必要なのは、必ずある程度悪くさせるということが必要なわけ。

だから、塗り薬を塗って3日くらいに、3日に1回、4日に1回と空けて悪くなったら、

その時点で、悪くならないように必死に塗りましょうということではなくて、

それくらい起こるんだったら、その間隔で次はもうちょっとまた空けて塗りましょうかという、

そっちの方に移って行かないとあかんねんけども、

それをプロアクティブ治療はしないわけよ、炎症を起こさせようとしない

だから、皮膚が自分で(ステロイドを)作ろうとすることを抑制してしまうわけよね。

自分で(ステロイドを)作らせようとしたら炎症を起こさせんといかんから、

いったんは悪くなるくらいまで、やっぱり間を空けないとあかんということ。

そこの違いがあるわけよ。

それでやっていくと、だんだん間を空けていって悪くなって、

その皮膚がステロイドを作る能力が出てきたら何にもなしでも行けるようになる

そこの違いがわからないと、プロアクティブ治療というのに対する批判はできない。

 

重要なのは、ステロイドホルモンを作るのは、副腎だけやと思っとったけど、

実際は副腎だけじゃなくて皮膚でも作られている

で、皮膚にステロイドを塗ると皮膚がステロイドを作ることをさぼってしまうので

ステロイドを塗るのをやめたらどかっと悪くなる

そやけど、いったんステロイドを使っておって、

状態がステロイドを作らなくなっている人に、元のステロイドを作らせるためには

皮膚はやっぱり炎症を起こしてそこに、炎症というストレスを与えてやらないと

ステロイドを作ってこないということ

そこの違いをちゃんと分かっていておいて欲しいということ。

 

だから、ちょっと難しい話ではあるけれども、そういうことがわからないと、

あなた方が今後、変な医者にかかった時に、説明ができない。(笑)

まあ、変な医者にかからなくて済むように頑張って、よくなればいいんやけどね。

今日の話はそれだけです。

 

 

**********************

 

 

入院患者さんから佐藤先生への質問

 

 

Q,  ぜんそくの治療で吸入ステロイドを使っていたが、それもプロアクティブ治療か?

今後、ぜんそくの治療としては、そういう治療でない医師を探せばよいのか。

A.  それもプロアクティブ治療。ガイドラインではそうなっているので、

どこの医者に行っても同じではないか。

 

Q.  運動と水分制限は、退院しても続けないといけないのか?

A.  一生続けないといけない。

男の人はお酒に注意。ビールは95%水。焼酎のストレートなら水分は1/4。

ウイスキーストレートとかが水分の観点からは良い。

以前、退院祝いに飲んで、入院時と同じ状態になった人がいた。

病院では、食事の水分量が一定しているので、1500mlとかを守ればよいが、

家だと、食事によって食物中の水分が変化してしまう。

鍋とかは水分が多いので注意。

 

Q.  抗ヒスタミン剤の飲み方:

症状が出たらすぐに飲んだ方が良いのか、治まるのを我慢して待った方が良いのか?

A.  アトピーには抗ヒスタミン剤はあまり効かない。じんましんには効く。

薬は飲んでも効果が出るのに30分から1時間かかる。

すぐ飲んで治っているというよりは、時間で自然と治っている状態ではないか。

同じ薬は飲み続けると効かなくなってくることがある。

数種類を持っておき、ローテーションするなどするのが良いのではないか。

 

Q.  水分制限はそのままが良いのか?

A.  そのまま続けるべき。水分が多くなると皮膚が傷つきやすくなる。

夜は控えた方が良い。

 

Q.  消毒はしたほうが良いのか?

A.  病院でも、以前のように消毒はしない。

手術でも、手術後は清拭で洗浄するくらい。     

ばい菌を減らすための消毒はアトピーには効果がない。

 

Q.  水分と炎症の関連性について

A.  水分が多くなると炎症を起こす確率が高くなるが、

水分が炎症を起こしているわけではない。

炎症の原因は、いっぱいあり、よく話を聞かないと複雑でよくわからない。

日光の場合は、肌が外に出ているところだけに出るはず。

食べ物は炎症にあまり関係ない。

 

Q.  ステロイド内服に関して、血液検査で値が正常値になったが、元に戻ったと思ってよいか?

また、訓練の方法はあるか?

A.  強いストレスの時に、体がステロイドを高く出せるように戻っているかどうかが問題。

訓練としては、ストレスをかけるしかない気がする。

ATCHというホルモンを注射してコルチゾールをたくさんつくるかどうかという検査はあるが、

そういった検査は最近はやっていないようだ。

 

Q.  子どもの水分制限について

A.  小学生前は制限はしない。

 

Q.  運動の頻度は?また、歩く/走る以外の方法は?

A.  1週間に3回、120拍/分 x 30分を目安に。少なくとも週1日は休みは作ったほうが良い。

初めは筋トレよりも有酸素運動が良い。

踏み台昇降、ラジオ体操、縄跳び、入門としてストレッチ/ヨガ等。

 

                   

                2019.05.17『とまり木』より

 

 

**********************

 

今回も、とっても勉強になりましたね。

阪南の入院患者の皆さん、佐藤先生、いつもありがとうございます!

 

たくさん教わって、みなさんも早く良くなってくださいね。

 

 

今日も素晴らしい一日を!

 

 

 

 

 

脱ステ・超お役立ち情報 ー その7(浸出液)

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阪南中央病院・皮膚科(大阪)では、

入院患者さんと佐藤健二先生の学習会の内容を公開してくださっています。

今回のお役立ち情報は、なんとなんと!みなさんお悩みの浸出液です!

ステロイドをやめた後のリバウンドの中でも、不快指数上位に入る症状ですよね。

読んで、バッチリ理解してみてください。

 

浸出液について

 

滲出液が出ると毒が出て良いと思い患部を拭いてしまったりする。(いいのでしょうか???)

 

      ➡ 治療の原則と真逆

        滲出液は傷を治すためのもの たんぱく質が蓋をして保護する目的がある

 

 

浸出液は2パターン

 

  ☆ドロドロ ➡ たんぱく質の濃度が高い。ドーム状に液が固まる。 

  ☆さらさら ➡ タンパク質が少ないため、危険な状態。どんどん流れる。

 

 

浸出液をティッシュペーパーで拭いてしまうのはだめ!!

 

様々な化学物質がとけて皮膚に入ると傷を悪化させる

 (ティッシュにはたくさんの化学物質が含まれていますよ。)

 

 では、どうしたらいいか?

  👇

     ☆ガーゼを(一枚だけ)あてるようにするべき(人工的に瘡蓋をつくる目的。)

     ☆瘡蓋は何もせず放置

     ☆ガーゼはできるだけ長く置く最長一週間は置く)

 

     ●ガーゼををはがした時(はがれた時)に、一部の瘡蓋がガーゼと一緒に取れるが、

  皮膚に浸出液が出ているか、 汗で湿っているかで、再度ガーゼを使うべきか否かを判断する。

  (汗の場合は、ガーゼ不要。)

       ガーゼについた液体の色で汗か浸出液かを見分ける

 

  ●関節や動くところ(ガーゼが剥がれやすい場所)は、

    ガーゼを貼ってから小さいサイズの下着を着て固定させると良い。

 

   ●ガーゼは消毒液で滅菌されているので、そのまま使うと皮膚が消毒液に負けてしまうため、

        水で洗ってから使う

   干したガーゼは硬いため、よくもんで柔らかくしてから使う

 

 

*********************

 

いかがでしたか?この細やかな説明、素晴らしすぎますね?

さて、次は、Q & Aコーナーですよ。

さあ、皆さん、ご一緒に・・・

教えて!佐藤センセイ~~~~ ♪

 

 

 

入院患者さんから佐藤先生への質問

 

Q.  脱ステロイドと脱保湿はどちらを先にするか?

A.  脱保湿→ステロイド。ステロイドを塗っているうちは炎症が出ないため。

 

Q.  浸出液が出る人、出ない人の違いは?

A.  皮膚が削られているか、そうでないかの違い。

 

Q.  感染症で滲出液が止まらないのはなぜか?

A.  菌が皮膚の下の方まで痛めているから。(同時に膿も出ている)

 

Q.  瘡蓋がきっちりとくっついている間は感染症になりにくい?

A.  なりにくい。(感染症で菌がいると浸出液が出てきて、瘡蓋も取れるため)

 

Q.  ステロイドが入っているのを隠している外用薬の代表例は?

A.  非常に多いのは漢方。普通の治療でもよくある。使ってすぐに良くなるのは疑ってみるべき。

*某医院ではステロイド不使用をうたっていたが、弱いステロイドなら弊害はないと思い処方していた例がある。

 実際は普通のステロイドより濃度の高いデルモベートが入っていた。

 

Q.  サウナが保湿になるならホットヨガは保湿になるか?

A.  当然保湿にはなる。ただ、アトピーの人は汗が出にくい。

汗を出しやすくするという目的に限定し、自分で評価して行う分には良い。

 

Q.  蕁麻疹が出る理由は?

A.  皮膚の血管の中にある、肥満細胞からヒスタミンが出るときに、

血管から液体が漏れる。慢性蕁麻疹が起こる原因の大部分は不明です。

急性蕁麻疹 ➡ 例えば、青魚は時間を置くと蕁麻疹が出てきやすい物質ができる。

慢性蕁麻疹 ➡ 原因はよくわかっていない。

                                 体調が悪いと出やすい。

                                 環境の変化は、多少影響する可能性あり。

カフェインも蕁麻疹を起こす原因になりうる。チョコレートは珈琲ほどではない。

 

                       2019.04.26 『とまり木』より

 

     ****************

 

 

みなさん、いかがでしたでしょうか?

まだまだ知らないことがいっぱいあったりしますよね?さすが、阪南情報はスゴイですね。

こんな役立つ情報を自宅でゲットできるなんて、ありがたいことです。

 

症状に文句ばかり言いがちな私たちですが、お茶の間のソファーでひっくり返ったまま

携帯やパソコンを開いただけでいい情報が入ってくる・・・

そんないい時代に生きている私たち・・・・

きっとかつてのお殿様たちなんかよりもいい生活をしてるはずですよ。

 

感謝、感謝で今を乗り切ってくださいね。

 

今日も素晴らしい一日を!

 

 

  英語版はこちら。お友達に教えてあげてね。

   👇 クリックしてね 👇

NMT Super Helpful Information From Dr. Kenji Sato’s Patient Meeting – No. 7

 

 

 

 

 

#脱ステ #脱保湿 #ステロイド #リバウンド #浸出液

脱ステ・超お役立ち情報 ー その6

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このブログでは、阪南中央病院(大阪)での

佐藤健二先生と入院患者さんの学習会・『とまり木』の内容を時々ご紹介しています。

脱ステ・脱保湿を試みている方々に、とても役に立つ情報ばかりです。

先日行われた以下の内容も、

(あ・・・・。)(*_*)

と思われる患者さんがいっぱいかと思います。(笑)

机上で研究されただけの理論ではなく

患者さんに支持されている治療法です。

しっかり読んで、マスターしてくださいね。

 

***************

 

かさぶたと掻く動作について

 

かさぶたがあると見た目が気になって掻いてしまうことが多いが、

これはよくないことである。

何故ならばかさぶた下の皮膚を保護する役目があり、

自然に取れていくものである。

だからそれを無理やりとってしまうと、

いつまでたっても下の皮膚がよくならずかさぶたがついたままになってしまう。

 

特にかさぶたが取れるタイミングは痒みが強いが、

(かさぶたが取れる時は脳から

「古いかさぶたを取れ」とサインを出しているため)

自然に掻いてしまうのはしょうがないとしても、

なるべく掻きぐせをなくすように意識することが大切。

 

またカミソリで髭や体毛を剃るのは、

皮膚を一緒に削り取っているのでやめたほうがいい

電気シェーバーもそれに該当するので、

入院期間中は剃るのではなく伸びた髭を切るようにしたほうが良い。

 

 

掻くことはアトピーの皮膚にとって、

良いか悪いか

 

皮膚はケラチンというタンパク質の他、40種類があり、

また1群と2群に別れている。

場所や状態によって変わるが、それらが結びついて皮膚を形成している。

炎症が起こっている皮膚は正常ではない結び方をしており(粘膜型)、

正常の皮膚なるにはこれが変わって行く必要がある。

推測ではあるが正常なタンパク質に変わって行くために、

ボリボリ掻くことで異常なタンパク質を排出してる可能性もあり、

掻くことでよくない表皮細胞を取っている可能性もある。

 

 

入院患者さんから佐藤先生への質問

 

Q. 退院後のシャワーや湯船はどうすれば良いか?

A. 体の油が出来るだけ取れないような浴び方を、

自身の状態を考えながら入れば良い。

海に入る時も同様。

 

Q. リバウンドで炎症が起こった時の水分制限はどうすれば良いか?

A. 炎症が出ている時は水分もよくとんで行くので、

口の渇きなどから入る量を調整していけば良い。

 

Q. 退院後の再入院率について

A. 約10%程度だが、どこかで悪くなっている人もいると思われる。

基本的には再入院してる人は治りが早い印象がある。

それは運動や水分制限に慣れているからか、

皮膚の再生スピードが速くなったのかはわからない。

 

Q. よくなっても保湿や化粧をしても良いか

A. 保湿をしたら悪化するパターンが多いので、やらないほうが良い。

 

Q. デュピルマブ(デュピクセント)について

A. 近隣の病院のデータだが、

体には効くが、顔には効かないことが多いらしい。

また治験では痒みはさっと引くが、効かない人もいるらしく

何割かはステロイドに代替えというデータがある。

また副作用として結膜炎が起こりやすい。

免疫機構を途中でブロックする代物なので、使用する怖さはある。

 

 

                                                     2019.04.05 『とまり木』より

 

******************

 

こうして情報を公開して頂いていること、本当にありがたいですね。

佐藤先生、書記をしてくださった方、入院中のみなさん、

本当にありがとうございます。

 

デピュルマブに関しては、私も世界の患者さんから色々噂を聞きますが、

赤みにあまり効かないと言っている方が多いようです。

「脱保湿をやってみたら、そっちの方が断然よかった。」

という声も何度かお聞きしました。

これは私個人が聞いただけの話しですので、判断材料にはしないでくださいね。

 

「顔のカサブタが醜くて辛い・・・・。」

そう言って剥がすのがやめられないで悩んでいる方々がいます。

あるいは、

「カサブタは剥がさずにいられない・・・・。」

という習癖の方々もいます。(笑)

でも、選ぶのは2つにひとつ。

 

早く治りたいのか。あるいは、習癖を変えないのか

 

答えは簡単ですね?( *´艸`)

みなさん。あと少しですよ。

明るく、楽しく、乗り越えてください。

 

 

今日も素晴らしい一日を!