アーカイブ | 2019年6月15日

脱ステ・超お役立ち情報 - その9

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脱ステ・脱保湿をがんばっている皆さん♪

阪南中央病院皮膚科の佐藤健二先生と入院患者さんの学習会情報がアップデートされましたよ。

本当に役に立つ、必要な知識がいっぱいです。

今回は、経皮感査についてのお話を詳しくしてくれていますよ。

 

さあ、今日もみなさんご一緒に~~~♪

「教えて~~~~!佐藤センセイ~~~♪」

 

**********************

 

 

経皮感作について

 

経皮感作とは皮膚を通してアレルギーの発症をするということ。

昔は食物アレルギーが起こるのは、食物が消化管に入ってそこから起こると考えられていたが、

最近『茶のしずく事件』のように小麦成分を石鹸の中に混ぜて体を洗っていると

アレルギーが起こってしまったということがあり、

皮膚を通して感作が起こったんだろうという事が一大トピックとなった。

 

 

経皮感作がおこることとアトピーの関係

 

アトピーは、皮膚に傷があるからおこりやすいのではないか?” という疑問から、

皮膚に軟膏やステロイドを塗ったら感作が減るのかどうか?

 

『茶のしずく事件』について

アトピーは増えるのか?という疑問

登録されていた患者1800人の内、10%がアトピーに。

(これは、一般人口中のアトピーの比率と同じ)

 

脱ステ、脱保湿派を否定するために

ステロイドや軟膏を塗ってよくなったという事実を探すが、

結論的にアトピーだから経皮感作が増えているとは言えなかった。

 

   *****

徳子解説:上記はメモ形式になっているので、ここで説明を加えますね。

小麦成分の入った石鹸を使っていた一般の方に

アレルギーがたくさん起きたという事件から、

皮膚を通してアレルギーが起こるのがわかりました。

しかし、その際アレルギーが起こった比率は、

一般人口のアレルギーの起こる比率と同じだったようです。

ステロイド推奨派の考え方では、ステロイドを塗っていると

皮膚表面の傷からアレルギーが発症するのが抑えられる、という主張のようですが、

アトピーで皮膚に傷があるからアレルギーになりやすいのではなく、

傷がない人も同じだけなっているということは、

ステロイドなどを塗っていれば皮膚からのアレルギーが減る、とは言えない、

というお話をされたと思います。

 

   *****

 

 

経皮感作を起こさないためにステロイド保湿剤を塗ることで

減らすことが出来たかどうかという点について実際のデータを見ながら説明する

 

 

両親がアトピーの赤ちゃんの顔に毎日保湿剤を塗るグループと

全く塗らないグループに分けアトピーになるかどうかという研究について (羽曳野の研究)

                   
67名のうち、毎日保湿剤を塗る赤ちゃん35名と、塗らない赤ちゃん32名

アトピーになったのはどちらが多い??? 👇

 

結果、前者は5名、後者は6名で、有意差なし。

***保湿剤を塗ったからアトピーになりやすいなりにくいとは言えない

 

 

 

その後それぞれに(卵・牛乳・小麦の)アレルギー検査(プリックテスト)を行う

                    
67名のうち、毎日保湿剤を塗る赤ちゃん35名と、塗らない赤ちゃん32名に分けて検査。

陽性になった赤ちゃんは??? 👇
        

***結果、塗らない方が感作が少なかった

 

 

 

保湿をしたらアトピーが減るのか? (国立成育医療センターのデータ)

                               
118名のうち、(8ヶ月)毎日保湿剤を ’全身に’ 塗るグループ59名と、何もしないグループ59名

アトピーになったのは??? 👇           

 

 

***9名の違いが拡大解釈されて、「塗ったらアトピーにならないので保湿しましょう」と宣伝している

 

8ヶ月間も毎日産まれてすぐの赤ちゃんに全身薬を塗りまくることが許されることなのか?

ずっと保湿するという影響がどんなものか考えるのに一番簡単な例えが女性の化粧で、

休みの日に化粧をしないと肌がガサガサになる。

それが恐らく赤ちゃんにも同じことが起こる。

 

 

毎日保湿するグループ保湿しないグループに卵アレルギーの検査を行う

結果、差がなかった。

***毎日保湿しても経皮感作については効果がないということ。

 

 

早くから食物を食べたほうがアレルギーが起こりにくいか

(国立成育医療センターのデータ)

 

イギリスでピーナツで実験

***早くから食べた方がピーナツアレルギーを起こす率が圧倒的に低い👇

10分の1!!!

 

 

日本で卵で実験(8ヶ月間)
                    
121名のうち、卵を食べさせる60名と、食べさせない61名で実験。

卵アレルギーが起きたのは??? 👇

 

 

***結果、早くから食べさせる方がいい

 

両グループ共、ステロイドを塗っており、ステロイドの治療をしたところでアレルギーは起こる。

***ステロイド保湿で経皮感作を抑えようとしても実際は出来ない

脱ステロイド、脱保湿を否定するために言っている。

 

 

健康な子アトピーの子の色々な食物(20種類くらいで調べる)に対する感作の率

 

その中で双方の有意差があったのは唯一卵白のみ

有意差はないが健康な人の方が率が高いものもあった(豚肉など)

『アトピーだから』というのはおかしい。

普通の人でも起こっていること。

『アトピーだから』というのはある一定の目的のもとに何か考えて言われていることで、

そういう説は2~3年でどこかに消えるだろう。

 

 

**********************

 

 

入院患者さんから佐藤先生への質問

 

Q.  「かんさ」はどういう漢字?

A.  「感作」。アレルギーが起こる、という意味。

 

Q.  実験は元々統計学的に満たされる人数で行うのか?

A.  100名くらいいればできる。

そこから少なくなると、統計学的な精密度は落ちてくる。

 

Q.  入院が複数回の方と単回で済む方との違いは?

A.  統計学的に調べたことはない。再入院された方に理由を聞くと、

やらなければならないことをしていないか、

やってはいけないことをしているかが多い。

ただそれには、ある程度の理由があり、

例えば仕事が接客や営業の場合は顔に白い粉がついていたら仕事に

ならないのでワセリンを塗ってしまう。

仕方がないと思うことはあるが、医学の理論的には間違いの治療である。

 

Q.  両親がアトピーと片親がアトピーを比べて、子どものアトピー発症率に差はあるのか?

 A.  差はある。

アトピー素因(アトピー性皮膚炎、

喘息、アレルギー性結膜炎等)が

あるのかどうかを調べたデータはある。

両親がアトピーの場合、生後2年の間に

75%がアトピー素因のどれかが出てくる。

片親がアトピーの場合50%になる。

しかしアトピーに関する遺伝子が子供に受け継がれた場合は、

両親がアトピーでない場合も子供が重症アトピーになることはある。

反対に両親が重症のアトピーであっても

子供にアトピーが起こらない場合ももちろんある。

 

Q.  早くから子供に卵等のアレルギーを起こしやすい食物を食べさせた方がいいとの事だが、

検査してアレルギーがある子に対していつから子供に食べさせたらいいのか?

A.  検査が陽性だということと、食物アレルギーがあるということは全くの別物である。

したがって検査が陽性だということは除外して考えた方がよい。

少しずつ食べさせて体に慣れさせてくと、段々アレルギーが起こらなくなるということは頻繁にある。

食物アレルギーというのは、食べて蕁麻疹が起こるとかショックが起こるとかを指すのであって、

ある特定の食物に対する抗体があることを示す。RAST検査で陽性だからといって、

食物アレルギーがあることを示すものではない。

 

Q.  食物を食べても反応が起こらなくなるというのは体が慣れたということか

A.  子どもの消化管は

十分に完成されたものではないので、

食物が血中へ入り、

抗体がつくられやすいということは考えられている。

もう1つは消化酵素に関することである。

アレルゲンはたんぱく質であり、

抗原になるにはアミノ酸が10個程度つながってないといけない。

子供は消化酵素の質や産生量が十分でないため、

子どもにIGE抗体が検出されやすいのかもしれない。、

 

Q.  アトピーは遺伝子に組み込まれているのか

A.  今のところ考えられているのは、アトピーというのは特定の遺伝子1つからなる病気ではなく、

複数の遺伝子が集まって起こる病気である。

現在分かっていることは、表皮にあるフィラグリンというたんぱく質の異常で表皮がガサガサになって、

痒みを引き起こしているということである。

複数の遺伝子が関係しているからこそ、悪化する理由も、乾燥、ストレス、季節等、多岐にわたっている。

 

Q.  今までグルテンフリー、糖質制限が

アトピーにいいと聞いてきたが効果はあるのか?

A.  甘いものを食べる類の話は、

全部IGEが上がることばかりを気にしている。

IGEがあるからアトピーが悪くなるわけではない。

皮膚が悪くなってはじめてIGEが高くなる。

つまり原因と結果が逆である。

基本的にはアトピーはアレルギーではないと考えている。

血中IGEの量の変化をみると、湿疹が良くなっても

IGEはほとんど変わらない(IGEは高いまま推移する)

つまり、IGEは体に対し「悪さをする」のではなくて、

「防御する」働きをもっているのではないかと思っている。

それはIGEが消化管の中で寄生虫に対して防御する効果を持つことからもわかる。

 

Q.  遥か昔はアトピー患者はこんなにたくさんいなかったと思っているのだが、

年々アトピー患者が増えている理由は?

A.  ステロイドを使うからである。

アトピー患者が増えているのではなくて、

ステロイドを使って治らないアトピー患者が増えている。

1974年のアトピー患者の年齢分布をみると、

若年者に多く高齢者になるに従って少なくなってきている。

ところが、1984年の年齢分布をみると、

若年者と30代にピークが現れ(2峰性)高齢になるに従い減少している。

2007~2008年の日本皮膚科学会のデータによると

成人のところがポコんと高くなっている。

このことから、アトピー患者が増えているというのは、

ステロイドを使って悪くなった人が増えているというだけの話である。

ステロイドを使ったら依存性ができるので止めれなくなって、

いつまでたってもアトピー患者として治療され続けているということである。

日本皮膚科学会は、アトピー患者が成人で増えている理由を考えない。

なぜならその話をするとステロイドの事が問題になるからである。

世界中でステロイドで悪化した人がたくさんいる。

徳子さんのブログ💛 筆者より・ハートマークでは、

英語、スペイン語、中国語に翻訳され、世界中からアクセスがある。

(徳子:フランス語、オランダ語、ポーランド語もサポーターのみなさんが

チームを作って作業中ですよ。)

ステロイドで悪化した人は、

自分たちがステロイドが原因でこんなに苦しい経験をしたということを、

インターネットで発信し、世間、世界へ知らせないといけない義務があると思う。

 

Q.  アトピー患者のうち、ステロイドが効かない人は1/10の割合で存在している、

と聞いたことがあるが、実際はどうなのか?

A.  アトピーを発症する人は人口の20%程度であり、

そのうち半分(10%)が医療機関で治療を受ける。

その治療をした人のうち1/10(つまり人口の1/100)が悪くなって残っている。

現在の標準的な治療法が、皮疹が少ししか出ていないのに

(薬を)全身に塗ったり、1日2回塗ったりする。

これにより皮膚で産生されるステロイドがつくられなくなる。

 

                                                             2019.05.31『とまり木』より

 

 

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いかがでしたか?

私たち、またまた賢くなれましたね。

そして、それは、また一歩、よくなる日に近づいているということ。

こんなためになる情報を無償で公開してくださる佐藤健二先生、

そして、その為に尽力してくださる患者さんたち・・・・

ありがたいことばかりです。

 

感謝の温かい気持ちを胸に、日々を乗り越えてみてくださいね。

 

今日も素晴らしい一日を!