脱ステ・超お役立ち情報 - その16 (Q & A)

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皆さま、お待たせいたしました!

阪南中央病院佐藤健二先生と入院患者さんの学習会、

過去バージョンのシェアですよっ♪

今回はQ & Aコーナーです。

どれもこれも、あなたが知りたかったことばかり!

たくさん学んで、脱ステ・脱保湿マスターになって、

早くよくなってくださいね。

 

それではいつものように、ご一緒に・・・・!

「教えて♪ 佐藤センセイ~~~~!」

 

 

     ******************

 

 

入院患者さんから佐藤先生への質問

 

Q.  アルコールは摂取しても問題ないか?

摂取するにしても気をつけるべきことはあるか?

A.  アルコールを飲む際には、次の3点の問題点を把握し、自分自身で判断する必要がある。

  1: 夜の水分摂取となる。

  2: アルコールそのものは痒みを引き起こす

  3: アルコールの摂取は、リラックス効果があり痒みを和らげる効果もある

従って、自分自身でアルコールを

摂取してみることで痒みの症状を見て

摂取可否を判断するしかない。

ただし、痒みが問題なかったとしても、

夜に水分摂取をしているという注意点は残る。

その際、例えばウイスキー等では水分を少なく、

アルコールを摂取することが出来る。

痒みの強弱は、お酒の種類は特に関係ない。

ビールが飲めないなどの個人のアレルギーに気をつければ良い。

 

加えて、糖質制限は皮膚疾患・ 痒みには関係はない。

 

Q.  風邪やインフルエンザにかかった場合は、湿疹にどのような影響があるか?

A.  風邪インフルエンザ症状がある場合は、一般的に湿疹は悪くなる傾向がある。

また予防接種によっても皮膚炎が悪化する可能性はあるため、注意が必要である。

患者が子供の場合で接種を必要とする予防接種には、注意して実施するしかない。

Q.  初めて湿疹が出た幼児患者や、ステロイド・保湿の使用経験がない

患者の皮膚炎にはどのように対応すればよいか?

A.  『ステロイドにNOを! 赤ちゃん・子どものアトピー治療』に

全て詳細は記載している為、そちらを参考されたい。

 

Q.  アトピー性皮膚炎の原因の一つとして、皮膚表面の黄色ブドウ球菌の

バランスが悪い事がネット上に挙げられているが、どのように捉えれば良いか?

A.  皮膚表面の黄色ブドウ球菌のバランスが原因として言われ始めた同時期に、

別の論文で細菌感染を抑える治療は

皮膚炎の改善に効果がない事が証明されているので、

その情報は間違いと捉えてよい。

但し、細菌感染が実際に起こった場合には、細菌感染への対処は必要となる。

細菌感染していない場合においては、

過度な消毒などで無意味に皮膚にダメージを与える必要はない

特に子供患者の場合は、入浴回数を減らす等の方法のほうが症状の改善は早い。

 

 

Q.  細菌感染に気を付けるにあたり、どのような事を考え実施すれば良いか?

A.  入浴を上手に活用する事が第一に挙げられる。

入浴は皮膚表面の細菌量を減少させる事が出来るが、

過度な入浴や皮膚表面を洗いすぎると

皮脂を必要以上に流してしまう為、

注意が必要。

また、細菌は常に皮膚表面にいる

体内の免疫機能が十分に働いている場合や

傷口がない場合は全く問題がない

免疫力を高める方法としては、やはり適度な運動が望ましく、

また運動が細菌感染を引き起こすということはない。

 

Q.  患者等に話を伺うと、アトピー性皮膚炎患者は

手足の冷え症や肩こりの人が多いと思うが、それについてはどうか?

A.  その情報の真偽は明確ではない。

また冷え性や肩こりには運動が良いと思われる。

 

 

Q.  退院後に悪化してしまうケースを聞いたことがあるが、

どういった人がどれほど悪化する傾向にあるのか?

A.  入院中に寛解ではなく、ある程度良くなったか程度で退院するが、

退院後一時的に悪化する傾向は確かにある。

これまでの入院患者で見ると、全体の2/3ぐらいは

退院後一時的に悪化する人がいると思われる。

 

Q.  様々な面において運動が症状改善に有効ということは理解したが、

どのような運動をするのが良いだろうか?

A.  重要なのは、脈拍が上がる運動をする事である。

例えば太極拳なども効果はあるが、それで十分とは言い切れない。

心臓に病気がある人や足に傷がある場合など、運動の仕方を考える必要はある。

但し、太極拳等でも何もしないよりは絶対に良い。

 

Q.  脱ステ治療後も、花粉の時期は症状が悪化する傾向にあるか?

A.  目や鼻に痒み等のアレルギー症状が出て、

二次的に皮膚炎が悪化する患者はいるが、

花粉が直接的に皮膚炎の症状に

悪影響を与えるわけではない。

抗ヒスタミン剤、特に比較的新しいビラノア

という薬は、花粉症にかなり効果がある。

抗ヒスタミン剤の中でも、エキソフェナジ ンは

眠気は生じないが効果は若干薄く、

エピナスチンは眠気は少し生じるがより効果がある。

花粉症が起きる前から事前に飲む必要性はあまりなく、

花粉症の症状が出始めた頃に抗ヒスタミン剤を摂取する事で十分である。

 

Q.  乳酸菌の摂取が花粉に良いという情報があるが、効果があるのか?

A.  明確な回答は出来ない。試してみてもいいのではと思う。

 

Q.  細菌感染を抑えるために抗生物質を摂取すると、

腸内細菌も死んでしまうという情報があるがどのようにすれば良いか?

A.  適切な食事と運動としていれば、特に何も気をつけなくても

腸内細菌は通常状態にすぐに戻る。特に意識する必要はない。

 

Q.  食事に関して、摂取する油のバランスや過度なタンパク質の摂取は、

体に悪影響を及ぼすとの情報があるがどのように考えればよいか?

A.  まず、細胞膜は油分で出来ているため、

傷を修復するためにも油の摂取は必須

摂取する油のバランスに関しても、

外国人の摂取する油分は偏りすぎている為、

そういった情報を得られたのだと思うが、

過度に意識しすぎる必要はない。

 

またタンパク質においては、滲出液や落屑で

通常より2倍以上摂取する必要がある患者もいるほどである。

そこまで過剰摂取に意識する必要はない。

 

また、砂糖は別の名をショ糖ともいい、その成分はブドウ糖と果糖に分けられる。

これらは生命活動維持に絶対的に必要なものであり、これが問題であるとするならば、

全ての生物に何らかの異常が起きているはずだが、そういった観察は見られない為、

糖分の多少の過剰摂取を意識しても意味がない。

 

また、糖分を過剰摂取するとIgEが上昇するとの論文はあるにはあるが、

皮膚炎とIgEとの因果関係が逆に考えられているため問題ない。

補足すると、皮膚炎の湿疹が軽快した後でIgEが減少し

症状が悪化するとIgEが上昇する

IgEと皮膚炎の因果関係の世間一般の考え方は間違っている。

 

Q.  体型や体脂肪率と痒みには何らかの関係があるか?

A.  そのようなデータは見たことはない。

但し、アトピーの人は細胞を増殖させるのは得意ではないようで、

体重が増加した後に痒みが増したという患者はいる。

しかしながら、その一症例で全てが説明つく訳ではもちろんない。

 

補足すると、幼児の湿疹はよく顔に現れるが、

これは幼児の成長は頭部が一番早いからだと考えると納得がいく。

皮膚炎が現れやすい患者は、

細胞を作るのがあまり上手でなく時間がかかる為である。

幼児患者の成長がある程度進む と、頭部の成長も緩やかになるため、

症状は落ち着く。

同様に、思春期でも再度成長スピードが増す為、症状が再発するケースが多くある。

要は、成長する時期・成長する部位には皮膚炎の症状が出やすいと考えている。

 

 

                                     2018.01.12 『とまり木』より

             近畿中央病院・阪南中央病院  アトピー患者の交流の場をひろげよう!

 

 

     ******************

 

いかがでしたか?

今回も、めっちゃ役に立ちましたよね?

お肌について、ひとつ、ふたつ、と知識を重ねることで、

一歩、また一歩、治癒に近づいていきますよ。

大丈夫!あなたも必ずよくなります。

何度も読み返して、知識を確実なものにしていきましょうね。

 

 

今日も素晴らしい一日を!

 

 

 

 

 

脱ステ・超お役立ち情報 - その16 (Q & A)」への1件のフィードバック

  1. もうひとつご紹介です。

    患者さん学習会の初回にまとめて下さったものです。

        ***********

    2017年10月20日に開催した、とまり木の内容をまとめてお伝えします。

    先日韓国から脱ステロイド中のアトピー性皮膚炎患者さんが阪南中央病院皮膚科を受診された。 韓国でもアトピー性皮膚炎の治療でステロイドが使われ、治りにくくなって困っている患者さんがたくさんいると嘆かれていた。
    ステロイドを使わない治療を拡めることが必要だが、その必要があると思う医師は見当たらず、困っているとのこと。

    阪南中央病院では、概ね2週間に一度皮膚科医と患者が「とまり木」という集まりで会合を開いている。ここでは、皮膚科医の短いトピック話と患者からの質問に医師が 答えるということを行っている。そのあとで、患者同士が自分たちの経験談などの情報交換をしている。

    ここでの話は多くの難治化アトピー患者にとって、有益なもの なので、ここでの話を出席者の世話係が短くまとめて広く社会に発信するのがよいのではないかという医師の提案があった。

    今回は、提案についての質問で患者同士の集まりにどんなものがあるかとの質問があった。幼少時と親の集まりとして、いくつかの地方で「きらきら星」などの集まり、 大人については仙台に「カランコロン」の集まりなどがあるが、まだ少ない。

    韓国の人はアメリカのITSANや、Tommyさんのブログを見て阪南中央病院を知った。 この他にBriana Banosさんが関係しているPREVENTABLEというサイトもある。 日本で脱ステロイド、脱保湿を拡げるにはもっと多くの情報発信が必要なので、この「とまり木」の集まりの成果を発信してほしいとの医師の希望に従って発信します。 mixi、掲示板、atopicのホームページ、Facebookなどに発信します。

      投稿者:とまり木@阪南中央  投稿日:2017年10月25日(水)15時45分30秒

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